202502/16掲載

ブリのわた煮の材料費は限りなくタダ

ブリのわたはタダ、だけどこんなにうまいものはないと思う


ワタ煮は数日に亘って食べる。
もちろん酒の肴である。
消化管はこりこりして、ちょっとだけにょごっ、とする。
噛みしめるとうま味が染み出してくる。
肝はほくっとして甘く、舌にざらざらとうま味を残す。
この内臓巡りの旅、こそが「わた煮」のよさだ。
ブリのサイズも産地もわからない。
ちゃんと魚屋に言えば、真子・白子入りもあるけど、次回持ち越し。
酒は新潟県上越市、雪中梅の普通酒だ。

ワラサイズかも知れない、なんてね


三重県尾鷲市、岩田昭人さんが「ブリあら煮」を作っていた。「ブリあら」というのは頭とかが入っているからで、内臓だけだと「わた煮」だ、なんて思ったとき、ボクは八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産の前にいたのだ。
考えてみるとブリの内臓はタダだ。タダほど安いものはない。

ブリの内臓の煮つけは産地ならどこでもやっているだろう。
徳島県宍喰、静岡県伊東、島根県島根半島、福岡県と作り方も同じである。
とりたてて名前がないのも共通している。

ていねいにぬめりなどを取り去る


舵丸水産で勝手にもらってきて、帰宅後、内臓の掃除をする。
胆嚢、鰓などを取り、胃袋、長などは開く。幽門、肝は食べやすい適当に切る。
塩でざっと洗い、湯がいて氷水に落として表面のぬめりを取る。
水分をよくきって酒・砂糖・醤油、しょうがで、こってり甘辛く煮つける。

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ブリのサムネイル写真
ブリJapanese amberjack海水魚。北海道〜九州南岸、[鹿児島県種子島]、希に沖縄県、オホーツク海、太平洋、瀬戸内海、日本海、東シナ海。朝鮮半島・・・・
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