ロクセンヤッコ
SL40cm前後になる。体高があり、体側に5本の暗色の横縞がある。鱗は大きく、大小がある。
魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★ まずくはない |
分類 |
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目キンチャクダイ科サザナミヤッコ属
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外国名 |
Sixbar angelfish
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学名 |
Pomacanthus sexstriatus (Cuvier, 1831)
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漢字・学名由来 |
漢字/六線奴
由来・語源/ヤッコはキンチャクダイ科の魚という意味合いで、体側に6本の横縞のあるキンチャクダイ科(旧チョウチョウウオ科サザナミヤッコ属)の魚という意味合い。古くキンチャクダイ科の魚は「テフテフウヲ科(チョウチョウウオ科)」だった。「ヤツコ(ヤッコ)」とつく魚にはタテジマヤッコ、ナメラヤッコ、ヤイトヤッコ、シテンヤッコ、アブラヤッコ、レンテンヤッコ、サザナミヤッコ、タテジマヤッコなどだが、「奴」は文献的にはわからない。1600年代なかばに旗本小普請組(役職なし)と町人のかぶきもの(徒党を組んで乱暴を働く)の派手な出で立ちからではないかと思う。 Cuvier バロン・ジョルジュ・レオポルド・クレティアン・フレデリック・ダゴベール・キュヴィエ(Baron Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert Cuvier 1769-1832)。フランスの分類学者。キュビエとされることが多い。スエーデンのリンネ、フランスのビュフォンの分類体系に解剖学や古生物学などを加味して現在の形の礎を作った巨人のひとり。
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地方名・市場名 |
ゴーゴーカビッチャ 備考ゴーゴー・カビッチャ。ゴーゴーは威嚇音。 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島 カーサ 場所沖縄県うるま市石川漁協 カーサー 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)、河村雄太さん(石垣市) 場所沖縄県南城市知念漁協・石垣市 |
概要
生息域
海水魚。サンゴ礁域。
奄美大島以南の琉球列島、南大東島。
台湾、東沙諸島、西沙諸島、タイランド湾、東インド-西太平洋(スマトラ島西岸・オーストラリア西岸以東、フィジー島をのぞく)
生態
基本情報
食用魚というよりもダイバーが合いたい魚の1種ではないかと思う。刺突漁などターゲットを絞れる漁ではとらず、定置や刺し網などに混ざるもの。
水産基本情報
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市場での評価 沖縄県では雑魚として処理される。もっとも安い魚のひとつ。
漁法 定置網、刺し網
産地 沖縄県
選び方・食べ方・その他
選び方
斑紋のくっきりしているもの。あまり臭いがしないもの。
味わい
旬は不明。
下ろす前から臭いがする。内臓はとても臭い。筋肉にはあまり臭味がない。
鱗はあまり大きくないが硬く取りにくい。皮は厚みがあって強い。
血合いの弱い白身で熱を通すと3月の個体は強く縮み、硬くなった。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
生食(刺身)、汁(揚げてみそ汁)、揚げる(素揚げ)、ソテー(バター焼き)、煮る(まーす煮、煮つけ)
ロクセンヤッコの刺身 血合いが弱く、透明感のある白身。丸のままでも臭いので、不安であったが筋肉にはほとんど臭みがなかった。個体差がわからないので、確証はないが刺身はいけるかも。
ロクセンフエダイの揚げみそ汁 石垣島のウミンチュウは、ブダイなどを素揚げにしてみそ汁にしているという。これが多少難ありの魚に最適の料理法である。食べやすい大きさに切り、素揚げにしたものを水から煮てみそをとく。味にこくがあってとてもうまい。ご飯にも合う。
ロクセンヤッコの素揚げ どうやら熱帯域では唐揚げ(片栗粉などをまぶして揚げる)ではなく素揚げが基本らしい。本種も二枚に下ろして骨つきの方をなにもつけないで上げた。全体がかりっとして香ばしくとても美味。
ロクセンヤッコのバター焼き 水分で熱を通すと強く縮み、硬くなりすぎる。これを油分でやるとそれほど硬く締まらなかった。臭みもあまり感じず、やや硬いのだけが難点だった。
おいしくなかった
ロクセンヤッコの煮つけ 頭部を梨子割りにして、湯通し。冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・しょうゆであっさりと煮上げてみた。食べる以前に強く締まりすぎて、硬くて箸が通らない。味もなくダメだった。
おいしくなかった
ロクセンヤッコのまーす煮 しょうゆ煮と同じで硬く締まりすぎて食べるに食べられなかった。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど