メガネモチノウオ

代表的な呼び名ナポレオンフィッシュ

メガネモチノウオの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
SL 2m(最大で229cm、重さ191kg)前後になる。側扁(左右に平たい)し、体側に網目状の横縞が無数に走る。大きくなるほどひたいの部分が前方に突出する。
SL 2m(最大で229cm、重さ191kg)前後になる。側扁(左右に平たい)し、体側に網目状の横縞が無数に走る。大きくなるほどひたいの部分が前方に突出する。
SL 2m(最大で229cm、重さ191kg)前後になる。側扁(左右に平たい)し、体側に網目状の横縞が無数に走る。大きくなるほどひたいの部分が前方に突出する。[体長30cm、重さ832g]
魚貝の物知り度 ★★★
知っていたら通人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ベラ科モチノウオ属
外国名
Napoleon fish, Giant wrasse, Humphead wrasse, 曲紋唇魚, 蘇眉、沙疕
学名
Cheilinus undulatus Rüppell, 1835
漢字・学名由来
漢字 眼鏡持之魚
由来・語源 和名のついた時期や採取者などは不明。和名がついたのは1972年の沖縄返還直前ではないかと思う。目の後方にメガネのつるのような黒い筋があるため。眼鏡をかけてような文様のあるモチノウオ属の魚という意味で、とても分類学的な名前となっている。『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)に「めがねもちのうお」。
ナポレオンフィッシュ 老成して大型になると目の上、額が瘤状に膨れ上がる。この形がナポレオン・ボナパルトの被っている帽子を思わせるため。
頭部の文様 目の後方にメガネ(江戸時代のメガネ)のつるの部分のような文様があるために「眼鏡」だ。
Rüppell
Wilhelm Peter Eduard Simon Rüppell (エドゥアルド・リュッペル 1794-1884)。ドイツ。博物学者。
地方名・市場名
ヒローサー
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 
ヒロサー
場所沖縄県石垣島・沖縄本島・八重山 
ヒロシー
場所沖縄宮古 
ナポレオンフィッシュ
備考最近(2000年以降)マスコミの影響で。 

概要

生息域

海水魚。サンゴ礁・岩礁域。
和歌山県串本、屋久島、琉球列島、南大東島、尖閣列島。
台湾南部、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、インド-太平洋(ライン諸島・マルケサス諸島・イースター島を除く)

生態

寿命は30年以上。
生まれてすぐは雌、大型になると雄に性転換する。

基本情報

ベラ科では世界最大、2メートルを超える。食用魚としてよりもダイバーの間で有名かも知れない。そのせいか沖縄の「ヒロサー」、「ヒロシー」、標準和名のメガネモチノウオよりも国内ではナポレオンフィッシュという方が知名度が高い。
熱帯域では高級魚として人気があり、資源の減少が危ぶまれている。当然沖縄でもクセのない白身魚として人気が高く、高級魚のひとつ。ベラ科ではもっとも値の高い魚かも。

水産基本情報

市場での評価 沖縄特産魚。沖縄では高級魚。香港などでも高級魚とされている。
漁法 刺突漁、刺し網、釣り
産地 沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

旬は不明。
鱗は大きく手で剥がせるが大変だ。皮は厚みがあって熱を通すとゼラチン質になる。骨は頭部は硬い。
白濁した身で軟らかいが熱を通すとふくらみながら、適度に締まる。豊潤。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

メガネモチノウオの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、ゆびき、セビチェ、カルパッチョ、皮霜造り、焼霜造り)、煮る(まーす煮、煮つけ、トマト煮込み)、汁(みそ汁、潮汁)、揚げる(唐揚げ、天ぷら)、焼く(塩焼き)、ソテー(ムニエル、バター焼き)
メガネモチノウオの刺身 透明ななかに白く見えるのが脂だ。舌に脂のまったりとしたのと、甘味が同時に感じられる。食感も心地よく最上級の刺身だ。白身でなにもすることなく、ここまでのおいしさはめったにないと思う。しょうゆ・わさびもいいし、柑橘類・塩もうまい。

メガネモチノウオのゆびき刺身 皮目には身とは別種の味わいがある。ベラ科すべてに行けることだが、この皮を生かす料理法がいちばんいいのだ。皮目に湯をかけて急速冷凍庫に入れてあら熱をとる。皮目の食感うま味が加わると味わいに深みがでる。
メガネモチノウオのセビッチェ 刺身にしたときの切れ端や脂のない部分を集めて置く。これをライム・塩・辛い青唐辛子でマリネーする。このときトマトやピーマンなどを加えて彩りよく仕上げてもいい。これを少し寝かせて盛りつける。セビチェはペルーなどでは豆やジャガイモ、アボカドなどをつけ合わせ食事にする。
メガネモチノウオのカルパッチョ できるだけ薄く切りつける。皿ににんにくをなすりつけ、オリーブオイル(なんでもいい)を垂らす。この皿に薄切りの切り身を並べて、並べ終わったらスプーンでとんとんと馴染ませる。上から塩コショウ(香辛料はなんでもいい)を振り、香りのある野菜などを乗せる。
メガネモチノウオのまーす煮 沖縄県で「ヒロサーのまーす煮」はぜいたくなおのだと思う。ここでは頭部を強火で強めの塩で水分を飛ばしながら煮上げる。頭部の皮はゼラチン質になり、口のなかに入れるととろける。身はほどよく繊維質でジューシー。うま味豊かで豪華絢爛な味。
メガネモチノウオの煮つけ あらを集めて置き、湯通しする。冷水に落としてぬめりや残った鱗を流す。これを酒・しょうゆ・水で煮つける。酒・砂糖・しょうゆ・水でも酒・みりん・しょうゆで味つけてもいい。身離れがよく身に甘みがあってとてもおいしい。
メガネモチノウオの鍋すっぽん仕立て ちり鍋にしてもいいが、ここではぜいたくにスッポン仕立てにして。昆布だし1に同量の酒で煮ながら食べる。骨や皮などから強いうま味が染み出して煮汁がとてもうまい。身がほろほろとしてこれもまたおいしい。
メガネモチノウオのトマト煮込み 煮ても硬くならず、うまいだしが出るので液体を使った料理に向いている。ここではほとんど水を使わずトマトだけで煮る。トマトのうま味と切り身の上品な甘味が同時に楽しめる。
メガネモチノウオの清蒸 皮にゼラチン質の多い魚は蒸すと皮目がぷるんとして、身が適度にしまる。酒蒸しであっさりとした味にしてもいいが、ここでは魚醬、中国醤油、などを合わせてタレを作り清蒸にしてみた。ハタ類が有名だが、決してひけを取らぬ味だ。
メガネモチノウオの潮汁 頭部と中骨を集めて置く。これを湯通しして冷水に落としてぬめりなどを流す。これを昆布だし(水でも)で煮だして酒・塩で味つけする。思わずうなるほどに濃厚な味わいの汁になる。あらに付着した身や皮もおいしい。
メガネモチノウオの唐揚げ 頭部を適宜に切り、片栗粉をまぶしてじっくりと揚げたもの。分厚い皮の表面が香ばしく皮下がねっとりして舌にからみつくよう。身はしっとりとして鶏肉を思わせる食感になる。この皮だけのおいしさだけでも十二分に魅力がある。
メガネモチノウオのフリット 沖縄県ではベラ科、ブダイ科の魚をよく天ぷらにする。ここでは小麦粉をビールでとき、塩味をつけて衣にする。表面がさくっと軽く揚げる。表面の香ばしさになかはとてもふっくらとした揚げ上がりになる。
メガネモチノウオの塩焼き ベラ科としては焼いても皮目にうまみがあってうまいはず。ただしときに硬く締まりすぎることがある。本種の場合はその傾向は少なく、皮目の香ばしさに身の甘さがあって、身自体の甘味が楽しめる。ほどよく繊維質で舌の上でのほぐれ感もいい。
メガネモチノウオのバター焼き ブダイ科、ベラ科はソテーすると皮方向から崩れやすいのが難点だが、身自体はバターとの相性がとてもいい。適当に切り、塩コショウして皮目から多めの油でじっくりとソテーする。あまり動かさないのがコツ。これをひっくり返し、余分な油を捨ててバターで風味づけする。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

沖縄ではハタなどを釣る場合の外道。

歴史・ことわざなど

カツオのぎ餌●地元漁師はこのウロコでカツオ釣りのぎ餌を作る。『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)