202409/28掲載

ツノナガチヒロエビを1尾食い

おいしいから食べすぎる、食べすぎると、問題が発生する


少し食べるとおいしいのに、食べすぎるとヤな気分になる。
生で食べると脂っこさが鼻につき、生でたくさん食べるともっと困ったことになる。
やっかいなエビのひとつである。
駿河湾の底曳きにのってお昼ご飯のおかず、煮つけを食べたら、やたらにおいしい。
もっと欲しそうな顔をすると船頭さんに首を左右に振られたことがある。
駿河湾の海の上で体調不良になったら取り返しがつかない。
船頭さんがとめたのはそのせいである。
本種などチヒロエビの仲間で一般的な食用エビは国内にはいない。
漁業的にとって流通している種は南米スリナムやスペインのオオミツトゲチヒロエビくらいだろう。

甘辛く煮つけるのがいちばんうまい料理法だけど、今回は1固体だけだったので、ゆでて放冷したものを口に放り込んでお終いである。
温かい内に食べると味がなく、冷めて初めてこくのある本種ならではの味が表に出てくる。
数ヶ月ぶりに食べて、やはりうまいエビだな、とは思ったものの、せめて5、6尾食いたかった。

相模湾ではお馴染みの深紅のエビ


9月20日、小田原魚市場、二宮定置はやや低調であった。
そんなときに限ってボクが好きなものが揚がる、というアンバランスな状況となる。
そんな中、サクラエビなどに混ざっていたのがツノナガチヒロエビである。外房、相模湾などの定置網でときどき揚がる深海性のエビで、たくさんまとまって揚がることもある。
深海から浅場へと底の潮が動いているときにとれるという、話を聞いたことがある。
岸辺からすぐ沖合いに深海のある相模湾ではお馴染みのエビでもある。
今回の固体は全長13cmほどと本種としては小型である。
1固体なので塩ゆでにする。
二宮定置のみなさん、Kai’s Kitchenのカイくんなどなど、お世話になりました。

このコラムに関係する種

ツノナガチヒロエビのサムネイル写真
ツノナガチヒロエビGiant red shrimp海水生。水深300-400m。ときに水深60m付近にも上がってくる。外房沖、相模湾、駿河湾、遠州灘、熊野灘、薩摩半島、・・・・
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