硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科マハタ属

クエ

魚貝の物知り度

★★★ 知っていたら通人級

学名 Sebastolobus macrochir (Gunther)
外国名 英名/Thornhead, Idiot
同科同属 他のハタ科の魚へはここから!
漢字・由来 漢字/九絵、垢穢
由来・語源/延喜式にある。
「こいぇり、こやす」の「こや」の転呼で「臥す」の転義。
「垢穢」で垢がついて汚れていること。
若魚の身体に不規則な数条の紋があるので「九絵」。
地方名・市場名

佐賀県、福岡県でアラ。
三重県ではマスとも。
伊豆諸島での釣りの世界ではモロコ。
アオナ、イギス、イノミーバイ、オオイオ、オオウオ、キョウモドリ、クエマス、サイゴ、ホングエ、マグエ、マス。

形態 体長2メートル、150キロ前後になるともいわれる。若い時期には不規則な筋状の文様がある。頭部はハタの仲間としてはとがって低い。
生息域 海水魚。南日本。シナ海、フィリピン。
生態 産卵期は夏、6月頃。
沿岸の岩礁域に生息する。
一般的評価 偽装問題が起こるほどの高級魚。
もともとは九州場所に関取が好むものとして知名度があった。
現在でも博多(福岡市)には「あら料理」の店が多い。
三重県、和歌山県などでは観光資源とされる。
一般にはまったく出回っていない。
産地でも珍しいもの。
近年料理店などにも見られるが、ほとんどが養殖ものばかり。
水産基本情報 市場での評価/長崎県などから天然物がくるが、非常に少ない。非常に高価。ときにキロあたり1キロ1万円前後する。養殖ものの方が多く、価格は安定してキロあたり3000円〜4000前後。
漁法/釣り、定置網
近年養殖されたものが目立つ。
主な産地/長崎県、三重県、和歌山県などとれる量は少ない
養殖は和歌山県
雑学 クエの偽装/アブラボウズをクエと偽って福岡市や大阪府堺市の業者が販売していた。(2008年)
選び方 活け締め、活けがおすすめ。刺身にしたときに美しい。目が澄んでいるもの。鰓が鮮紅色のもの。
味わい・栄養 味の評価/★★★★★=大型は究極の美味
旬は寒い時期。
透明感のある白身。
皮はゼラチン質で脂に似た甘みがある。
身は適度に繊維質で熱を通すとしまる。
養殖物は脂がのっているが、鍋にしたとき煮汁が濁り、クエ本来の旨さにかける。
このあたりは養殖法の向上が求められるところだと思う。
調理法 鍋、汁、ブイヤベース、トマトソース煮、刺身、唐揚げ、ポワレ、ムニエル他
食べ方 刺身は血合いが非常に美しく、淡泊でいながら旨みがある。



小型でも活けのものを求めて非常にうまい。
クエ鍋は有名。
皮がゼラチン質で、頭部に濃厚な旨みがある。
身は適度にしまり、ほくほくしている。
鍋として最上級、満足感のある味わい。



唐揚げも定番料理のひとつ。
表面はかりっと香ばしく内側は豊潤。
豊かな気持ちになる味、ごちそうだ。



他には贅沢だがポワレにしてびっくりするほどにうまい。
トマトソース煮、ブイヤベース、ムニエルなどどのように料理しても美味。
好んで食べる地域 唐津くんちのあら姿煮/10月29日に行われる「唐津くんち」に大きなアラ(クエ)を丸ごと煮る。
アラ鍋(あらなべ)/福岡県福岡市(博多)ではアラ鍋が有名。
紀伊半島、和歌山県、三重県
加工品・名産品
釣り 伊豆諸島では活きエサのモロコ(クエ)釣りが有名。
参考文献 『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)、『原色魚類大図鑑』(安倍宗明 北隆館)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『聞き書 佐賀の食事』(農文協)
画像は総て養殖。