ワカサギ
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魚貝の物知り度 | ★★ これは常識 |
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食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区側原棘鰭上目キュウリウオ目キュウリウオ科ワカサギ属
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外国名 | Japanese smelt
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学名 | Hypomesus nipponensis McAllister, 1963
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漢字・学名由来 | 漢字 公魚、若細魚、和加佐幾(物類称呼) Standard Japanese name / Wakasagi |
地方名・市場名 |
概要
生息域
淡水・汽水。河川の下流域〜内湾の沿岸域。湖沼、ダム湖。
東京都・島根県以北の本州、北海道。〜南千島。琵琶湖など日本各地に移植。
滋賀県琵琶湖の固体は〈1910から10年間と1939年から15年間に霞ヶ浦・宍道湖・三方湖から受精卵による移植がおこなわれた。また琵琶湖に隣接する余呉湖では網走湖(北海道)のワカサギ受精卵が導入されている。〉『琵琶湖の魚類図鑑』(藤岡康弘(琵琶湖博物館特別研究員)・川瀬成吾・田畑諒一(琵琶湖博物館学芸員) サンライズ出版株式会社 2024)
生態
ワカサギには海で成長して秋に河川に上り産卵するものと、湖などに陸封されたものがいる。
北海道ではほとんどを海で生活し、春に河川を遡上し、産卵するものも。
北海道では春から初夏。産卵後は一年で死ぬものが多いが、2年生きるものもいる。
ワカサギ
■ワカサギの尻ビレの前方端(赤)は背ビレの端(黒)よりも前にある。
■ワカサギは海から汽水域、淡水でも生きていける。
チカ
■チカは逆に尻ビレの前方端(赤)が後方にあるのだ。(赤/尻ビレの線 黒/背ビレの線)
■チカは淡水域には進入できない。純海産種。
基本情報
本来は河川の下流域や汽水域に見られるものであったが、淡水域でも生きられるために日本各地の湖沼、ダム湖なに移植されている。
主な産地は北海道、茨城県、滋賀県など。非常に美味であり、人気がある。
汽水域、淡水域の魚としては重要なもので、値段も比較的高値で安定している。
また各地でたくさんの名産品を生み出しており、佃煮、煮干しなど重要なものが多い。
食用としてだけではなく、観光資源としても重要。山上湖の氷上の釣りは多くの釣り人を呼び込み。またワカサギ料理は人気が高く、これも観光客を集めるのに寄与している。
水産基本情報
漁法 刺し網、定置網、ケタ網漁
産地 北海道、青森県、茨城県、琵琶湖
選び方・食べ方・その他
選び方
銀色で輝いているくらいのもの。あまり白すぎる物は古い。触って硬いもの、張りのあるもの。
味わい
旬は冬
寒い時期の子持ちは高値となり人気が高い。
はらわたはほとんど気にならない。丸のまま利用できる。
鱗は薄くほとんど気にならない、皮も薄い。骨も軟らかい。
熱を通しても硬くならない。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
ちか貝焼き(ちかかやき) 本来は大きなホタテガイの貝殻を鍋にして魚や鴨などを山菜なと煮たもの。小さな鍋なので銘々で煮ながら食べる。この鍋の主役を「ちか(ワカサギ)」にしたもの。
加工品・名産品
佃煮 素焼きにした小振りのワカサギを佃煮にしたもの。[伊藤水産 茨城県行方市(なめがたし)]
釣り情報
さしエサの胴つき仕掛け。山上湖などで釣る。真冬の氷上での釣りは風物詩ともなっている。
歴史・ことわざなど
■ 天ぷら、フライなどの材料として定番的なもの。
■ カルシウムの含有量が多い。
■ 淡水でも生息できるので日本各地の山上湖やため池などに移植されている。
■ 関東などの湖では放流されており、釣りの対象として重要。
■ 島根県宍道湖の七珍[スズキ、もろげえび(ヨシエビ)、ウナギ、あまさぎ(わかさぎ)、しじみ(ヤマトシジミ)、コイ、シラウオ、]という名物魚貝類のひとつ。
雨宮育作(山梨県生まれ 1889-1984) 河口湖、山中湖のワカサギの移植を行う。
地方名・市場名
参考『青森県 さかな博物誌』(日下部元慰智 東奥日報) 場所青森県
参考文献、『青森県 さかな博物誌』(日下部元慰智 東奥日報) 場所青森県、福島県小名浜、茨城県土浦・水戸、群馬県館林、秋田県象潟、富山県生地、滋賀県琵琶湖
場所青森県むつ市
場所島根県出雲地方、徳島県旧美馬郡(現つるぎ町貞光・現美馬市美馬町)
場所千葉・静岡
場所北陸
参考『青森県 さかな博物誌』(日下部元慰智 東奥日報) 場所北海道、青森県、東北
場所群馬
場所島根県松江