202404/22掲載

焼きホタルに惚れに惚れたる春の宵

生ホタルはボイルホタルよりも割高だけど


今年はホタルイカが安い。非常に慌ただしい年でボイルは何度か食べているが、生ホタルは買っていない。
そんなことを考えての市場行、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産でヤギの剥き身を買っていて、すぐ隣にあったのが生ホタルだ。
昔は丸のまま生で食べていた人がいたが、寄生虫(旋尾線虫)が問題となり、大型のイカと同様に下ろして刺身にするか、足(腕)だけにするかとなっている。
生ホタルの魅力は半減した。
今回、久しぶりの生を、リゾットにしたり、パスタにしたりするとボイルにはない味があることを発見した。
生である意味は意外にも大きいではないか!
当たり前だけど、ゆでたてを温かい内に食べてもおいしい。

ただ強火で焼くだけでいい


さて、別の素材を焼き網の上で焼いては焼き加減を見ている内に、ホタルイカを焼いたことがないことに気がついた。
思いついたとき、冷蔵庫には生ホタルの1列分7尾が残っていたのだ。
下ごしらえはなし。
そのまま強火で焼くだけである。

焼いたそばから熱いうちに食べるべし


焼き上がりを食べてみて驚いた、熱々を食べたせいかも知れないが、とても濃厚な、しかもものすごく大量のうま味が、一時に口の中を満たす。
くどくないのはなぜだろう?
このままホタルイカの味を、ずーっとずーっと楽しんでいたいような気がしてきた。
翌日、わざわざ生ホタルを買いに市場まで行った。
考えてみると焼きホタルイカは塩もいらず、柑橘類もいらず、なぜか酒もいらないのである。
これほど単純で、簡単で、純粋な料理以前の料理はない。
今年はあとどれくらい焼きホタルを楽しめる、んだろう。

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ホタルイカのサムネイル写真
ホタルイカ英名/Firefly squid, Luminescent dwarf squid,Sparkling enope squid海水生。大陸棚上から斜面域。本州以北の瀬戸内海・日本海・太平洋、オホーツク海。朝鮮半島南沿岸・東岸、朝鮮半島以北の中・・・・
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