ズワイガニ
代表的な呼び名マツバガニ
珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★ これは常識 |
食べ物としての重要度 | ★★★★ 重要 |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水生。水深180-350m。水深2223mからの発見例もある。
オホーツク海から日本海、太平洋側では犬吠埼以北。
北極海のアラスカ沖、グリーンランド西岸、北米の大西洋、太平洋沿岸からベーリング海、南米のチリ沿岸。
生態
産卵は年に一回。
日本海では夏〜秋に脱皮し交尾、産卵して外子(外卵)を抱く。1年間抱卵して翌々年の2-3月に孵化した幼生を放つ。
山陰沖のズワイガニが初めて産卵する時期は6月〜8月、2回目以降は2月〜3月。
オホーツク海では産卵は2年に一度、産卵期は2月〜3月。
甲殻類、二枚貝、クモヒトデ類、魚類、イカ類、ゴカイ、巻貝、ツノガイなどをエサとする。
寿命は約13年。
基本情報
太平洋の寒流域に広く生息。雄が大きくなり、雌とは別のカニと思えるほど。国内外でとれる高級ガニの代表的なものでもある。国内ではロシアからの輸入ものが多く、北海道、東北、日本海側で漁が行われている。
日本海では冬の風物詩となっている。「隠岐松葉蟹」、「松葉蟹」、「間人蟹(たいざがに)」、「越前蟹」、「加能蟹」など総てズワイガニの雄のこと。
珍しさ度 国産などと考えないなら探せば手に入る。年末などはスーパーにも並ぶ。
水産基本情報
漁法 底曵網、カゴ漁、刺網
主な産地 兵庫県、北海道、島根県、鳥取県、石川県、福井県、新潟県、岩手県、福島県、宮城県
国内での漁獲量は6000トン前後、これに対してロシア、アラスカなどからの輸入が60000トンと国産の10倍にも上る。すなわち国産の中にはメスも含まれているわけで、オスの量となるともっと差が出るかもしれない。
選び方・食べ方・その他
選び方
生きているものは元気なもの。持ち重りのするもの。
味わい
旬は漁期である秋〜春。
なんといっても身の甘みと、ほどよく繊維を感じる食感が重要。
鍋ものなどにして旨味のあるだしがでる。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
現在では全国。
古くは日本海各地。
加工品・名産品
浜ゆで、冷凍、缶詰など。
棒肉 脚の部分の筋肉の殻を除去したもの。ボイル、生があるが基本的に冷凍流通。
ズワイガニフレーク 甲下の部分の棒状にならない身、脚の部分でばらけた身などのこと。
かにみそ ズワイガニの肝膵臓と少量の筋肉を合わせてペースト状にしたもの。『ストー缶詰』 北海道函館市千代代町18-13
釣り情報
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歴史・ことわざなど
■ 日本海の解禁は毎年11月初旬。初競りでの最高値が話題となる。
■ 地名のついたズワイガニ
間人蟹(間人ガニ) 京都府丹後市丹後町間人であがるもの。
加能がに 石川県産のもの。
隠岐松葉ガニ 島根県隠岐でカゴ漁でとれたもの。
ズワイガニ5種
ズワイガニ Chionoecetes opilio (O.Fabricius,1788) 北極海のアラスカ沖、グリーンランド西岸、北米の大西洋、太平洋沿岸からベーリング海、南米のチリ沿岸。オホーツク海から日本海、太平洋側では犬吠埼以北。
ベニズワイガニ Chionoecetes japonicus Rathbun,1932 日本海、太平洋、オホーツク海
オオズワイガニ Chionoecetes bairdi Rathbun,1924 北海道噴火湾、北見沖。ベーリング海、アリューシャン列島、アラスカ半島、ブリティッシュコロンビア沿岸。
トゲズワイガニ Chionoecetes angulatus Rathbun, 1924 カムチャツカ半島、ベーリング海~オレゴン州。
ミゾズワイガニ Chionoecetes tanneri Rathbun, 1893 ベーリング海~カリフォルニア州