202504/18掲載

「ほらがい」、ボウシュウボラ・ナンカイボラの下ろし方

おいしい巻き貝だけど、仕込みはなかなか手間がかかる


ホラガイ科ホラガイ属の巻き貝は国内に2種。琉球列島にいるホラガイと、ボウシュウボラである。
ボウシュウボラには深場にいるタイプがあってナンカイボラとされている。この2タイプは味が微妙に違うが、日本各地で区別しないで「ホラガイ」と呼ばれている。
ともに貝らしい強い食感があり、貝らしい風味が強い。
巻き貝を食べている、という感じが強くする。
ボウシュウボラの方が食感が強く、貝らしい風味も強いが、どちらもとてもおいしい。
写真はナンカイボラタイプだ。

とにかくこのボウシュウボラは貝殻が硬い


ボクのやり方は伊豆半島で教わったものだ。貝殻をいきなり金槌で割るというものだが、都会暮らしには無理なので一工夫している。
ボウシュウボラの貝殻は非常に硬いので、割るにしてもケガしないようにすべきだ。
写真はボウシュウボラタイプだ。

写真中央の凹んだ部分が比較的貝殻が弱い


まず、貝殻の写真の部分に金槌などで傷を入れる。
この部分が一番割りやすいし、軟体を引き出すためにも好都合だ。
写真はナンカイボラタイプだ。

軟体を殻につなぎ止めている部分を切る


傷つけたとことにアイスピックなど先の尖っているものを刺し込む。
その部分の軟体を上下に動かして切る。
この部分に強い帯状の筋肉があるのがわかるはずだが、これを切る感じだ。
同様のやり方は、北海道のツブでもやるが、ホラガイ科は内臓に毒を持つので、残ってもそのままでいい。
写真はナンカイボラタイプだ。

取り出した足だけが食べられる


足を取りだす。
貝殻を飾りに使いたかったらしっかりゆでて、出てくる内臓を出来るだけだす。
出なくでもゆでると粘液が垂れてこなくなる。
ゆでたら水に貝殻を放ち、水分を切り、冷やしておくといい。
写真はナンカイボラタイプだ。

足は半割にして食べにくい部分を取り去る


足の部分を半割にし、食べてもおいしくない黄色もしくはオレンジ色の柔らかい唾液腺を取り去る。
一対の銛(獲物を刺して麻痺させるための)は硬いので取った方がいい。
写真はナンカイボラタイプだ。

もむときは最初から塩を加えない方がいいという


これを何もつけないでひたすら粘液をもみ出す。
疲れるくらいもんだら一度水洗いし、こんどは塩をまぶしてもむ。
水分をしっかり切り、できるだけ薄くそぎ切りにする。
写真はナンカイボラタイプだ。

このコラムに関係する種

ボウシュウボラのサムネイル写真
ボウシュウボラJapanese triton, Trumpet shell海水生。潮間帯から水深50mの岩礁域。房総半島、山口県以南。フィリピン。・・・・
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ナンカイボラのサムネイル写真
ナンカイボラTriton海水生。水深50〜250メートル。相模湾、駿河湾、遠州灘、熊野灘、土佐湾など。全世界の温帯域。・・・・
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