イヌゴチ
魚貝の物知り度 | ★★★★★ 知っていたら学者級 |
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食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水魚。水深19〜750mの砂泥地、礫石地。
北海道全沿岸、新潟県、富山県、兵庫県香住・津居山、島根県隠岐、青森県六ヶ所村、岩手県。
朝鮮半島東岸中部から間宮海峡をへてサハリン西岸・南東岸、オホーツク海、千島列島、カムチャツカ西岸・南東岸、アラスカ湾。
生態
産卵期は冬だと思われる。12月の入荷が多く、抱卵している個体がいる。また卵巣が流れ出しているものもある。
基本情報
体表のざらざらした感触や模様、棘が鈍いが硬いところ、頭部などまるで怪獣のよう、など不思議な形をしている。北陸、東北以北にいるが主に北海道周辺で水揚げがある。量は少ない。刺し網などで揚がる雑魚のたぐいとみなされているて、ほとんど流通しない。
産地でも外見の悪さ、棘があって下ろしにくいため、利用しない地域は多いようだ。
実際は下ろすのは意外に簡単で、外見に似合わず味がいいのでハッカク(トクビレ)同様人気が出そう。
水産基本情報
市場での評価 関東への入荷は希。比較的安い。
漁法 刺し網
産地 北海道
選び方・食べ方・その他
選び方
褐色の濃いもの。目が澄んでいるもの。触って張りのあるもの。
味わい
旬は冬?
鱗はなく全身が骨板で覆われていて、表面の棘が痛い。まず三枚に下ろす前に鰭を切り取り硬い皮をはぐ。軍手、手袋などをして一気に引きはがす。
白身で脂が混在して白濁している。しっかり硬い身質でほどよい食感がある。熱を通すとしまり、身離れはやや悪い。クセがなくいいだしが出る。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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釣り情報
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歴史・ことわざなど
床の間の飾物 〈食用としての価値はおそらくないことと思われるが、肉少なく、脂肪分も少ないため、乾燥品となって床の間の飾物となっているのを時々見受けることがある。〉『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)