ヌマガレイ
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
分類 | 顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目カレイ亜科カレイ科ヌマガレイ属
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外国名 | Starry flounder
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学名 | Platichthys stellatus (Pallas, 1787)
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漢字・学名由来 | 漢字 沼鰈 Numagarei Pallas Peter Simon Pallas (ペーター・ジーモン・パラス 1741年〜1811年)。ドイツの動物・植物学者で、サンクトペテルブルク科学アカデミーの教授になり主にロシアで研究する。主に冷水域の魚を記載した。ホッケ類、アイナメ類など国内海域にいる多くの魚類を記載。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
浅い汽水域に生息するが河川や湖沼など淡水域にも入る。
島根県中海・千葉県九十九里以北。朝鮮半島〜オホーツク海、ベーリング海を経て南カリフォルニアまで。
生態
1月〜5月の沿岸の浅場で産卵。
1934年にイシガレイとの自然雑種に「オショロガレイ」という標準和名がついたことがある。
国内(日本)ではほぼ目が100%左にある。アラスカでは60〜70%、カリフォルニア、オレゴンでは50%が左に目がある。
基本情報
主に東北・北海道の沿岸や汽水域に生息するが、ときに河川の中流域まで遡上する。そんなところから「川鰈」の別名がある。近縁種にイシガレイがいて、しばしば雑種のオショロガレイを生み出す。
流通上はカワガレイ(川鰈)と呼ばれることが多く、ヌマガレイでは通じない。
非常に淡泊な味わいで北海道などでの評価は低かった。これが活魚での出荷が増えて評価を徐々に上げてきている。この活魚の認知度が上がれば、より値を上げる可能性がある。
珍魚度 珍しい魚ではないが流通量は東北以北に多く、以南では少ない。地域によっては入手するのがとても難しい。
水産基本情報
市場での評価 最近、関東には活魚・活け締めでの入荷が増えている。値段は活魚でもあまり高くはない。野締めはほとんど値がつかない。90cmにもなる大型ガレイだが、入荷してくるのは全長40cm前後だけ。
漁法 釣り、刺し網、定置網
産地 北海道、東北
選び方・食べ方・その他
選び方
身が硬く盛り上がっているもの。できるだけ活けを選ぶ。生きて元気なもの。野締めは鰓が鮮紅色のもの。
味わい
比較的味は年間を通して安定している。旬は晩春から秋ではないかと思う。
北海道厚岸のガサガサガレイは鱗はところどころ棘条になり、また石状で刺々しいからだ。表面のぬめりタワシなどで落とし、棘を除去してから下ろすといいだろう。皮は厚みがあってやや強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いは非常に薄い。熱を通しても硬く締まらない。
身にうま味が少ないが、活魚・活け締めなどは食感が長持ちし、ほんのり甘味がある。煮ても焼いてもこのうま味の少なさを感じるものの、油を使った料理法には向いている。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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釣り情報
河口域などでの投げ釣りであがる。ときに河川でも釣れる。
北海道では鰭の斑文が濃いので「厚化粧」。
歴史・ことわざなど
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地方名・市場名
参考文献 場所北海道
参考文献 場所北海道厚岸
参考『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社) 場所北海道松前町
参考松田英照さん、聞取 場所北海道根室市
参考『石巻の四季のさかな』(石巻魚市場株式会社) 場所宮城県石巻市石巻魚市場
参考文献 場所富山県氷見、石川県邑知潟
参考文献 場所富山県滑川
参考文献 場所山形県庄内
参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966)、文献) 場所石川県木場潟・邑知潟
参考聞取 場所秋田県秋田市中央市場
場所山形県鶴岡市由良漁港
参考文献より。 場所奥羽地方、宮城県陸前地方、新潟県寺泊