ギンダラ
全関連コラム
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
---|---|
魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★★ 究極の美味 |
概要
生息域
海水魚。水深300〜2740m。
青森県〜北海道の太平洋沿岸、オホーツク海沿岸。岩手県〜相模湾。
オホーツク海南東部、千島列島、カムチャツカ南島岸、ベーリング海、アリューシャン列島〜バハカリフォルニア。
生態
深海性。
産卵期は冬。
基本情報
相模湾などでも見つかっているが、漁業的には三陸以北である。
「たら」とつくが、タラの仲間ではなく、スズキ目カサゴ亜目ギンダラ科の魚だ。同ギンダラ科のアブラボウズは国内の沿岸域に普通だが、本種は東北太平洋側・北海道の沿岸域でもほとんど揚がることがない。漁業技術が進んで遠洋に出られるようになって初めて魚類学的に存在が知られた。
今でも国内で年間揚がる個体数は数える程度だと思っている。
1970年前後はアラスカ湾で国内の船が盛んにとっていたが、規制がかかり、アメリカから輸入することになった。アメリカでも人気の高い食用魚だった。
阿部宗明は〈本邦から初めて報告されたのは昭和14(1939)年、丸川久俊(日本海の好漁場、大和堆を見つけたことでも有名。プランクトン学)によってであり〉とある。
1970年代くらいから、北洋漁場からかなりの量を国内で水揚げ、アメリカからも輸入していた。
当初は名前にあるようにタラ(マダラ)の代用品として鍋物用、煮つけ用に売られていた。当時としては脂っぽいところが嫌われて値段的にも安かった。また脂が強いところからムツ(ムツ、クロムツ)の代用品(偽物)となったこともある。これが近年の脂嗜好から、高騰。
最近では冷凍ドレス(頭と内臓を除いたもの)、フィレ(三枚下ろし)は高級なものとなっている。スーパー、魚屋などでは、切り身にしてパックし売っている。
もともと少ないながら生食されていたものが、アラスカ、カナダなどでは養殖されるようになって、刺身用の魚というイメージが浸透し始めている。
珍魚度 国内海域では珍魚。輸入されているなど普通の食用魚でもある。養殖ものもある。
水産基本情報
漁法 延縄、カゴ漁
産地 アラスカ(アメリカ)、カナダ、ロシア
選び方・食べ方・その他
選び方
冷凍ものは変色、ドリップしていないもの。解凍されたものよりも、冷凍状態のまま購入したほうがよい。
味わい
鱗は細かく取りやすい。皮は厚みがあって強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある軟らかい白身で脂で白濁しやすい。熱を通しても硬く締まらない。
栄養
ー
危険性など
ー
食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
ー
加工品・名産品
釣り情報
ー
歴史・ことわざなど
国内で初めての報告(種として)は昭和14年(1939)に丸川久俊氏によって。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年)