大分佐伯市産、中イサキのみそたたき
刺身もいいけど、「みそたたき」には魅了される

今回は「みそたたき」がテーマではあるが、みその話でもある。
去年、今年と冬の南会津(福島県南会津郡南会津町)に行った。
日本全国どこに行っても、もちろん最小限ではあるが、みそを買うので、南会津では2つのみそ店でみそを買った。
南会津町『ハローショップみどりや』で朝ご飯のみそ汁を御馳走して頂いているので、みその味の南会津での方向性はわかった上で(もちろんボクの勝手な思い込みだが)買った。
話は逸れるが、最近(ボクの最近は5年前まで)、テレビでみそのソムリエ的な若い方を見た。愚かしいなと思った。みそはそのまま食べて、料理して、みそ汁にして、結構長い間使わないと良し悪しがわからない。
人間の人生の長さでは、自分のみその好みを理解するのがやっとなのだ。食べ歩きの達人にはがんばればだれでもなれる。そんな感じでみそを語っている気がする。
だいたいこのソムリエとかマイスターとか、匠を本来とは違う分野で恥ずかしげもなく自称する人間は、変だと思う。しゃれとかお遊び気分でそのような言語を使うのはいいけど、それを本気で使うのは下下、だろう。
閑話休題。
この南会津のみそは非常に優れているが、使い方の方向性が狭いと思った。
みそ汁を作るとき最初から溶いておいて、煮込んでもうまいし、焼くためのたれ(田楽、みそ焼き)もいい、でもそのまま食べてもそんなにおいしくない。
今回作った「みそたたき(なめろう)」向きではないのだ。
ちなみに南会津は会津ではあるが、日光(京・鎌倉・江戸)に向かう途中の地域でしかない。
現南会津は、蘆名氏時代から会津との関わりがあると思うけど、別の地域と思うべきだ。みその麹分や塩の量も買った範囲で考えると違っている。
そして神奈川県相模原市の八百屋さんで売っている、東京都町田市の『井上糀店』のみその話になるが、こちらは煮込むと弱いし、みそ汁を作るときは気をつかわないとダメだけど、そのまま使うと俄然いい。
このみそは、まだ2年しか使っていないが、「みそたたき」に使うととても味わい深いし、味に膨らみがあると今回改めてわかったことになる。
そして大分県産イサキの「みそたたき」に『井上糀店』は最上級の組み合わせだと思った。
イサキの身には脂があるので、みそでたたいてもとろりとしている。
そこに穏やかな麹のうま味が合わさると非常にいいのである。
イサキがウマスギだったのもあるが、「みそたたき」はみそを選び、それがぴったり合ったといった感じだ。
今回は「みそたたき」の話ではみその話に比重が行く。
わかりきったことだけど、「みそたたき」は日本各地のみそで味が変わる。
過去のみそのデータを整理しなおさないとダメだと思った次第である。
6月の主役はイサキかなと一瞬であるが思う

2025年6月2日に、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に大分県佐伯市、丸貴鮮魚から見事なイサキが来ていた。
大小あって真ん中の大きさ体長29cm・641gを買う。
月曜日なので止めの荷で色は悪いけど、最上級とみた。
刺身にしてあぶりにして、あら煮にし、塩焼きにした。