202402/06掲載

とても久しぶり、に作る、穴子の柔らか炊き

0.5kgの大きすぎるマアナゴなれども脂がのっている


一日遅れとなったが、今週のウマスギGO! GO! なのだ。
1月29日、八王子総合卸売協同組合、舵丸水産に冬なのに脂ののっていそうなマアナゴがあった。石巻産だと言ったはずだが、自信がないらしい。
店主のクマゴロウに下ろしてもらっているとき、出くわしたのがすし職人のたかさんで、その素っ頓狂な顔を見ている内に、たまには柔らかーく炊いてみたくなる。
ちなみに八王子総合卸売センター『市場寿司 たか』の煮穴子も柔らかいタイプである。
すし屋によって柔らかさ、煮染め加減、色などが違う。
「町ずし」のいいところは、店店でアナゴの煮加減の違いが楽しめるところなのだ。
どうでもいいことだけど、たかさんたち関東人は「煮穴子」だが、ボクは四国人なので「穴子炊き」になると思う。決して煮るとは言わない。

下ごしらえは限りなくていねいに


持ち帰ったマアナゴは背鰭・腹鰭を完全に取り、炊きやすい大きさに切る。
まな板に皮を上にして湯をかける。氷水に落として、もう一度まな板に乗せて包丁でぬめりをこそげ落とし、水分をていねいに拭き取る、
たっぷりの酒・みりん・水の中で少し煮て、少量のザラメ砂糖・醤油を加えてゆっくりことことと炊く。
アナゴが箸で持てないくらい柔らかくなったら火をとめ、冷めたらゆっくり手でバットなどに上げる。
汁は少しとろっとするくらいに煮つめる。
あとは食べやすい大きさに切り、詰めた煮汁をかける。
すし屋の煮穴子のやりかただけど、ボクが工夫を加えた部分が少しある。

見た目は実に重苦しいが、舌に乗せると軽く、後味も軽い


ボクの理想は舌の上で脆弱に崩れる程度の柔らかさだが、今回は想像以上に柔らかく炊き上がった。
ボクはどちらかというと、このお子様向きの甘さで、柔らかすぎ目が好き。
ただし、しっかりアナゴの持ち味は生きていることも述べておく。
ちなみに見た目はこってりだけど、舌の上でもさらっと軽い味だし、後口も軽い。
マアナゴは自分で炊いて、炊き上がったところを食べてこそ、かもかも。

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マアナゴのサムネイル写真
マアナゴConger-eel海水魚。沿岸砂泥底。北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海、喜界島。渤・・・・
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