レイシガイ

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SL 60mm前後。螺肋と螺肋の間は広い。結節は球状と円錐形の２型がある。殻口は広く淡い橙色。内外唇はあまり肥厚しない。［結節が球状タイプ］
SL 60mm前後。螺肋と螺肋の間は広い。結節は球状と円錐形の２型がある。殻口は広く淡い橙色。内外唇はあまり肥厚しない。［結節が円錐形のタイプ］
SL 60mm前後。螺肋と螺肋の間は広い。結節は球状と円錐形の２型がある。殻口は広く淡い橙色。内外唇はあまり肥厚しない。
SL 60mm前後。螺肋と螺肋の間は広い。結節は球状と円錐形の２型がある。殻口は広く淡い橙色。内外唇はあまり肥厚しない。

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珍魚度・珍しさ★★
少し努力すれば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
動物門軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足上目新腹足目アッキガイ上科アッキガイ科レイシガイ亜科レイシガイ属
外国名
ー
学名
Reishia bronni (Dunker, 1860)
漢字・学名由来
漢字 茘枝貝　Standard Japanese name / Reisigai
由来・語源 『丹敷能浦裏』より。模式産地／長崎
レイシとは ツルレイシ（蔓茘枝／ニガウリ）、レイシ（茘枝／ライチー　ムクロジ科の果実）に似ているためだろうか。中国や台湾、ベトナムなどから輸入されている。江戸時代の絵師、伊藤若冲の果蔬涅槃図には蔓茘枝（ニガウリ）がある。
丹敷能浦裏
にしきのうらづつみ。介類（貝類）569種を掲載。彩色された貝の図と解説を載せた江戸時代の図譜。
ヒガイ、ホネガイ、カキツバタ、クレハガイ、アザミガイ、タケノコガイ、ヨウラクガイ、ミルクイ、キサガイ、シオサザナミほか。
Dunker
Wilhelm Dunker（ヴィルヘルム・ドゥンケル　1809-1885）。ドイツの動物学者。ヒラサザエ、レイシガイ、オオマテガイなど国内で普通に見られる多くの貝類を記載した。
地方名・市場名
地方名・市場名は下部にあります。クリックでジャンプします。

概要

生息域

海水生。潮間帯〜潮下帯の岩礁域。
北海道南部以南の太平洋沿岸、男鹿半島以南。

生態

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基本情報

「磯もの」などといわれる、磯で手軽に採取できる巻き貝。内臓と筋肉に独特の苦味・えぐみがあり、好んで本種を食べる地域と、あまり好まない地域のある、非常に地域性の高い食用貝といえそうだ。
多くの地域で春の節句のときなどに磯遊びでとるものであったと思われる。
今現在、流通してよく食べられているのは、山形県庄内地方の酒田市と鶴岡市、島根県、大分県などだ。
山形県、庄内地方では夏になると水揚げがあり、みそ汁や塩ゆで、しょうゆ味で甘辛く煮つける。
珍しさ度 流通上で手に入る地域は少ないが、海辺に行けばたやすく手に入る。

水産基本情報

市場での評価 関東には非常に希に入荷してくる。比較的安い。
漁法 採取
産地 山形県、大分県

選び方・食べ方・その他

選び方

原則的に生きているもので、軟体部がよく動くもの。

味わい

旬は春から夏
貝殻は比較的強く厚い。軟体は足の部分が少なく内臓が多い。
内臓にはほんの少しぴりっと感じる部分がある。

栄養

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危険性など

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食べ方・料理法・作り方

レイシガイの料理法・レシピ・食べ方／煮る（塩煮、しょうゆ煮）、汁（みそ汁）、揚げる（天ぷら）
レイシガイの塩ゆで 磯などに普通に見られるもの。潮間帯でも上の方なので子どもにも取りやすい。磯遊びなどの折にはこれを海水、もしくは塩水でゆでることが多い。足は弾力があり甘味が強い。内臓には独特の辛みというかぴりっとする感じがある。

レイシガイのしょうゆ煮 よく洗って汚れをとり、静かに水からしょうゆ、酒の味つけで煮たもの。身は取り出しやすく、甘味があって食感も好ましくとてもおいしい。内臓は少しだけ辛いような刺激があるが、これもおいしさの要素だ。
レイシガイの天ぷら わずらわしいが身を取り出して、かき揚げにするととてもおいしい。野菜は意外にも玉ねぎがあう。煮るとどちらかというと酒の肴だが、こちらはご飯のおかずになる。

好んで食べる地域・名物料理

にし汁 三重県鳥羽市国崎ではイボニシ、もしくはレイシガイの貝殻をを金槌などで割って、身を出す。これをすり鉢でそのまますりつぶし、味噌と水を加え、ご飯にかけて食べる。加熱工程なし。美味しくはあるものの食後すぐに口から喉から胃袋までがホカホカ温まります(唐辛子的な)。三重県答志島、愛知県篠島でも同様のものを作るが過熱する。［岩尾豊紀さん（鳥羽市水産研究所）、出間リカさん（三重県鳥羽市）］

にしがいのみそ汁（西貝のみそ汁） 山形県庄内地方酒田市、鶴岡市などで「にしがい」は、夏の風物詩。これが市場の競り場に並ぶと庄内地方の人は夏が来たと感じる。
みそ汁や塩ゆで、しょうゆ味で甘辛く煮て食べる。県内消費が主であるようだが市場流通もし、スーパーなどにも並ぶ。みそ汁ははうま味豊かなだしがでて非常に美味。汁を楽しみ、軟体を楽しむ、いい酒の肴である。

になみそ クボガイ（ニナ）、クマノコガイ（ツベタカ）、イシダタミ（シュウトメニナ）、イソニナ、スガイ（ニゴザ）、レイシ（ニシ）などの磯の巻き貝をゆでて身を取り出し、ひしお（しょうゆのみ）で煮たもの。愛媛県伊方町で作られている。［次郎長寿司　愛媛県八幡浜］

加工品・名産品

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釣り情報

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歴史・ことわざなど

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地方名・市場名

ヨリアイニシン
場所三重県浜島町　
ヨリアイニシ[寄り合いニシ]
備考夏の産卵期に岩場に（寄り合い）集まってくるため。　参考出間リカさん、『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所三重県鳥羽市安楽島・浜島町　
ニガニシ
参考『大柿町の海辺の生き物　町制45周年記念誌』（監修／久家光雄　編集／大柿町海辺の生き物調査団）　場所千葉県、新潟県佐渡、広島県江田島市大柿町、山口県　
マツカサツボ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県三豊市宅間町ゴマジリ・高谷　
ニシコ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県勝浦市行川・小湊・岩井町・浜荻・木更津市・船橋市・館山市・鋸南町西川名・富津市田尻　
ポーポーゲエ カレイカレイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県千倉町平磯　
ポーポー
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県千倉町平舘　
カライポッポ
場所千葉県千倉町忽戸　
カライポーポ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県千倉町忽戸　
ポッポ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県千倉町忽戸・太海　
カライソモノ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県小湊　
カレエノ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県岩井町　
カラシダマ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県岩井町・木更津市・船橋市・館山　
カレエボ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県白浜町乙浜　
ニシンボー
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県白浜町根本　
カライボ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県白浜町青木　
カラベイボ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県銚子市　
トンガラシベーボ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県銚子市外川　
ニシッコ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県鋸南町吉浜　
カラダメ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県鋸南町岩井袋　
カライソモン
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県館山・富浦町小浜　
ニガダマ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県館山市宮城　
ニガリダマ ニガンダマ カラタマ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県館山市布良　
タマ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県館山市布良・富浦町西浜、神奈川県葉山町　
カラカラダマ シオカラ
場所千葉県館山市波左間　
カライカライダマ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県館山市波左間　
ニシグリ
場所千葉県館山市洲崎　
カレエタマ カレエタマ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県館山市洲崎　
カラダマ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県館山市見物・相浜・洲崎　
ポーポンケエ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県鴨川市太海　
ニシンゴロウ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所千葉県鴨川市江見吉浦　
ニシイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所和歌山県串本町出雲　
ヨリニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所和歌山県和歌山市加太港　
イガラニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所山口県　
ニーナ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所山口県下関市豊浦町　
イカチ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所山口県徳山市（周南市）　
ニガモウ ニガモウバ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所山口県柳井市平群島　
ニシコウ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所山口県見島　
ニシグイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所山口県阿武町大字奈古　
タバコニシ
場所島根県益田市、大分県姫島　
タバコニイナ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所広島県呉市仁方町、山口県　
アカニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所新潟県佐渡　
オキニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所熊本県牛深市牛深町　
カラニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所神奈川県、島根県隠岐郡西郷町、香川県さぬき市志度町塩屋・鴨庄白方長浜・小田苫張・丸亀市そのた　
ニシダマ
場所神奈川県葉山町　
タバコガイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所福井県、京都府宮津市、香川県大川郡木内町　
ニガキャンコ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所秋田県　
シタダミ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所秋田県男鹿　
オキタニシ
備考「沖辛螺」、「沖の深いところにいる」。　参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所秋田県男鹿半島水島　
ニシカイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所秋田県男鹿市入道崎　
ナンバンガイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所茨城県　
ポーポーガイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所茨城県日立市、千葉県千倉町太川　
コショウミナ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所長崎県　
シロニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所長崎県対馬市上県町久原　
ニシミナ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所長崎県対馬市神県町久原　
コッシュウミナ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所長崎県長崎市　
ニガミナ
参考石田拓治さん　場所長崎県長崎市　
コウシュミナ
備考コウシュとは唐辛子の雲仙市での呼び名。唐辛子のように刺激のある貝という意味。　参考佐藤厚さん　場所長崎県雲仙市　
カラツブ
場所青森県八戸・下北（貝）、宮城県南三陸町　
ニガツボ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所静岡県御前崎　
タバコブケ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県さぬき市三本松西浜　
タバコブキ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県さぬき市白鳥町白鳥本町・小松原　
タバコニナ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県三豊市仁尾町曽保・粟島・志々島・佐柳島・高見島・観音寺市室本西条　
ニシツブ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県三豊市詫間町大浜　
オトコツブ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県三豊市詫間町須田　
トウガラシニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県三豊郡詫間町名部戸　
タバコツブ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県三豊郡詫間町大浜・箱・室浜　
タバコスイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県三豊郡詫間町生里　
タバコゴナ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県三豊郡豊浜町北原・多度津町見立　
ニガダメ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県丸亀市広島町江ノ浦・市井・本島町生ノ浜・泊　
パッチリ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県丸亀市広島町立石　
マツバダメ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県丸亀市広島町釜の越　
カラシダメ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県坂出市瀬居島町　
フクンジョ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県多度津町佐柳長崎浦　
イワテコ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県高松市庵治町竹居　
イワカタ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県高松市庵治町竹居・笹尾・鎌野・鞍谷・高尻・牟礼町金山　
コシュミナ
場所鹿児島県佐多町　
ニゲミナ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所鹿児島県南大隅町佐多町　
マンタカニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所鹿児島県東桜島　
ニゲモッコー
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所鹿児島県種子島　
ニガツブ ニシコッケ
場所秋田県男鹿　
ニシガイ[にし貝] ニシゲ[にし貝]
場所秋田県男鹿、山形県酒田市、鶴岡市、三重県志摩市波切　
ニシ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）、聞取　場所千葉県木更津市・船橋市・館山市など、静岡県白浜、三重県鳥羽市・尾鷲市・紀伊長島市・熊野市、長崎県、香川県、大分県など　
ニシガイ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所三重県尾鷲市　
ホウジョウ
参考『日本貝類方言集　民俗・分布・由来』（川名興　未来社）　場所香川県坂出市大越町浜條・木沢