カゴカマス
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40cm SL 前後になる。眼が非常に大きく、口も大きいく歯が鋭い。細長く、銀紙のような体色。側線は鰓蓋から後方に伸びるが途中はほぼ直線、後方は少しだけ波立つ。鱗は体側の三分の一以上にある。 40cm SL 前後になる。眼が非常に大きく、口も大きいく歯が鋭い。細長く、銀紙のような体色。側線は鰓蓋から後方に伸びるが途中はほぼ直線、後方は少しだけ波立つ。鱗は体側の三分の一以上にある。[ときどきウオノエに寄生されている個体がいる] 側線は鰓蓋から後方に伸びるが途中はほぼ直線、後方は少しだけ波立つ。
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珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目クロタチカマス科カゴカマス属
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外国名 |
Royal escolar
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学名 |
Rexea prometheoides (Bleeker, 1856)
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漢字・学名由来 |
漢字 籠魳、籠梭子魚(?) Kagokamasu
由来・語源 「かご」は不明。「かます」は明治時代など本種やクロシビカマスの類縁関係がわからなかったためだと思われる。当時はカマス(カマス科)に近い魚だと思われていた。
〈ススキ型族サバ群クロタチカマス科カゴカマス屬カゴカマス〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938) Bleeker Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。
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地方名・市場名 |
ナキリ 参考20190725 宍喰漁協 聞き取り 場所徳島県海部郡海陽町宍喰 シリグロ カラス
オキヅ タヌキ 参考文献より。 |
概要
生息域
海水魚。水深135〜540メートル。
東京湾から九州までの太平洋沿岸、新潟県、兵庫県浜坂、島根県敬川沖、山口県の日本海沿岸、東シナ海。
朝鮮半島南岸、台湾南部、中国南シナ海、インド・西太平洋。
生態
産卵期は春から夏。
夏に入荷してくるものに抱卵個体が多い。
ときにウオノエ(ソコウオノエ?)を持っている個体がある。
基本情報
東京湾以南に生息、水揚げがある深海魚である。水揚げ量は非常に少なく、本種の価値を知る人は極端に少ない。相模湾などでは希に浅場にくる模様で定置網などにも入る。
珍魚度 珍しい魚ではないものの、漁獲量が少なく希に流通する程度。かなりがんばって探すしかない。
水産基本情報
市場での評価 入荷は非常に希。安い。
漁法 巻き網、定置網、巻き網
産地 徳島県、千葉県、静岡県
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
比較的季節による変化が少ない。抱卵期は夏だが、産卵期が近づいても脂がある。
皮は薄く柔らかく鱗は弱くて後方にしかない。骨は硬いが、血合い骨のほかにも皮に向かって細長いのがある。
透明感のある白身で時間が経つと白濁する。クロシビカマス(スミヤキ)と同様に熱を通しても硬くならない。皮や骨などからいいだしが出る。
背側の骨 1 三枚に下ろすと、腹の部分(側線から下)には皮際に骨がなく、背の部分は下にある骨が浮き上がって見えるほどだ。
背側の骨 2 皮を引くと筋肉の層にそって入っているのがもっとはっきり見える。
背側の骨 3 この筋肉に半ば埋もれている骨は、筋肉と密着していてとても抜きにくい。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
カゴカマスの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き、幽庵焼き、みそ漬け、干もの)、刺身、汁(みそ汁、潮汁)、生食(刺身、なめろう、たたき、焼霜造り)
カゴカマスの煮つけ クロシビカマスと比べると小骨が少ないのが魅力。少ないといっても背の部分には大きな骨が筋肉の層に1つずつ並んでいる。骨切りしてもいいが骨が大きい分、食べながら取り除きやすい。水洗いして適当に切り、湯通しして冷水に落とす、表面のぬめりを流し、水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水が沸騰した中で煮る。煮ると脂があるためか身がふっくらとして、甘味がある。ほどよく仕舞った身が口の中でほどける感じもいい。
カゴカマスのみそたたき(なめろう) 三枚に下ろしてスプーンなどで背の部分の身をかき出す。腹は腹骨を取り皮を引く。肝があれば湯通ししておく。細かく切り、肝、みそ、ネギやショウガなどを加えてとんとんと少しねばりけが出るくらいまで叩く。身に脂があるので舌に甘く、肝が入ると濃厚な味わいになるが、後味は決して悪くない。ついつい箸が伸びる。
カゴカマスのさんが焼き 「みそたたき(なめろう)」を上火で焼いたものである。今のところ、このように焼くという料理法は千葉県以外では見かけていない。肝が入っているのでふんわりと柔らかく膨らむ。しかも豊潤で強いうま味がある。ご飯にも合うし、酒にも合う。
カゴカマスの焼霜造り 水洗いして三枚に下ろす。腹の部分は小骨がないので腹骨を取り、皮目をあぶって氷水に落とす。粗熱をとり水分をていねいに拭き取り、刺身状に切る。脂は筋肉に霜降り状に入っている。この脂が甘く、皮の香ばしさ、皮下のうま味があいまって非常に美味。
カゴカマスの塩焼き 水洗いして大型は骨切りをする。小型は焼きやすい大きさに切る。振り塩をして1時間ほど寝かせてじっくりと焼き上げる。小振りでも脂があり、身から出た脂で身を揚げるといった感じになる。身にも豊かなうま味がある。
カゴカマスの潮汁 小振りのものは水洗いしてぶつ切りにする。大型はあらを集めて置くといい。適当に切り、湯通しして冷水に落として表面のぬめりなどを流し水をきる。これを昆布だしで煮だして酒・塩で味つけする。普通の水でもよく、もの足りなかったら化学調味料を使ってもいい。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
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カゴカマスの塩干し(塩もん) カゴカマスの開き干しである。白身ながら脂から来る独特の風味があり、味に奥行きがある。名品だと思う。[ぬしま鮮魚 徳島県海部郡海陽町宍喰浦]
釣り情報
歴史・ことわざなど