タラバガニ
魚貝の物知り度 | ★ 知らなきゃ恥 |
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食べ物としての重要度 | ★★★★ 重要 |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水生。北海道周辺。オホーツク海、カムチャッカ、ベーリング海、アラスカ沿岸の北極海。
北海道では水深30メートル(産卵期)〜360メートルに生息。
北にいくほど生息水深が浅くなる。
生態
■ 4月から6月に浅場で産卵する。
■ カニが持つ交尾器はなく、雄の第5脚(甲羅の下にある細く小さな脚)、雌の第3脚の付け根に生殖孔を持つ。雌の脱皮を待ち、第5脚の付け根から紐状になった精子(精紐)たぐりだし、この精紐にある精包を受け渡す。
■ 交尾した雌は、卵を腹肢(ふんどしの裏側にある)に産みつける。
■ ゾエア幼生で生まれて、グローコテ幼生期を経て稚蟹となる。
■ 稚蟹期は浅場にいて、成長するにしたがい深場へと移動する。
■ 一年後孵化し、プランクトン幼生期をへて稚ガニになる。
■ 成熟した親ガニは4月〜6月に脱皮。
■ 1年で甲長8.2ミリ、2年で甲長24ミリ、3年で甲長50ミリ、4年で甲長72ミリ、5年で甲長85ミリ、6年で甲長100ミリになる。甲長20センチになるには16年〜17年くらいかかる。
基本情報
味がよく大きくなるので、カニ(短尾類)ではないがカニの王様(キングクラブ)と呼ばれている。
国内だけではなく海外でも人気があって、古くは缶詰に加工して外貨を稼いでいたことがある。国内での産地は北海道。国内産だけでは需要をまかないきれず、ロシア、アメリカなどから輸入している。
高価なために普段気軽に食べるというのは難しく、むしろ年末年始の商材となっている。
暮れになるとスーパーなどでも冷凍ものが山積みされて、師走の風物詩ともなっている。
このトゲの数で見分けるのがいちばん簡単。ただし北海道区水産研究所の「NEWS LETTER」に300体に15体ほどこの部分の棘が5~6のものがでるとある。どうしてもアブラガニを見分けたかったら、棘を確認して、その上で裏側も見る必要がある模様。できればタラバは6個だとしてアブラガニが6個になる比率が知りたい
水産基本情報
市場での評価 雄が高価で、雌が安い。活け、ゆでたもの、冷凍などで年中見かける。値段は国産は非常に高く。輸入ものでも雄で大きければ高い。
漁法 カゴ漁/刺し網
代表的な産地 輸入原産国はアメリカ、ロシア、カナダ。国内では北海道
■ 古くは北海道のマダラ延縄量で混獲されていた。20世紀の初頭から刺し網などで専門にとるようになった。
■ 流通するタラバガニ科はタラバガニ、アブラガニ、ハナサキガニの3種。その他は少ない。
選び方・食べ方・その他
選び方
脚を触って硬いもの。冷凍ものは持って重く感じるもの。活けは体液の出ているもの、ほとんど動かないものは避ける。
味わい
旬は秋から冬 脱皮したては水っぽく、秋から冬にかけて身が詰まっていて味がいい。
主に脚の筋肉を食べる。殻はあまり硬くない。太い縒りをいれた木綿糸を何本も束ねたような棒状の身がとれる。
そこにカニらしい風味があって、非常にバランスのいい味わいができている。
タラバガニにはほとんどミソ(肝膵臓)がなく、内子は美味であるが、外子はまずい。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
日本全国。
加工品・名産品
缶詰、ゆでタラバ、ゆでるか蒸してむき身としたもの
カニ缶詰 1881年(明治14年)に第2回内国勧業博覧会に出品されたのが最初とされる。
冷凍ドレス 冷凍で流通しているもの。生とゆでたものがある。
内子 内子を瓶詰めにしたもの。
たらばがにラーメン タラバガニのエキスを練り込んだ麺のラーメン。『なみかわ製麺(北海道紋別郡湧別町)』
釣り情報
北海道日本海側ではマダラの延縄、一本釣りであがるという。
歴史・ことわざなど
■暮れが来ると様々なタラバの加工品が市場を賑わせる。その多くがロシア、アラスカなどからの輸入物であり、国産のものは少ない。いちばん多いのが蒸して冷凍したもの。ゆでて丸のままで冷凍したものより、脚だけの方が質も値段も上である。また生で冷凍した脚は、ゆでたものよりもうまいのではないかと思うが、ともっとも高価なのものだ。
■アブラガニをタラバガニと偽って販売されていたことがある。
■国内でとれる量は非常に少なくなり、国内に出回るほとんどが輸入されたものとなっている。
■昔は缶詰になって流通していた。我が国ではもっとも有力な産業、輸出産品だった。小林多喜二の『蟹工船』のカニはタラバガニである。