イシガレイ
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珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
分類 | 顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目カレイ亜科カレイ科ヌマガレイ属
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外国名 | Stone flounder
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学名 | Platichthys bicoloratus (Basilewsky,1855)
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漢字・学名由来 | 漢字 石鰈 Standard Japanese name / Ishigarei |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。水深30メートル〜100メートルの砂泥地。
北海道全沿岸、青森県〜九州西岸の日本海沿・東シナ海沿岸、青森県〜豊後水道の太平洋沿岸、瀬戸内海。
渤海、黄海北部、朝鮮半島全沿岸、サハリン、千島列島。
生態
産卵期は秋から春。
稚魚期には珪藻類、甲殻類、貝の幼生などのプランクトン。
やがて環形動物(ゴカイなど)、アミ、小型のイカ、イカナゴなどを補食する。
自然界でヌマガレイとの雑種、オショロガレイがたくさん生まれていることなども含めての属の移動が行われた。
基本情報
北海道から九州までの浅い砂地に普通に見られるものだが、産地は関東から北に多い。
江戸時代の『和漢三才図会』(寺島良安 1712)にも味の優れていることが出ている。特に江戸(東京)で珍重されていて、古くから夏の魚として人気があった。魚類学者の父、田中茂穂によると江戸から東京になってもカレイと言えば本種のことだった。
今でも関東では生食できる活魚は超高級魚で東京では人気が高い。
漁の間に死んでしまった野締めは安くスーパーなどでもしばしばみかける。
珍魚度 珍しい魚ではなく食用魚だが、流通量は少ない。少しがんばって探すしかない。
水産基本情報
市場での評価 夏の活魚は非常に高い。入荷量は少ない。野締めはときに大量に水揚げされ、非常に安く、値段のつかないことがある。
漁法 刺し網、底曳き網
産地 北海道、三陸、常磐
選び方・食べ方・その他
選び方
活魚(生きているもの)がいい。野締めは鮮度がわかりにくいのでできれば鰓を見て鮮紅色のもの。触って張りのあるもの。
味わい
旬は夏。
基本的に活魚を選ぶといい。死んだものはおいしくない。
石状の鱗が有眼部(表)にあり、非常に硬い。原則的にこの部分を削り取ってから利用する。皮はしっかりしていて硬い。鮮度が落ちるとこの皮目に臭みが出る。
白身で透明感があり、旬の時期には旨みに膨らみがある。熱を通すとしまるが、あまり硬くはならない。
卵巣は美味。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
水洗いして頭部を大きめに切り取る。塩をまぶして1時間以上置く。表面に出て来た水分を拭き取り、じっくり焼き上げる。
好んで食べる地域・名物料理
東京和案周辺の東京都、千葉県、神奈川県。
加工品・名産品
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釣り情報
東京湾ではマコガレイに混ざって釣れる。天秤仕掛けにイソメ類の餌。
千葉県外房ではフグのカットウ釣りで大型がくる。
歴史・ことわざなど
イシガレイ属 古くはイシガレイ属であった。自然界でヌマガレイとの雑種のオショロガレイがたくさん生まれていることなども含めての属の移動が行われた。
東京湾産 〈東京では東京湾内で取れたものをカレイ類中最も美味とし、東京で単にカレイと云うと、イシガレイのことである。それほどまでに此のカレイに関心を持っている〉。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、〈今日でも東京で單にカレイというと、數多のカレイ類中でイシガレイのことである場合が多い〉。『魚と人生』(田中茂穂 楽浪書院 1934)
地方名・市場名
参考文献 場所三重県鳥羽市
参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966)、文献 場所北海道、福岡県志賀島、大分県
参考文献 場所北海道厚岸
場所千葉県、東京都、神奈川県、福井県三国
参考文献 場所富山県富山
備考〈北陸ではなまって(イシガレイを)エシガレイという。〉『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 参考文献 場所富山県滑川、北陸
参考文献 場所山形県庄内
参考文献 場所東京
参考文献 場所福島県小名浜
参考文献 場所茨城県水戸
備考〈青森県八戸方面の地方名イシガレイは別種和名サメガレイだ。〉『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 参考文献 場所青森県八戸