202503/18掲載

疲れているので、穴とろ丼

ウナギ目の魚にも大和芋にもパワーがある


慌ただしいとき、仕事のはかが行かないときは、とろろ丼がいい。
大和芋をすり鉢でする時間が非常に貴い。
いろんな着想が得られるし、たぶん大和芋は体に力(りき)をつけてくれる。
しかもデスクの上でかき込める。

さて、今回の煮穴子は新しい煮汁を使ったのでやや味が軽い。
非常にうまいな、なんて自画自賛できるものではあるが、ボク好みの煮穴子の味は、奥行きのある味なのである。
箸で切るまでもなく切れる柔らかさなので、口に入れると、とろっと昼寝から目覚めたときのような陶酔感が感じられる。

煮穴子だけだとこのとろふわだけでお終いなのだけど、ここに大和芋の濃厚な味がきて、これが煮穴子にむりやり抱きつくことで、両方の味が長続きする。
面白いものでこれで完結、ハッピーエンドと思ったら大間違い。
ご飯があるからこそ、この強いおいしさが生きる。
あっと言う間に胃袋へと納まってしまうが、長い旅をしたごとき、になる。

真っ先にぬるを取り去ることから始める


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産でマアナゴの開き(さき穴子)を買った。やや大きめで、煮穴子用だ。
単純にお昼ご飯に食べたいから買ったもので、本能買いといったものだ。

これを持ち帰って、まな板に皮を上にして置き、振り塩をする。
振り塩をする意味はわからないが、やっているのを見て真似た。
熱湯をかけてぬるを白く浮き上がらせる。
これをしごきとって、鍋に入る大きさに切る。

色はついたが、味は浅めだが、徐々によくなるアナゴの煮汁


冷凍保存して置いた穴子・蛤の煮汁をだそうと思ったら見つからない。
ものすごく探してもない。まさかだが、捨ててしまったのかも知れない。
まったく新しく鍋に水・砂糖・少量の酒を煮立たせてアナゴを入れ、ことことと好みの柔らかさになるまで煮る。
鍋止めする。

大和芋はすってすって焼け糞になるくらいする


千葉県佐倉市産大和芋は下ろしてすり鉢に入れて、徹底的にする。
すればするほどいいし、食べやすくなる。
念のために、すりすぎもいけないのかも知れないが、まだそこまですったことがない
ご飯をチンしてとろろをかけ、煮穴子をのせてチューブの練りわさびを添える。
煮汁は忘れない内に冷凍保存。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

このコラムに関係する種

マアナゴのサムネイル写真
マアナゴConger-eel海水魚。沿岸砂泥底。北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海、喜界島。渤・・・・
詳細ページへ

関連記事 ▽




呼び名検索

方言を含む全ての名(標準和名,方言,呼び名,外国名,学名)から水産物を検索します。

閉じる