202503/09掲載

小イシガキダイの焼き切り

小さいけれど焼き切りにすると味が巨大


イシガキダイの小型にはほんの少し磯臭さがある。
皮目をあぶるとその磯臭さが前面に、これまたほんの少し出てくる。
これを柑橘類とさらした玉ねぎ、からし菜で感じなくする。
またこの植物の辛味がこの磯魚の味にプラスに働いてくれる。
今回、しょうがも添えてみたが無用だった。

あぶったイシガキダイの1切れの味わいの複雑さ、奥深さは他に類をみない。
皮の香ばしさに、この皮自体の食感と味、その真下にちょっとだけ液体化した脂が層をなしている。
その上、身に甘味とうま味がある。
味があばれて、どんちゃん騒ぎというか、あちゃらかというか、喉を通り過ぎるまでが実に騒がしい。
なのに後味が軽く、一瞬だけ味の余韻が感じられて無になる。
この繰り返しがとても楽しい。

今回合わせた「菊水新米新種 ふなくち」の味が強すぎて合わなかった。
次回合わせるなら、がつんと辛口の、一本調子の酒かも。

見た目は悪いが鮮度抜群である


八王子総合卸売センター、福泉に、たぶん宮城県産だろう入合(1箱にいろんな種類の魚が入っている)が来ていた。ここから数尾選んで買ってきた。
入合はお買い得である。見るだけでもこんなにわくわく楽しいのに、なぜ安いんだろうという疑問が浮かんでくる。
シガキダイ22cm・418gで、鮮度がいいのに値段は1コイン以下である。

まずは半身を焼き切りにする。
水洗いして三枚に下ろす。
腹骨・血合い骨を取る。
皮目をバーナーであぶり、氷水に落として水分をきる。
少し寝かせて皮を落ち着かせてから刺身状に切る。

このコラムに関係する種

イシガキダイのサムネイル写真
イシガキダイSpotted knifejaw, 台湾/斑石鯛海水魚。水深3-135mの岩礁域。北海道全沿岸・[紋別市定置網手のひらサイズ]〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸・・・・
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