202510/06掲載

2025年9月 高知県の食材3 てつ干し・まいら

嫌みのない淡泊な味わいだが、微かにサメらしい風味がある


高知に行ったら必ず買ってしまうものに「てつ干し」がある。
今回買ったのは「まいら鉄干し」で、『いずま海産(高知県室戸市)』のものだ。
「まいら」とはアオザメのことである。
角材状で微かに赤みを帯びている。
塩加減がほどよくとてもボク好み。
高知県東部の室戸市や安芸市などなどの「てつ干し」は、どれもこれもよく出来ている。
はずれがないのがうれしい。

しっかり焼き目がつくくらい焼くのが好きなので、じっくり四方八方から火を当て時間をかけながら焼き上げた。
これを手でむしりながら野性的に食らう。
高知県で買った土佐鶴にも合うし、ビールにも合う。
いずれにしても酒の友なのは高知県だからかも。

隠れた高知県名物かも知れない、「てつ干し」


大型のサメ類を干物にする地域は紀伊半島と高知県東部だけだと思っている。
三重県は「たれ」、高知県は「てつ干し」だ。
どちらもくせのないさっぱりした味わいで、食べやすい。

高知県の「てつ干し」の「てつ」は「鉄」のことだと室戸市で聞いたことがある。
現在は干しがあまく柔らかいが、古くは保存性を高めるために鉄のように硬いものだったのだろう。
だから山間部で好んで食べられたのだと思う。

さて、高知県では「まいら」がアオザメで、「ふか」がシュモクザメ類などに分かれる。
両種にそんなに味の点で大きな違いはない。

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