202506/03掲載

6月はじめのどんちっちアジ

マアジがここまで脂ぎっていいんだろうか?


6月2日、待ってました「どんちっちアジ」である。
最近はマアジばかり食べているような気がするが、「どんちっち」には思い入れがある。
島根県浜田市、島根県水産技術センター、旋網船主のみなさんで作りあげてきた、ある意味傑作である。
脂質測定法を確立したり、奮闘努力の甲斐があったと思う。
あとはアジがどっさりとれてくれるのを待つのみだ。

さて、ボクの今季初ものはこの日の夜楽しんだ。
毎年書いていることだけど、「どんちっちアジ」は皮を剥いた途端に室温で溶け始める。
「泣いているのかい?」、なんて言いたいくらい濡れてくる。
舌に乗せたとき、最初は存在感を感じないのは脂が大量にあるためだ。
甘味というのは呈味成分だけではなく、溶けるという物理現象から来る。

甘いな、と思った後に、ちゃんとマアジの背の青い魚特有の強いうま味がくる。
味が途中で消えない。
殷々としてうまい。
半身で「松みどり」を正一合だけ飲んで、かなり気分が上昇する。

朝っぱらから続く微熱も消えてなくなる。
「どんちっちアジ」は薬だな。

「どんちっちアジ」、見つけたときは残り、数尾だった


2025年6月2日に、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に「どんちっちアジ」が来ていた。脂質含有量10パーセント以上の脂ぎったマアジである。
押っ取り刀で荷を開けたが、もうほとんど残っていなかった。
水氷をかき混ぜて、なんとか1尾、2尾。

水洗いして三枚に下ろして皮を引き刺身にする。
今回は醤油に一味唐辛子を用意したが、醤油のみで食らう。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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マアジのサムネイル写真
マアジJapanese horse-mackerel, Japanese jack mackerel海水魚。大陸棚を含む沖合〜沿岸の中・下層。北海道全沿岸〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海、屋久島、種子・・・・
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