202303/24掲載

3月23日 今季初イサキ

イサキは太った方がいい


八王子綜合協同卸売組合 マル幸で長崎県佐世保産を見つけた。ぼってり太り気味の魚体に、触っただけで脂ののりが感じられ、迷うことなく買う。これが今季初イサキである。
下ろしてみると卵巣の膨らみが弱く、胃袋には頭足類やアミなどが大量に入っていた。長崎県のイサキは産卵のための乱食いのときを迎えているようだ。
最近では年間を通して入荷してくるイサキであるが、3月も後半になると質的にも安定してくる。この時季、味のピークを知るために1週間に1尾ずつ味見することにしているが、今季は1尾目から大当たりだった。
さて、今回の個体は体長30cm・620gだった。このサイズは1尾での塩焼きには大きすぎるなど、意外にお買い得である。初物なので、スタンダードに刺身にして、塩焼きにして食べてみた。

定番中の定番、塩焼き


塩焼きは二枚下ろしの骨つきの方に振り塩をする。1時間寝かせてやや強火で焼き上げる。
切れ目ふきんがまるで揚げ物のように香ばしい。身の味わいも深く、口の中で脂が溶け出してくるのがわかる。
塩焼きに合わせるのは酒ではなくご飯だけど、飯の減り甚だしき味としかいいようがない。

身に脂が混在する時季


刺身は切りつけた表面からも脂の豊かさがわかるだろう。最旬の皮下の脂の層こそないものの、口の中で広がる脂の甘さは名状しがたい。
初イサキに春の短いことを感じるなんて、幸せなことではない気がしてきた。

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イサキのサムネイル写真
イサキChicken grunt 三線磯鱸、三線雞魚、黃雞仔、雞仔魚、番仔加誌、黃公仔魚、黃雞魚、三爪仔、雞魚(澎湖諸島)、青筆海水魚。浅い岩礁域。新潟県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸[長崎県橘湾にはいない、もしくはほとんどいない]、瀬戸内海、・・・・
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