202306/15掲載

鳥羽市安楽島出間リカさんのイワキはおいしい

イロロという不思議な名前はこの不思議な形からかも

水で戻したイロロ

三重県鳥羽市安楽島、出間リカさんに干したイワキ(イロロ)を送って頂く。
イロロは本州以南の潮間帯に普通に見られるもので、群生することから目につきやすい。同定が困難な海藻のなかでは覚えやすいもののひとつである。
採取がたやすく、たくさん生育している海藻なので、昔は全国的に食用となっていたはずだと考えている。
ただ今現在、食用としているのが確認できているのは、今回の三重県鳥羽市、高知県宿毛市、愛媛県南部一帯、大分県国東の4カ所にすぎない。
慶応生まれの海藻学者、岡村金太郎の時代には地方名も多く残り、普通に食用にしていたのかもしれない。特に三重県での食文化は早急に調べて保存する必要がある。
食はできる限り多様でなければいけないと思っているので、海藻の食文化の衰退は非常に危険であることも言っておきたい。

いしばんおいしかったのは佃煮

イロロの佃煮

さて、リカさんのイワキは生干しである。この点、ゆで干しの高知県や大分県とは戻し方からして違ってくる。
まずは1時間以上水につけてもどす。
水分をよくきり、根元の硬い部分を摘み取る。
真水で1時間程度ゆでる。
冷水に落として粗熱をとり、水分をよくきる。
煮物、佃煮、みそ汁、きゅうりもみなどを作ってみた。どれもおいしかったが、中でも佃煮は絶品であった。
海藻もさまざま、いろいろ食べて欲しいものである。

煮物にするとヒジキに近い

イロロと薩摩揚げの煮物

煮物に向いている。油揚げや薩摩揚げ、肉類など取り合わせはいろいろ。山東菜や小松菜で青みを加えてもいい。

ワカメとは違う味のみそ汁

イロロのみそ汁

みそ汁にするとワカメとは違って、少しゴワゴワして歯触りがいい。



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