ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!

すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場

すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~ すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。

イラスト図解 寿司ネタ1年生 イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。

更新情報など

最新コラムより

コラム 

4月30日はクロダイの刺身とカツオ、ツマリカスベが主菜

自分の食事を振り返って考える、という変なことを始めたから1月半がたつ。意外に面白いので続けていく。
ボクの場合、早朝に前日撮影準備した水産生物を撮影→画像の選択・保存、そのとき感じたことや、わかったことをテキスト化してサイトに反映する。
過去の値段との比較もするので、早朝まんじゅう1個とお茶のみで、朝ご飯は早くても10時過ぎ、ときに11時近くになる。
この日は、朝作って撮影した魚料理を中心に並べ終わったのが12時半なので、ほんまに朝ご飯なんかいな? と疑問に思ったりした。
以下は作りましたるもの。
【カツオの腹身の一夜干し】 福島県相馬市のスーパーで買い求めた腹身を立て塩に10分つけてほぼ1日干したもの。
【クロダイの刺身】 一色産のクロダイはこの時点で脂が乗っていてうま味豊かであった。ご飯の時は濃口醤油ではなく、刺身醤油で食べる。
【かすべの煮つけ】 福島県相馬市のスーパーで買ったツマリカスベの切り身を煮つけたもの。前日食べたものをそのまま冷蔵保存したら、見事に煮凝る。
【フクロフノリの中華スープ】 福島県相馬市原釜で採取していたバアチャンに撮影用にいただいたもの。やはりフノリのみそ汁はおいしい。
小皿に、大好きなスナップエンドウ(スナックエンドウと同じ物。ともに商品名の著作権が切れているので使い放題だと思う)と南相馬市タマゴヤの朝鮮漬。
八王子綜合卸売センター八百角の社長がくれた謎のみかん。
ちょっとだけ野菜が足らん気もする。
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コラム 

熱海のおいしいところてん

静岡県熱海市の宇田水産、宇田勝さんに心太(ところてん)をいただく。
ボクは太っていてデブな割りに「ところてん」が大好き。いただいていきなりうれしすぎて、ちゃんとお礼を言ったかどうか心配になる。
主に紅藻類のマクサを採取して、お日様にさらしたものが、「天草」である。この「天草」を煮て、冷やして出来上がるのが「ところてん」だ。
古代からの食品で古くは凝海藻(こもるは)と呼ばれていた。心太という漢字が出来て、「ところてん」と呼ばれるようになったのは江戸時代か、せいぜい室町時代だとされている。
多種類の紅藻類テングサの仲間を使った寒天類は主に、長野県や岐阜県で作られていて、全国的だが、原藻を使って作る「ところてん」などが作られているのは海に近い地域である。
紅藻類と言えば、東北日本海側の「えご」、「おきゅうと」もほぼ変わりがないものと考えた方がいいだろう。
さっそく持ち帰って、天つきで突き出して、お昼ご飯の添える。
作り方と言うよりも食べる準備と行った方がいいけれど。
まず、湯で辛子を錬る。
ガラスの器に氷を放り込んでおき、二杯酢を作る。
その間にシャワーを浴びて、漁港で水揚げを見た後の塩気を体中から洗い流す。
天つきでついて、冷やした器に放り込んだら出来上がりである。
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郷土料理 

福島県相馬市の郷土料理「アイナメのたたき」を作る

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で宮城県産、活け締めのアイナメ(37cm ・963g)を買う。そろそろいい時季だというのもあるし、福島県相馬市の旅に出たついでに、この相双地区の郷土料理を作りたかったからだ。
この絶品のアイナメで何を作るかというと、「たたき」である。
岩手県、宮城県、福島県で「たたき」は細かく切った魚の身をねぎ、みそとたたいたものだ。宮城県では「みそたたき」という人もいる。
ちなみに、震災前の原釜漁港で「アイナメのたたき、作りますか?」と聞いたことがある。ウミタナゴやホッケで作るが、アイナメでは作ったことがないという人が多かった。もちろん少人数に聞いただけで、『聞き書 福島の食』(農文協)には、しっかり相馬の郷土料理として登場している。
「聞き書シリーズ」は1970年という急激な地域文化破壊年以前の、日常の食事に関する聞取であるため非常に重要な資料なのだ。
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コラム 

硬骨魚類のアニサキス探しは容易ではない

アニサキス症の責任は飲食店や魚屋が取るらしい。これは料理を提供する側に対して、あまりにも酷な話である。だいたい、それではアレルギー性のアニサキス症はだれが責任を取るのだろう。
現在のアニサキス症の責任の所在に関しては、明らかに間違っていると思っている。
さて、毎日毎日、アニサキス探しを続けている。寄生虫としてはアニサキスの線虫類と、扁形動物類に分けられるが、線虫類は断面が円形で細長いことで扁形動物と区別できる。
さて、幼虫に関しては、硬骨魚類や軟体類内のアニサキスでもまずは内臓内で探す、筋肉に関してはつぶして水で濾して探せばなんとなかると思う。しかし幼虫でも小さな個体を探すのは容易ではないだろう。
また、冷凍したら危険ではないというがアレルギーに関して、死んだ幼虫に抗体反応は起きないのか? 卵を取り込んだ場合にどうなるんだろう? などなど個人的に勉強しなければならぬことが多すぎる。
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コラム 

フグ科の最高峰の味のひとつ、水フグの湯引き

静岡県熱海市、網代漁業、網代魚市場で分けていただいた魚の中に大きな「水フグ(ヨリトフグ)」が混ざっていた。大好きな魚で、こいつだけはどうしても食べたかったために分けていただいた。
非常に昔の話になるが電動リールと言ったら深海のものしかなく、水深200mくらいなら手巻きであった。中深場釣りになると錘が重いので手巻きだと重労働なのだ。その重い仕掛けに白い風船、「水フグ」が2尾もついてくると、寒い時季でも汗が噴き出すくらいたいへんだった。この「水フグ」が3連発、すべてのハリについていようものなら、重いし、ハリス切れはするしでどうにもやりようがなかった。
釣り師は捨てるが、これを船頭は拾って帰っていた。当時、下田の船宿で出してくれていたのが「水フグ」のみそ汁である、皮も肝も全部入ったみそ汁は想像を絶するうまさだった。
こんなにうまい魚なのに、残念なことに今や相模湾では深刻な未利用魚なのだ。売れない魚の代表格で、売れなくしている犯人は厚生労働省である。フグをフグ調理師(県によって名称が違う)以外に出来なくしているためだ。
完全に無毒のシロサバフグや本種などさえ、資格のない料理人に扱えなくしているのは非科学的である。
フグは種の同定が出来、毒の部分を分けられるだけでいいはずだ。
なのに技術面での制約がある。ついでに言わせてもらうと皮に毒のないトラフグの、皮の処理は安全とは何ら関わりがない。
厚生労働省と各都道府県に、あの「水フグのみそ汁」を返せ! といいたい。
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料理法・レシピ 

最後の小田原のタチウオは中華煮込みに

4月19日、小田原魚市場には発泡に入りきらないタチウオの尾っぽが、あっちでひらひら、こっちでひらひらしている。と書いた。
このとき二宮定置にいただいたタチウオを昨日やっと全部食べ尽くせた。
日々慌ただしいので、忙しいときの救世主になった。
いろいろ保存食にしたが、昨日のものは三枚に下ろして一口大に切り、塩コショウし、小麦粉をまぶした状態で冷凍したものだ。冷凍保存する場合はできるだけ、味つけしてからの方が劣化しない。
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料理法・レシピ 

福島県相馬市産「にくもちがれい」の天丼

福島県相馬市のスーパーで「にくもちがれい(ミギガレイ)」を2パック買って来た。この魚、まあまあたくさん揚がるのに産地周辺のみで流通している。低評価魚の代表格である。
未利用魚を日本全国を見渡して話ができる人には会ったことがない。未利用の定義も曖昧だが、この魚のようにときにまとまって揚がりながら、売れないという魚を知っている人がいないのが残念でならない。
未利用魚・低利用魚などもっとしっかり定義した方がいいと思うな。
さて、この魚は水分が多いものの、料理法によっては非常にうまいのである。
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コラム 

硬骨魚類のアニサキス、カンパチ

カンパチはこのページにまとめることにした。
まずは銭州産のカンパチでアニサキス探し。
アニサキスは線虫動物門なので、同じように寄生する扁形動物門とは形態的に違うのだと思っている。なんと系統分類学の教科書までさかのぼって形態を頭に入れて探す。
4㎏のカンパチを下ろしながら内臓を分けて最後には水に浮かせて探す。
肝は半分つぶしてアニサキス科の線虫を探してみる。
筋肉は腹部を半身分つぶしす。
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バカガイの漬け
コラム 

バカヒモ漬けお握りってウマスギ!

朝っぱらから画像と個体を見続け同定していたら、右目がぼってり腫れてきた。目がつむれないので、ちょっとだけ息抜きにお握り図鑑を書く。
ボクはバカにバカが好きだ。ついついバカの剥き身があると買ってしまう。といっても何が何だかわからないと思うが、バカガイ(青柳)の剥き身のことで活け(殻付き)よりも市場では普通である。
舌のように見えるのが足でこの部分を刺身にする。あとに残るのはヒモ(外套膜)と水管だけど、今春はいきなり漬けにしている。
バカヒモ漬けお握りが食べたいからだ。
といっても簡単至極、ヒモと水管はきれいに薄い塩水の中で洗い、皮膜を取り除く。水分をよくきり、みりん・醤油の中につけ込む。
漬け揚がったら(1時間くらいで漬け揚がる。漬けすぎても大丈夫)、お握りの具にするのだが、なんどやってもうまく出来ない。
お握り型が小さすぎるのだと思っている。
型なんて使うな、という市場人がいるが、不器用に輪を2つかけたようなボクはお握りが握れないのだ。
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小魚
コラム 

ボクにはお宝以上、ゼロ円のみそ汁種

網代漁業、網代魚市場で分けていただいた水産生物たちは、ボクにとっては至極面白すぎる魚たちだ。
漁師さんにとっては迷惑な存在だが、料理好きならウッハウッハするものばかりでもある。
選別していると、大量のウルメイワシがかなり痛んだ状態で出て来た。そこにキビナゴとカタクチイワシ、小さなヒメジ、マアジもある。
半つぶれで、見た目は最悪だけど、別の見方をするとウマスギだしの素に見えてくる。
ものすごく昔のことにになるが、千葉県勝浦市青灯(墨名)で会った定年退職釣り師のオヤジサンから、小サバやトウゴロウイワシのみそ汁のおいしさを教わっている。下ごしらえした小サバ(マサバ)をビニールに入れて持ち帰り作ったみそ汁の味は最高だった。以後、小サバの猛攻大歓迎となる。
小魚をみたら、みそ汁だ、と思うようにもなった。
今回、この小魚にユウレイイカを足してみそ汁を作る。
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ハダカイワシ
料理法・レシピ 

相模湾、ハダカイワシの塩焼き

網代漁業、網代魚市場で分けていただいた魚の中にハダカイワシが2個体混ざっていた。
別に珍しい魚ではないが、久しぶりに味わえるであろう、珍味に舌が鳴る。
ちなみに愛知県、三重県、高知県では干ものが名物となっている。ぜひこの珍味お試しあれ。
たぶん、魚類中もっとも端的に味がいい魚のひとつである。味が濃いと言ってもいいし、味の量が多いと言ってもいいだろう。
グリセリドなどの脂から来る濃厚さでもあるのだろう。あまりたくさんは食べられない。
久しぶりなのでしっかりと検索する。検索すると種にたどり着けないという、不思議な迷路がハダカイワシ科にはある。
結局、適当なところで断念してハダカイワシということにする。
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コラム 

東京都、東久留米卸売市場『大丸食堂』で市場飯

くどいようだが、四国の人間にとってもっとも浮かんで来ない東京の地名が、小平市、西東京市、東久留米市、東村山市、武蔵村山市、東大和市だ。
そんな東久留米市の市場で朝飯を食べた。
市場内にはラーメン店、海鮮丼の店、食堂の3店舗がある。
海鮮丼は水産物を調べている人間には鬼門である。つらつら思うに面白いことは面白いけど、丼上は今や迷宮のごときであって、食い物とは思えない。ラーメン店でラーメンという腹でもない。
ちなみに通常の市場人(買い物が目的のという意味)にとって、市場飯は空腹を満たすためにある。
あの店で●●食べなきゃ、なんてことは夢にも思わない。
そんな欲求を満たすための市場飯は食堂がいちばんいい。
市場内を2周回って『大丸食堂』に決めた。
豊洲でも食堂飯が食いたいが、今やまったく食堂的な食堂がない。
この市場のこの食堂も整然ときれいすぎるのが残念だが、品書きは魅力的である。
できればトンカツ定食にしたかったが、この早朝のサイト運営がきつすぎて、胃の腑が受け付けそうにない。
写真を見て、控えめな気持ちでミックスフライにする。
女性二人だけの店ではないかと思うが、とてもテキパキとして、それほど待たされることもなく、アジフライ主役の定食がやってきた。
あまりにも小ぎれいで市場らしくないよくできた定食だけど、それぞれに味はいい。
アジフライの揚げ加減もいいし、マグロ類の肉を串に刺して揚げたのかな、と思うものもおいしい。
もう少し市場らしい、ワイルドな感じが欲しい気がするものの、東久留米での市場飯はここかな。
ほどほどに満たされた気分で、やたらに複雑な、幹線道路のない東京都西部地区の南北あみだくじ道路をくねくねと、くねらせて帰宅した。
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コラム 

初夏の陽気に作る、さばのみそ煮はウマスギ

アニサキスが気になってマサバを連日、小売店でも市場でも買って解体していた。その中で、料理して食べたのはなんと半身だけとは、欠食している方もいるこのご時世に申し訳ない。
ただアニサキスの寄生率とまではいかないが、自分なりに何固体からアニサキスが出てくるか? 調べてみないわけにはいかない。中に冷凍マサバもありではあったが、主に太平洋側のもの5固体中1固体だけからアニサキスが出て来た。
ちなみに筋肉からは出てこなかった。アニサキスライトを使ってすりつぶすようにして見たので間違いないだろう。
廃棄、廃棄の連続であまりにも殺伐とした気分になったので、千葉県鴨川産の1固体だけ筋肉をつぶさないで作ったのが、「みそ煮」である。
ちなみに「秋鯖」という言葉はおかしい。季語歳時記を最初にまとめたのは滝沢馬琴(1867-1848)だと思っている。この場合の季節は江戸のもので、例えば日本海側、ましてや九州には当てはまらない。もちろん温暖化で現東京の四季にも当てはまらないだろう。いまだに季語歳時記といっている俳諧師などが愚か者に思えてくる。
日本海のマサバの旬はもともと新春以降であるが、太平洋のマサバも秋が旬なんて単純には言い切れないのである。
実際、今回の太平洋マサバも卵巣が膨らんでいたのに脂が乗っていた。
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