アカアジ

アカアジの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
30cm SL 前後になる。体高がムロアジ属のなかでもっとも高く側へんする。第2背鰭・胸鰭は赤味を帯び、尾鰭は赤い。離鰭があり、直線部分は稜鱗(ぜんご)がある。背鰭前方鱗域は眼の前縁を越える。キツネアカアジに非常に似ているが、側線直線部分の稜鱗の数で区別する。アカアジの直走部側線稜鱗数 26-29。キツネアカアジは直走部側線稜鱗数 32。
30cm SL 前後になる。体高がムロアジ属のなかでもっとも高く側へんする。第2背鰭・胸鰭は赤味を帯び、尾鰭は赤い。離鰭があり、直線部分は稜鱗(ぜんご)がある。背鰭前方鱗域は眼の前縁を越える。キツネアカアジに非常に似ているが、側線直線部分の稜鱗の数で区別する。アカアジの直走部側線稜鱗数 26-29。キツネアカアジは直走部側線稜鱗数 32。
背鰭前方鱗域は眼の前縁を越える。

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珍魚度・珍しさ★★★★
めったに出合えない
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ムロアジ属
外国名
学名
Decapterus akaadsi Abe,1958
漢字・学名由来

漢字 赤鰺 Akaaji
由来・語源 阿部宗明の命名だと思う。全体に赤味を帯びているため。
阿部宗明が新種記載したが「Decapterus kurroides Bleeker, 1855(キツネアカアジ)」の新参シノニムとされていたことがある。1980年になり有効種となる。

Abe
阿部宗明(あべ ときはる Abe Tokiharu 1911-1996)。魚類学者。田中茂穂の後継者。多くの魚を記載。国内だけではなく、「新顔の魚」にて輸入、海外で漁獲される魚の魚名も多数つけている。
地方名・市場名
アカアジ
参考日比野友亮さん、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所三重県志摩市志摩町和具、高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協、鹿児島県種子島 
ヒメアジ
場所静岡県沼津 

概要

生息域

海水魚。大陸棚縁辺部。
千葉県外房、相模湾〜九州南岸の太平洋沿岸、九州西岸、東シナ海大陸棚縁域、沖縄県那覇。
少ない/北海道太平洋沿岸、津軽海峡〜山口県の日本海沿岸。
朝鮮半島南岸、済州島。

生態

寿命は10歳。

基本情報

ムロアジ属のなかでももっとも体高が高く、尾が赤いなど目立つ存在だ。東シナ海から九州、太平洋沿岸域相模湾周辺と日本周辺に多く生息域は狭い。全国的にみても個体数が少ないためか水揚げ量は少ない。相模湾でも古くから少ないながら水揚げがあったが、数がまとまらないので雑魚として扱われている。比較的水揚げが多いのは九州である。
一定の評価はないものの、非常に味のいい魚で、アジ科魚類中でもトップクラスの味だと思っている。
珍魚度 ときどきまとまって取れるので、手放しで珍魚とはいえない。ただ探してもめったに手に入れることができない、入手困難な魚として、ぎりぎり珍魚かも。

水産基本情報

市場での評価 関東では入荷は非常に希。一定の評価はない。
漁法 定置網
産地 長崎県、和歌山県など

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

旬は春〜夏、晩秋〜冬。
旬と味の落ちる時期の違いはわかりにくい。相模湾など関東でみられるものは寒くなると脂がのる。ただしこれは北限であるからかも知れない。
鱗は薄く、取りやすい。皮は薄く、包丁で引いても手で剥いてもよい。骨は柔らかい。
ムロアジ属のなかでは血合いが弱い。透明感のある白身でほどよく締まっている。熱を通すと少し硬く締まる。

アカアジの身質 ムロアジにしては血合い部分が少なく、むしろマアジに近い。脂は皮と身の間にも、身にも混在して甘味を呈する。身のうま味も強く味はアジ科中でも最上級。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

アカアジの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、たたき、みそたたき)、揚げる(フライ、唐揚げ)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)
アカアジの刺身 ムロアジ属なのに血合いがさほど大きくなく、身質自体がとてもいい。小型のアジ科の中でも屈指の存在である。
水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。皮を引いて刺身状に切る。
旬の晩春から夏にかけては脂が身に混在して、皮と身の間に層も作る。口に入れるとこの表面の脂がとろけて甘いと感じさせてくれる。身自体にも強いうま味がある。

アカアジのたたきなます 水洗いして三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。皮を引き、やや細かく切る。ねぎや時季によってはみょうがや青じそなど、香りのある野菜を細かく切る。これをざっと和え、しょうがを振る。小型の個体などに向いている。
アカアジのみそたたき(なめろう) アジ科にもっとも合った料理法である。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引いて細かく切る。これにみそ、ねぎ、青じそ、みょうがを加えてよく切れる包丁でたたく。みその風味の中にアカアジのうま味と脂が浮き上がってくる。非常においしい。
アカアジのフライ ぜんごを取り、三枚に下ろして骨のない後半の血合い骨を切り取る。水分をよく拭き取り、塩コショウする。小麦粉をまぶして溶き卵にくぐらせてパン粉をつけて揚げる。比較的高温で揚げて、余熱で火が通るくらいがいい。身に水分が少なくしまっているのでマアジと比べるとフライとしては落ちるが、味はいい。バターなど油分をうまく使うといいかも知れない。
アカアジの唐揚げ(姿揚げ) 相模湾などには小型が多い。このようなものは唐揚げにすると、丸ごと全部食べられる。水洗いしてここでは開く。水分をよくきり、片栗粉をまぶして二度揚げする。サクサクとした中に背の青い魚特有の豊かな風味が感じられる。
アカアジの塩焼き ムロアジ属にしては血合いが少なく、焼いても煮ても硬く締まらない。非常に上質の身でクセもない。三枚に下ろして小振りはそのままで、大型は切り身にして焼き上げる。焼くと脂が表面に浮いてきて、表面が揚げたように香ばしくなる。まことにうまいとしかいいようがない。
アカアジの煮つけ アジ科はスズキ目なのにニシン目の魚に近いうま味成分を持ち、液体を使うと独特のうま味を醸し出す。とくに旬を迎えたものは煮ても締まらずふんわりとふくらんで柔らかく仕上がり、調味料と相まって他に類を見ない非常にうま味豊かに仕上がる。素晴らしい味わいである。
アカアジのあら汁(みそ立て) ムロアジの特徴はうま味成分を多く含んでいいるところだろう。刺身などにした残りのあらを集めて湯通ししして、氷水に落として残った鱗やぬめり、血液などを流す。水分をよくきり、水(昆布だし)で煮だしてみそをとく。うま味が強く、味わいがダレない。ご飯にかけても素晴らしい味だ。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど