ヒメシャコガイ

代表的な呼び名ヒメジャコ

ヒメシャコガイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
殻長17cm前後(画像では左右)。貝殻はうねり、細かな放射肋がある。
殻長17cm前後(画像では左右)。貝殻はうねり、細かな放射肋がある。
殻長17cm前後(画像では左右)。貝殻はうねり、細かな放射肋がある。
殻長17cm前後(画像では左右)。貝殻はうねり、細かな放射肋がある。
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ目ザルガイ上科ザルガイ科シャコガイ亜科オオシャコ属
外国名
Boring clam
学名
Tridacna crocea Lamark,1819
漢字・学名由来
漢字 姫硨磲貝
由来・語源 シャコガイのなかでもっとも小さいという意味合い。
シャコはもともとは「シャゴウ」で中国語の音から。ただし「大型のハマグリ」などをさす言葉でシャコガイ類のことに対する言葉ではない可能性が大。ヒメシャコはヒメジャコでともに『目八譜』から。
目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿が編んだ貝の図譜のひとつ。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。
武蔵石寿
武蔵石寿(むさし・せきじゅ 明和3-万延元年 1766-1861)。450石取りの旗本。本草学、貝類。西洋で生まれて新しい分類学も取り入れようとしていた。『目八譜』(掲載1064種)、『甲介群分品彙』(掲載605種)、『介殻稀品撰』など。現在使われている標準和名の多くがここから来ている。
地方名・市場名
アジケー ギーラ ニーグ ニーグー

アナグ アナゴ カイ ギザ
参考文献より。 

概要

生息域

海水生。沖縄列島からオーストラリアのサンゴ礁に生息。

生態

雌雄同体。
琉球列島以南のサンゴ礁に棲息するシャコガイ科最小の貝である。サンゴ礁などにもぐり込んで生きている(穿穴性)。
シャコガイの仲間は海中の微少なプランクトン、浮遊物もとらえるが、主な食料は体内の共生藻から得ている。共生藻(スーサンテラorゾーザンテラ)はシャコガイの排泄物である炭酸ガスやアンモニア、リン酸塩を取り込み、言うなれば植物での肥料分とし、かわりに光合成で得たアミノ酸や酸素をシャコガイに提供しているのだ。

基本情報

関東では一般に流通しない。沖縄県ではシャコガイの仲間でもっとも一般的なもので、味もいいと思う。
活け(貝殻つきで生きている状態)だけではなく、剥き身も売っている。
また貝殻は魚の鱗取りにも利用している。
グーニーの貝殻で鱗取り 沖縄県石垣島のウミンチュは浜などで本種の貝殻を使って鱗取りをするとのこと。確かに大型のブダイの鱗など手と一緒に使うと取りやすい。

水産基本情報

市場での評価 シャコガイとしては関東ではもっとも入荷量の多いもの。沖縄では活けだけではなくむき身も流通している。値段は関東では高い。
主な漁法 採取、養殖
主な産地 沖縄

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

シャコガイの中では貝殻が薄く、歩留まりのよい方。
可食部は主にヒモと貝柱。
熱を通すと硬くなる。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

生食(刺身、セビチェ)、ソテー(バター焼き)
ヒメシャコガイの刺身 貝殻の割りに軟体部が小さいのが難点。ここでは貝殻に2個分の軟体を盛り合わせてある。剥き身にしてぬめりを取り、仕上げに塩もみ。この時点での塩気が少し残るのでこのまま食べてもうまい。またよく塩分を落として柑橘類としょうゆ、もしくは塩で食べてもいい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

沖縄

釣り情報

歴史・ことわざなど

■近年はサンゴなど減少もあり、天然ものの漁獲量も多いとは言えないようだ。これにともない養殖の研究も行われている模様。
■関東での味わいの評価はあまり高いとは言えないヒメシャコだが沖縄ではとても珍重されている。値段も高い。沖縄県水産海洋研究センター石垣支所の久保弘文さんによると「沖縄では大変評価が高く、身だけだと非常に高価。これの養殖も研究中です。シラナミはその次に高いようですが、ヒメジャコが断然高く、人気があります。ヒレジャコやヒレナシジャコも出回っておりますが味はだいぶ落ちるようです」とのこと。養殖が本格化されれば関東にも頻繁に入荷してくるかも知れない。