↑天然マダイ。スマートで色合いが美しい。
↓養殖マダイ。全体にずんぐりしていて、黒っぽい
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系
硬骨魚綱スズキ目スズキ亜目タイ科マダイ属
マダイ
Pagurus major
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魚貝の物知り度/★★★★ これは常識
■年間を通じて入荷する。養殖のものが天然ものより多い。天然で丁寧に取り扱われた「活けじめ」のものは非常に高い。養殖は年間をとおして安定してやや高値
生息域◆北海道南部以南東シナ海台湾にまで棲息する。
大きさ◆ 1メートル前後になる。
漢字◆「鯛」。
由来◆「大言海に“ひらうお(平魚)”の意という」、「延喜式に“平魚(たひ)”」。平たい魚の意味。参考/『新釈魚名考』榮川省造 青銅企画出版

呼び名・方言◆

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食べ方◆
刺身/ムニエル(ポワレ)/塩焼/鍋/炊き込みご飯他

 旬は産卵期で決まる。産卵するとごそっと脂が抜けてまずくなる。このぱさぱさのタイばかりは「腐っても鯛」とはいうものの決してうまいとは思えない。関東ではこの産卵後のマダイのことを「麦わら鯛」というが、確かに麦の収穫期とマダイの産卵期は重なるのかも知れない。それが
数ヶ月後、初夏には脂がもどって「さすが鯛だな」という味わいになる。マダイは比較的味が落ちている時期が短いのだ。ただこの時期というのが日本の東西、太平洋日本海で違ってくる。まだ寒い2月下旬から3月になるとそろそろ産卵期を迎えるものが西日本から入荷する。このマダイは4月には産卵が終わり、初夏ともなるとすっかり脂がもどっている。早春の九州ダイから北上して産卵の遅いみちのくダイが終わる頃にまとまって入荷する豊後のマダイなどはその典型的なもの。
 本種はマダイと言うより漢字での鯛そのものである。食材としては祝儀や祭礼など我が国の歳時記(桜鯛、おち鯛)、また冠婚葬祭にまで使われてきた。米を代表する文明の代表がアユであれば、海国を象徴するのが鯛である。恵比須講の「かけ鯛」、正月の飾り「にらみ鯛」、婚礼の引き出物など人として生まれて幾度か対面する晴れ晴れしい場面にはなくてはならぬものである。
 幾多の水産物の味わい、価値の最高値として用いられるのも本種。これが最近では養殖や稚魚の放流などで、けっして最高級の魚ではなくなったこと。また、近年ますます食の多様性がすすみ海産物の食生活に占める位地が下がってきているということでもマダイの価値は決して高いものではなくなっている。
 特に市場で見る限り、天然物のマダイの占める位置が隅に追いやられてきている。これは、淡泊を好んだ日本型食生活から、脂っぽいものを好む志向に変わってために「天然より養殖ダイがうまい」という人たちが増えてきていること。それと年間を通じて比較的脂の乗り具合、価格が一定に保たれている養殖ダイが業者にとっても「安心感」があるなども「養殖ダイ好み」に拍車をかけているようだ。
釣り/関東ではコマセ釣りがマダイ釣りの主流である。東京湾、相模湾、駿河湾、近年は外房から茨城県までコマセを使わない釣り宿は今や希少である。アミを入れるコマセカゴをつけた天秤に長いハリス、1本ハリにオキアミエサをつける。しかも釣れる棚を探るのと仕掛けを作ることが唯一の技術だろうか? コマセを潮に乗せて流すために船でどの位地で釣るか? といのも釣り師にとっては重要な問題である。こんななかで今でも少ないもののコマセを使わない釣法が各地に残っている。関東では東京湾のしゃくり釣り、外房のビシマなどである。これらは自然に優しいだけでなく釣りとしてもコマセ釣りより数段面白い。
 この関東の伝統釣りに対して広島県に、ふかせ釣りという釣法がある。重りを使わないで潮の流れに仕掛けを漂わせてマダイを狙う。これなど釣りとしてはしゃくりやビシマ以上に面白そうだ。詳しくは日美丸のホームページをごらんください。
■味は産卵期の4〜6月までが旨いが、この2ヶ月は南北に長い日本ならでは。青森県のものなど産卵が遅い模様で6月でも素晴らしい味のものがある。また産卵後も早い回復を見せる豊後水道産などは6月にはもう脂がもどっており、この時期が入荷のひとつのピークを作っている。マダイでいちばん旨いのは塩焼きではないか? 身質のよさが絹のような繊維質を産み出して歯にまとわりついてくる。甘味を適度に持つ味わいは喰い飽きずに食べ尽くせる。もちろん刺身、潮汁と骨まで、ありとあらゆる料理に向いている。変わったところでは内田百けんの随筆に鯛のフライというのがある。彼のへそ曲がりな食癖というのではなく、フライは明治大正期には目新しく、高級な料理ではなかたろうか? 実際マダイのフライは上品でしかも非常にうまい。
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天然、養殖の見極め方のひとつ(確実ではない)
天然マダイ
鼻孔が前後に2つ開いている
養殖マダイ
本来2つあるはずの鼻孔が繋がって1つになっている。鼻孔隔皮異常、欠損症と言われている
●養殖魚でも鼻孔が2つに分かれる個体があるため鼻孔を見て養殖、天然を100パーセント見分けることは出来ない。