大分県佐伯市産アイゴの刺身
アイゴは非常に身質がよく産卵期には脂が乗る
アイゴはすべてが臭いわけではない。海域にもよるが、臭い個体があるにはあるが、そんなに臭い個体の比率が高いわけではない。
今回の大分県佐伯市から来たものなど、とりたてて特別な締め方をしているようには思えないのに臭い個体は皆無だった。
しかも非常に脂が乗っていた。
いろいろ作ったが、まずイの一番に刺身について。
へぎ造りにした身の表面に脂の層が出来ている。
わさび醤油で食べた刺身は、今夏食べた魚の中でもトップクラスの味であった。
一日に多種類の魚を食べないといけないので、普段食べる刺身は最小限味見程度としているが、1尾丸ごと14切れ食べてしまった。それでも飽きが来ない。
もともと身質がよく、うま味に満ちているが、そこにたっぷりの脂が乗っているので、甘味が感じられる。
盆で魚の流通が止まっている今、もっとたくさん買って来ればよかった、と後悔さえしている。
触ると非常に上物だとわかるが、見た目は平凡だった
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に大分県佐伯市、丸昌水産からアイゴが来ていた。アイゴはいつ来ても捨て値である。
1箱持っていけ、と言われたがさすがにそれは辞退して7個体持ち帰ってきた。
触っただけで上物とわかるアイゴだった。
ちなみにアイゴと言えば臭い、臭いといいすぎである。
魚を知らない人間に限って臭いといい、テレビなどでも最初に臭いという。
こんな前口上があったらだれも食べる気がしないだろう。
最近、流通がよくなって根っから臭味のある個体以外は、臭味は皆無なのである。
しかも丸昌水産は全国的にみてもすぐれた荷主(出荷元)なのだ。この荷主にハズレなし、という仲卸も少なくない。
今回のものは比較的小振りで23cm・300g前後であった。
水洗いすると真子白子が飛び出してきた。
ちなみに産卵期はもっとも臭味を持つ個体が少ない時期でもある。
7個体総て臭味なしで、全部当たりであった。
内臓を取り出し、皮を引く。
今回はやや厚めに切りつけた。