202508/21掲載

スーパーのゴマサバで、夏の魚すき

夏の鍋は熱々でも体を沈静化させ、癒やしてくれる


夏の鍋ものはいい。疲れていたり、忙しいときには特にいい。
一口食べると意外にも、自分の胃袋が温かみを欲していることに気づくはずだ。
ただし、暑い時期なので煮ながら食べると熱すぎる。
テーブルに鍋を移して食べるといい。

この時季の並のゴマサバは決して脂がのっているわけではないし、味があるわけでもない。
それを甘辛いすき焼きの地でカバーする。
一切れがあまり大きくなく、煮つけのように強く煮ていないので比較的柔らかい。
煮えた夏野菜のおいしさとゴマサバから出ただしが一体となると、やけにうまい。
そしてまた、やけにご飯がうまい。
くどいようだが、エアコンの冷気を24時間浴びて、体が疲弊している、そんなときこそ夏の鍋だ。

ちなみにスーパーの切り身なので包丁を使うのは最小限である。
今回はすき焼きの地を自分で作ったが、市販のもので充分だ。
夏野菜をたっぷり食べるためにも、作ってほしい夏の鍋だ。
ついでにいうと、作り方といっても、材料を鍋に並べて、熱いすき焼き地をそそぐだけで、煮る時間もそんなにかからない。
家族揃って食べることの少なくなった今、鍋に材料を並べておいて随時食べてもいいと思っている。

魚が高騰しているのでゴマサバはありがたい存在だ


スーパーで買った、鹿児島県産生さば(ゴマサバ)は、三枚下ろし1尾分319gで税込み493円なので、半身で250円ほどである。
今回の1鍋で2人前と考えてもいいと思うので、1人前125円也だ。
古く国内ではマサバが多く、ゴマサバは南日本に限って多かった。
たぶんではあるが、今では全国的にもゴマサバの方が多いのではないか? と思われる。

さて、2枚の半身の1枚には振り塩をして、半身はそのままにする。
振り塩をしたものは後々塩焼きにする。

湯は熱湯ではなく、水を少し加えて温度を落としたもの


振り塩をしていない方を鍋などに入れ、上から湯をゆっくり脇から注ぐ。
湯は薬缶などで沸かして、コップいっぱいの水を入れて少し温度を下げたものを使う。

霜降りにしないと出しが濁り、アクが出る。


湯を捨て、そこに水を加えて表面のぬめりを指で取る。
水分をよくきる。

割り下は比率でおぼえておくと便利だ


魚すき用の割り下(すき焼き地)を作る。
酒・醤油・砂糖を同量くらいと、この3つを合わせたくらいの量の水。
これはあくまでも比率で、調味料1・1・1と、調味料と同量3の水だ。
みりんを使ったり、いろんな形があるが、これがいちばん普通かも。

割り下は自分好みに加減して作る


これを合わせて鍋で煮立てながら味を調えていく。
地域地域で醤油の甘さ、塩分濃度が違うので、臨機応変に好みの味にする。
もっと甘い方がよければ砂糖を加え、こくが欲しければ酒を、醤油がもの足りなかったら醤油を足す。
全体の濃度は水で加減する。
保存がきくので2リットルくらい作っておくと便利だ。
余ったらいろんなものに使える。

鍋に材料を並べてラップして冷蔵庫へ、というのがおすすめ


霜降りにしたゴマサバを適当に切る。
今回は青ツルムラサキ、オクラ、玉ねぎを使ったが、野菜はあるものを適当に切る。ナスでもレタスでも冬瓜でもなんでいい。
本当は割り下を煮立てた中に少しずつ順番に入れるのがベストだが、夏は鍋に材料をすべて詰め込んで煮て、出来上がりを食卓に運んだ方が楽かも。

完成させてからテーブルに運ぶ


温めた割り下を鍋にそそぎ、煮始める。
煮ながらさらに砂糖を足したり、水を加えたりしてもいいので、ほとんど失敗はない。
煮えたらテーブルに。

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