ホヤ
一般的に「ホヤ」と呼ばれる水産物についてのまとめページです。
ホヤについて

生物学的なホヤ
動物界脊索動物門というところまでは哺乳類と同じである。ある意味、脊椎動物にもっとも近しい生き物だ。下位は尾索動物亜門、ホヤ綱だ。尾索類は袋状の鞘で全体が被われているために被囊類とも呼ばれる。同じく脊索動物門にはナメクジウオなどの頭索動物亜門がある。
生涯を通じて脊椎はないが、幼生は脊索(体を貫通する棒状の組織)がある。これをオタマジャクシ型幼生という。成体になると固着生活に入り被囊(袋状のもの)に包まれ、脊索はなくなる。
幼生期には脊索という未発達の脊椎の原始的なものを体に持っている。魚類や人間などの脊椎動物のご先祖様の形のひとつだ。幼生時はオタマジャクシに似た形をして自由に遊泳できる。これが成長過程で脊索を失い、クチクラの袋に身を包み、固着生活を送るようになる。
海水中の有機質を入水管で取り込み、老廃物などを出水管から放出している。
世界中の海に生息して、姿や色などは多彩。
食用のホヤ

一般的に単に「ほや」というとマボヤをさす。本来は青森県から福島県にかけて盛んに食べられていた。
江戸(東京)でも古くから食べられていたことが魚鑑や和漢三才図会にもある。
ただ明治期以後、東北は東京への水産物の供給地だった。東北からの労働者を多く受け入れていたなど、非常に東北に近しい関係を持つようになる。これで地味ではあるが東京にホヤの食文化が根づく。
独特の香りと苦みがあって好き嫌いが出る。そのせいか生息域でも食べない地域の方が多い。基本的な食べ方は生食だが、三陸などでは煮る(塩ゆで)、焼く(干ものも)など多彩な料理方がある。
マボヤ以外の食用ホヤ
「ホヤ」と呼ばれる水産物一覧
●印は「ホヤ」ですがそれ以外はホヤの仲間ではありません。
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アカボヤ ●
マボヤ目マボヤ亜目マボヤ科マボヤ属
海水生。潮下帯の砂礫地。本種が「大発生してホタテガイ漁業の障害になった」『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)という記述から生息場所がわかる。 国内では北海道のみに生息。北海道太平洋・オホーツク海沿岸。 ベーリング海をへてアメリカ西北部。北海道から少ないながら入荷してくる。全国的に流通するようになった・・・アカボヤのページへ -
エボヤ ●
マボヤ目マボヤ亜目シロボヤ科シロボヤ属
海水生。岩やアカボヤ、巻き貝など多様なものに付着する。 北海道以南。朝鮮半島、中国。韓国では鍋物などの具材。 独特の渋みや苦みが喜ばれている。 国内では漁網や護岸に付着して被害を与えるものといった認識しかない。エボヤのページへ -
シロボヤ ●
マボヤ目マボヤ亜目シロボヤ科シロボヤ属
北海道以南。中国、朝鮮半島。シロボヤのページへ -
マボヤ ●
マボヤ目マボヤ亜目マボヤ科マボヤ属
海水生。 九州北部、瀬戸内海、日本海、三河湾以北の太平洋側、北海道。 朝鮮半島、黄海、山東半島。マボヤは国内、朝鮮半島、中国黄海・渤海沿岸などに生息。国内ではもともとは青森県、三陸などで細々と食べられていたもの。 国内ではいまだにローカルな食材だが、韓国ではマボヤの仲間を多種食べる上に本種も大量に消費している。この韓国・・・マボヤのページへ