オオカミウオ
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水魚。50-100mの岩礁域。
北海道全沿岸、青森県〜新潟県の日本海沿岸、青森県〜茨城県の太平洋沿岸。
ピーター大帝湾、間宮海峡、オホーツク海沿岸、カムチャツカ半島南東部、ベーリング海沿岸、チュクチ海、バサースト湾、ベーリング海峡、アラスカ湾沿岸。
生態
産卵した直径20cmほどの卵塊を身体で囲むようにして守る。
基本情報
東北以北で水揚げがあるものの、北海道がいちばん多い。
最初はその怪異な姿で水族館などで人気が沸騰、知名度が高くなる。
食用魚としては漁師さんなどが食べていた程度のローカルなものであった。近年、あくまでもプロの間でだが普通の食用魚となりつつあり、徐々に価格が上昇している。太平洋のオオカミウオとは別に大西洋にはシロオオカミウオ(Anarhichas lupusLinnaeus,1758 / Atlantic wolffish)などがいて、こちらの方が先に食用になっていた。海外ではドレスやフィレなどで流通が基本。刺網で野締めになった国内産などフィレ加工して冷凍流通させると面白いと思う。
料理を選ばない使いやすい魚なのでもっと日常的に利用して欲しい。活け締めされたものは刺身にして抜群にうまい。野締めなどもフィレとしてムニエルやフライに利用しやすい。
珍魚度 珍魚ではない。じょじょに流通量も増えていて、一定の評価が生まれつつある。小売店などで手に入れるのは無理だが、探せば手に入る。
水産基本情報
市場での評価 流通量は少ないながら、徐々に人気が上昇しつつある。今ややや高値で安定している。
漁法 釣り、刺網
産地 北海道、東北太平洋側
選び方・食べ方・その他
選び方
外見ではわかりにくいが、鮮度落ちが早いのではないかと思っている。明らかに野締めよりも活け締めものの方がいい。ある意味、活け締めの技術が生きる魚と言える。特に野締めは古くなると粘液にまみれた状態になる。
味わい
旬は冬から夏ではないかと思っている。
皮はぶよぶよし、粘液が多いので扱いにくい。鱗はないものの皮が非常に厚く硬い。骨は頭部をのぞいて硬くない。血合い骨は前方にしかなく、後方には小骨がない。
血合いの弱い白身で脂は全体に混ざるこむ。熱を通しても硬くならない。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
写真は尾に近い小骨のない部分であるが、脂がとてものっているためか血合いが弱く白濁している。食感がありながら口溶け感がして甘く感じて非常にうまい。
皮がとろとろになり、夢中になってしまうほどのうまさである。思った以上にたっぷりの身にも甘みがある。最上級の煮つけである。
繊維質に欠けるみだが、柔らかく豊潤である。うま味豊かで食感が豚のヒレ肉を思わせる。
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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釣り情報
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歴史・ことわざなど
北欧でのシロオオカミウオの食べ方 〈北欧では食用とすることは多くの文献にあり、これをペラペラめくるが、探してみると意外なことに詳しい食べ方が書いていない。これを探しあぐねた矢先に我がサイトの協力者が読売新聞の日曜版、なんと2003年8月3日のものを持ってきてくれた。これがなかなか詳しく、ここで紹介すると、ノルウェーのベルゲンではミンチにして肉団子のようにまとめ、スープの具とする。またフィッシュケーキというこの肉団子を揚げた薩摩揚げのようなものもあると言う。フライにすると言うのも。〉『海の魚』(上野達治著 北海道新聞社)にある。