カンムリベラ


体長1m前後になる。尾鰭がノコギリ状。

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ベラ科カンムリベラ属
外国名
Clown coris
学名
Coris aygula Lacepède, 1801
漢字・学名由来

漢字 冠倍良
由来・語源 不明

地方名・市場名
ノボス
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 

概要

生息域

海水魚。
伊豆諸島、小笠原諸島、北硫黄島、硫黄島、沖ノ鳥島、(三重県尾鷲市・熊野市)、高知県柏島、男女群島、屋久島、琉球列島、南大東島、尖閣諸島。台湾南部、東沙諸島、南沙諸島、インド-イースター島を除く太平洋。

生態

基本情報

主に奄美大島や沖縄県などの食用魚。クセのない白身なので定番的な総菜魚だと思う。比較的値段が安く、煮つけやバター焼きなどにして食卓に上る。

水産基本情報

市場での評価 琉球列島では普通の食用魚で流通上もよく見かける。比較的安い。
漁法 定置網、追い込み漁
産地 沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。

味わい

旬は不明
鱗は軟らかく普通の大きさで取りやすい。厚みのある皮で強い。骨は軟らかい。
透明感のある白身でやや水分が多い。熱を通しても硬く締まらない。
身自体にはうま味、脂が感じられないが、逆に言うと淡泊で上品な味わい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

カンムリベラの料理法・調理法・食べ方/汁(ちり鍋、みそ汁)、煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(バター焼き)、生食(皮霜造り、焼霜造り)
カンムリベラのちり鍋 三枚に下ろして適宜に切り、強い塩をして少し寝かせる。昆布だしをとり、酒、塩で味つけする。塩をして出て来た水分を拭き取る。これを昆布だしで煮ながら食べる。野菜や豆腐は好みで。身は煮るとふんわり柔らかく、甘味があってとてもおいしい。

カンムリベラのみそ汁 水洗いして、骨つきの片身とあらを使ってみそ汁にする。切り身などは湯通しして、冷水に落として残っている鱗やぬめりを流す。これを水から煮出してみそをとく。季節の野菜などと煮てもおいしい。煮ると軟らかくふんわりして美味である。
カンムリベラの煮つけ 煮ると皮が柔らかく、身もあまり硬く締まらず、むしろ煮崩れしそうなほどふっくらと上がる。「酒、塩味」よりもしょうゆ味の方がいいかも。クセのない白身で煮汁の浸透もよく実に味わい深い煮つけになる。
カンムリベラの竜田揚げ 水分が多くてクセのない白身は唐揚げに最適である。ここではしょうゆ、みりん。カレー粉で下味をつけてからかりっと香ばしく揚げた。単に揚げてもいいが、味が無個性なのでカレー粉とかガラムマサラを使うとより美味。
カンムリベラの西京漬け 西京味噌にみりん、酒、砂糖を加えて地を作る。ここに三枚に下ろし切り身にしたものを1日以上漬け込んで焼き上げる。焼くと締まらず、むしろふんわりとふくらんで脆弱になる。非常に美味。
カンムリベラの障子焼き 大型の中骨に振り塩をして1時間以上置く。これをじっくり焼き上げ、酒を塗りながら仕上げる。骨回りの身は適度にしまっていて、とても味がいい。
カンムリベラのバター焼き 小振りなものは丸のまま、大形は切り身で作る。塩胡椒して皮目からじっくりソテー、バターで風味づけをする。鱗はかりっとして中はふんわりと仕上がる。しょうゆをたらすとおかずになる。
カンムリベラの刺身 水分の多い身で単独ではうま味に欠ける。皮を生かして霜皮造りにしても同様。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど