テナガエビ


9センチ前後になる。身体に斑文などはなく、第2脚(ハサミを持つ)が著しく長い。

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魚貝の物知り度 ★★★
知っていたら通人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
節足動物門甲殻亜門軟甲綱(エビ綱)真軟甲亜綱エビ上目十脚目抱卵亜目テナガエビ科スジエビ属
外国名
学名
Macrobrachium nipponense (De haan,1849)
漢字・学名由来

漢字 手長蝦、手長海老
由来・語源 第2脚(手)がとても長いエビの意味。

De Haan
Wilhem de Haan (ウィレム・デ・ハーン 1801-1855 オランダ。ドゥ・ハーンとも)。ライデン王立自然史博物館。シーボルトが日本から持ち帰った標本、特に甲殻類を研究。『日本動物誌』(Fauna Japonica)をテミンク、シュレーゲルとともに編む。日本に生息する甲殻類の多くを記載している。
地方名・市場名
ザザエビ
場所茨城県小美玉市 
テナガ
参考川東繭右さん 場所鹿児島県屋久島 
カワエビ[川エビ]
備考一般には。 場所東京都など 
ダイエビ[大エビ] 1 
チュウエビ[中エビ] 2 
備考琵琶湖では雄をダイエビ(大エビ)、雌をチュウエビ(中エビ)。 場所琵琶湖 

概要

生息域

淡水生。河川河口域から上流域、湖沼。
本州、四国、九州。韓国、中国、台湾。
移植が盛んで、滋賀県琵琶湖には大正6〜8年頃、茨城県霞ヶ浦から156匹が放流されて定着。福井県三方湖にも移植されて定着している。

生態

産卵期は7月〜8月。
雄の方が大きくなる。

基本情報

スジエビとともに一般には「川エビ」などといわれ流通しているもの。本種をスルメなどを餌に釣る光景は都会化が進んだ現在でも見られる。汚染には強いようだ。
市場には茨城県や青森県、北海道から入荷する。特に霞ヶ浦からくるものは元気に生きていて値段も高い。霞ヶ浦といえば古くから「えびたる漁」というのが盛んであったという。これは『霞ヶ浦風土記』(佐賀純一著 常陽新聞社)にあるが、テナガエビ漁だけで暮らしていけるほど漁獲量が多かった時代は遥かに遠い。
利用法はスジエビと同じで飲食店などで唐揚げなどになる。

水産基本情報

市場での評価 関東には霞ヶ浦などから少ないながら入荷があり、高値安定。
漁法 定置網、エビカゴ漁
産地 茨城県

選び方・食べ方・その他

選び方

殻に透明感のあるもの。白っぽいもの、黒ずんでいるものはさける

味わい

旬は夏から秋
丸ごと食べるもので殻が柔らかい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

調理法
揚げる(素揚げ、唐揚げ)、煮つけ(煮つけ、佃煮)


揚げる かき揚げなどにすると殻や長い第2歩脚が硬いので気になる。素揚げや唐揚げにした方がうまい。
煮つけ 単にしょうゆ味でさっと煮上げてもうまいが、大豆、大根などと煮てより味がいい。濃い味つけで佃煮にしてもうまい。

好んで食べる地域・名物料理

えび豆 大豆とテナガエビを煮たもの。[増井さん 福井県三方上中郡鳥浜]

加工品・名産品

釜揚げ 寒い時期の小さなテナガエビをゆでて、ザルなどに上げてもの。[茨城県、千葉県]
鬼がら焼 テナガエビを串に刺し、焼いて佃煮にしたもの。[正上 千葉県香取市佐原]

釣り情報

ミミズなどのエサで釣れる。

歴史・ことわざなど

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■本種をスルメなどを餌に釣る光景は都会化が進んだ現在でも見られるが、汚染には強いようだ。市場には茨城県や青森県、北海道から入荷する。特に霞ヶ浦からくるものは元気に生きていて値段も高い。霞ヶ浦といえば古くから「えびたる漁」というのが盛んであったという。これは『霞ヶ浦風土記』(佐賀純一著 常陽新聞社)にあるが、テナガエビ漁だけで暮らしていけるほど漁獲量が多かった時代は遥かに遠い。

■素揚げはとにかく旨い。最近では冷凍のものが輸入されているが、生きているものを油に投げ込んだものはあっさりと軽く、いくらでも食べられる。特に揚げたときのエビ特有の香りは、生きがいいほど甘く感じられる。滋賀県などの郷土料理のエビ豆もうまい。