202510/09掲載

2025年9月 高知県の食材4 かますの煮干しでうどん、そば

カタクチイワシ以外の煮干しを見つけたら迷うことなく買う


高知県高知市愛宕町の金曜市の塩乾などを売る店で、買ったものだ。
「かますの煮干し」は日本の各地で作られていると思うが、高知県もそのひとつだ。
市内にある市(日曜市・金曜市など)では定番的なものだと思われる。
問題はアカカマスかヤマトカマスか、だが、今回のものはアカカマスのようだ。
過去にはっきりヤマトカマスだと思われるものは見ていない。

カタクチイワシの煮干しよりも少し色が濃い


煮干しなので適当に身を割り、内臓の黒い部分と鰓を取る。
昆布と一緒に一昼夜漬け込んで、火をつけ沸騰し始めたら火をとめて濾す。
だしの色はカタクチイワシの煮干しよりも濃い。
少しだけ琥珀色をしてる。
煮干しだしから感じる味の印象(強さ)は二等辺三角形だと思う。
節でとってものも三角形ではあるが角の角度が鈍く、三角形には思えない。
まぐろ節などは角の角度が非常に鈍く、ほぼ円形に近い。

カタクチイワシの煮干しは二等辺でも頂点(最初に感じる味)が鋭利でぱきっとしていながら、しかも底辺(口に広がる味)も長い。
アカカマスの煮干しは頂点の味が鈍く、底辺(味の大きさ)はほどほどに長い。
すなわちアカカマスの方が少し味にまろみがある。

うどんにも合うがそばにも合う



ボクの故郷、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)のうどんつゆを作る。
みりん・多めの塩・薄口醤油をほんの少々、である。
高知県宿毛市『大原かまぼこ店』の赤いかまぼこを種に使ったが、ボクの故郷徳島県では「板つけ」という。高知県ではなんと呼ぶのだろう。

うどんつゆとしては過不足のない味で、非常にレベルが高いと思う。
うま味が強く、中だるみがないので最後の一滴までうまい。
うどんを食べているとき、そばにも合いそうだと思ったので、そばでも試してみる。
カタクチイワシの煮干しのつゆはそばには短兵急で、そばの風味としっくり来ない。
アカカマスの煮干しは最後の最後までそばと寄り添ってくれる。
そばならアカカマスに軍配を上げたい。

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アカカマスのサムネイル写真
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