シラエビ
代表的な呼び名シロエビ
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水生。水深200メートルから300メートルを群れて泳いでいる。
日本周辺。富山湾に多産。相模湾、駿河湾、遠州灘、熊野灘、鹿児島湾。
生態
■ 一生を海の中層を泳いで暮らす。
■ 昼間は水深150メートル〜300メートルにいて夜には水深100メートル近辺に浮き上がる。
■ 産卵期は7月から11月。
■ 寿命は2年〜2.5年。
■ 産卵は生涯に2回。
基本情報
標準和名はシラエビだが、一般にはシロエビという。沖合の深海を浮遊しているオキエビの仲間。
オキエビの仲間は世界的には希少なものが多い。日本周辺でとれる本種は世界的にも珍しい産業種。
富山県特産だとされているが、新潟県でも揚がるし、量は少ないが太平洋側の相模湾、駿河湾でもとれる。
日本周辺にいるエビだが漁業対象となっているのは富山湾と新潟県で、特に富山県が圧倒的に多い。台湾でも水揚げがある。
古くはサクラエビの代用品といったものであったが、近年生鮮品の流通が可能になり、値が上がった。現在でも富山県では素干し、釜揚げ、塩辛などに加工。
富山県では観光的にも重要で数々の名産品を生み出している。
水産基本情報
市場での評価 春から秋にかけて入荷してくる。量は少なく、トレイなどにのった特殊な形で出荷されてくる。高い。
漁法 底曳き網(沖層曳き網漁)
産地 富山県、新潟県、鹿児島県、台湾
■年間漁獲量200トンから600トンほど。
選び方・食べ方・その他
選び方
透明感のあるもの。黒く変色しているものはダメ。
味わい
旬は漁期と同じ4月〜11月
殻は非常に柔らかいが気になる。尾に少しだけ強い棘があるので取って使った方が食べやすい。ただし見た目はよくない。額角(つの)は柔らかいがヒゲが長いので取った方が食べやすい。
身は水分が多いが、呈味性分由来の強い甘みを感じさせる。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
素麺つゆ(そうめん) 富山県では昔、安かったときにそうめんのだしに使っていたという。シラエビ生を水から煮てだしを取り、素麺(うどんでも)つゆにする。[富山県魚津市などで聞き取り]
加工品・名産品
釣り情報
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歴史・ことわざなど
■菊池勘左右衛門(1896〜1979)がイタリアなどに送り、存在を知らしめる。
■水産博士・大森信(1937年生まれ)が研究、従来Pasiphaea sibadoとされていたものを研究、新種として記載した。
■1897(明治30)年に白えび漁場発見、1922(大正11)年漁業権取得の記録が残る。
■オキエビの仲間はスペイン、イタリアでもとっている。