ニベ
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珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ニベ科ニベ属
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外国名 | Honnibe croaker
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学名 | Nibea mitsukurii (Jordan and Snyder, 1900)
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漢字・学名由来 | 漢字 鮸、鰾膠 Standard Japanese name / Nibe Jordan David Starr Jordan〈デイビッド・スター・ジョーダン(ジョルダン) 1851-1931 アメリカ〉。魚類学者。日本の魚類学の創始者とされる田中茂穂とスナイダーとの共著『日本魚類目録』を出版。 Schneider Johann Gottlob Theaenus Schneider(ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー 1750-1822 ドイツ)。博物学者。マルクス・エリエゼル・ブロッホ(Marcus Élieser Bloch)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行、完成させた。 箕作佳吉 箕作佳吉 みつくり・かきち。1858(安政4年)年、江戸鍛冶橋(現東京駅周辺)の津山藩邸で生まれる。~1909(明治44年)。国内最初の動物学者で東京帝国大学の教授となる。日本動物学の父とされている。津山藩士で蘭学者であった箕作阮甫の孫。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。近海の浅い泥底。
新潟県〜島根県・東北三陸地方・瀬戸内海(少ない)、仙台湾〜九州南岸の太平洋沿岸。
朝鮮半島南西岸、済州島。
生態
産卵期は4月か9月。
外洋に面した浅い砂地に生息する。
砂泥地にいる環形動物や甲殻類、小魚などをエサとする。
浮き袋を使ってグーグーと鳴く。
基本情報
本州以南の暖かい海域の砂地などに普通に見られる。小型の目立たない地味な魚である。
愛想のないことを「にべなし(無膠)」、「にべもない」というのは膠(にかわ)のように接着力がないという意味で、さらりと関わりを持たないということを言う。その語源の「鰾膠(にべ)」は魚から作る膠(にかわ)のことだで、本種からも膠を製したかのように思えるが、たぶん間違いである。
シログチが内湾に多いのに対して、外洋に面した浅場にいる。シログチのように底曳き網で大量にはとれないので、加工品になることは少なく、鮮魚として流通することが多い。
知名度が低くいので安いが、味のいい魚である。
珍魚度 一般的な食用魚である。入荷量が少ないので手に入れるには努力を要する。
水産基本情報
市場での評価 塩焼き用の魚として需要のあるもの。値段は安い。生食のうまさが知られると高値をつける可能性がある。
漁法 底曳き網、定置網
産地
選び方・食べ方・その他
選び方
触って硬いもの。目が澄んで黒いもの。鰓が赤いもの。
味わい
旬は春〜夏だが、産卵後以外は比較的周年味がいい。
鱗は細かく取りやすい。皮は厚みがあるが熱ですぐ柔らかくなる。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いは弱い。筋肉に黒い筋が入ることがある。熱を通しても硬く締まらない。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
脂に甘味があり、身に豊かなうま味がある。血合いが弱く、筋肉に黒い筋が入ることが多いので、評価を下げているものの、味はピカイチ。
水洗いして三枚に下ろして、腹骨をすき、中骨を抜く。皮を引き刺身状に切る。
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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釣り情報
外洋に面した砂浜などから投げ釣りでねらう。投げ釣りのしかけにエサはイソメ類。
歴史・ことわざなど
にべもない 「にべ」はニベ科の浮き袋からとった膠である「鰾膠(にべ)」の粘着力が強いことからきている。「鰾膠」の強い粘着力を愛嬌、もしくは親しみの安さとと変わり。「にべもない」は粘着力の薄い、すなわち愛嬌、愛想もなくと言う意味合いになった。ただし本種の鰾ではなく東シナ海、南シナ海などで揚がる別種のものである。
耳石 シログチとともに、関東などで頭部にある耳石が硬いので「石持」と呼ぶ。
地方名・市場名
参考文献 場所兵庫県揖西部(揖保川より西の意味か)
場所和歌山県和歌浦
コワイシモチ
参考文献 場所和歌山県和歌浦
参考文献 場所宮城県松島
参考文献 場所愛媛県宇和島
備考「強石持」で皮の強い(硬い)イシモチという意味だと思われる。 参考文献 場所愛知県三谷
備考シログチとの混称。 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 場所東京
参考文献 場所東京、三重県二木島、和歌山県御坊・新宮・田辺、富山県富山・東岩瀬・田辺、愛媛県宇和島市
参考文献 場所熊本、有明海
参考文献 場所神奈川県江ノ島
備考シログチとの混称。 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 場所福島県小名浜、伊豆、茨城県水戸、三重県二木島、和歌山新宮
参考文献 場所長崎県長崎市長崎魚市場、鹿児島
参考文献 場所長崎県長崎魚市場
場所静岡県静浦、高知県御畳瀬・浦戸、愛媛県八幡浜
備考シログチとの混称。 場所和歌山県、広島県
参考文献