ニザダイ
代表的な呼び名サンノジ
ニザダイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
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珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ニザダイ亜目ニザダイ科ニザダイ属
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外国名 | Scalpel sawtail 鋸尾鯛
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学名 | Prionurus scalprum Valenciennes, 1835
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漢字・学名由来 | 漢字 仁座鯛 Nizadai 由来・語源 〈PRIONURUS scalprum にざ(にざだい) 安房〉。安房は千葉県のこと。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年) 神奈川県三崎での呼び名。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年) 「にざ」の語源は〈にざ〉は〈にさあ〉と同義語。〈にいせ〉、〈にせ〉から転訛。「新背(にいせ)」「新しく大人の仲間入りできた若者のこと」。「にざだい」とは「青二才の鯛」もしくは「鯛仲間の端くれ」の意味。『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)との説もあるが、「にざ」は一次的魚名と考える。 英名/Scalpel sawtail 医療用のメス(Scalpel)のように鋭い、鋸の歯のような突起がある尾柄部(Sawtail)の魚という意味。 Valenciennes アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。浅い岩礁・サンゴ礁域。
青森県日本海沿岸、新潟県佐渡、兵庫県浜坂・香住・竹野、島根県浜田、九州北岸・西岸、播磨灘、伊予灘。
青森県白糠、[岩手県大槌町]、宮城県松島湾、茨城県鹿島灘、伊豆諸島、小笠原諸島、千葉県銚子から九州南岸の大平洋沿岸、屋久島、トカラ列島北部、琉球列島、南大東島。
朝鮮半島南岸、台湾、香港、西沙諸島。
生態
国内ではもっとも代表的な磯魚。
動物性のものも食べるが、主に石灰藻や海藻などをエサとしている。
産卵期は春だと思われる。
基本情報
古くは相模湾以南の暖かい海域に多い魚だったが、現在では本州以南で水揚げがある。明らかに温暖化で北上している魚である。標準和名はほとんど使われない魚である。呼び名も多い。大型になり、釣りの世界でも有名であるが食用魚としての認知度はとても低い。
本州以南の浅い岩礁域などに普通。一般的に磯魚といわれるなかでも大型になる。磯臭い個体の多い魚で、定置網や刺し網などでときにまとまってとれるが、漁業的にも釣りの世界でもあまり歓迎されていない。水揚げしてそのまま置くと臭みが増すなどもあって流通させても安い。
魚類中最も味のいい魚なのに未利用魚といってもいい扱いをされている。浅い場所の刺網ものはともかく、定置網などに入った個体はていねいに水揚げして、活け締めにし、内臓などを除去すると非常においしい魚である。また寒い時季は漁獲量が減るが比較的雑な扱いをしても臭味は出ない。
現在のところ市場価値が低いので、活け締めなどの処理をする量が少ないのが残念である。臭味さえなければ味はくどいようだが魚類中トップクラスだ。
水揚げ時の処理などをよくし、高級魚化を目指すといい。
珍魚度 珍しい魚ではなく漁港などでは普通である。ただあまり流通しないので産地周辺で探すといい。
本州以南の浅い岩礁域などに普通。一般的に磯魚といわれるなかでも大型になる。磯臭い個体の多い魚で、定置網や刺し網などでときにまとまってとれるが、漁業的にも釣りの世界でもあまり歓迎されていない。水揚げしてそのまま置くと臭みが増すなどもあって流通させても安い。
魚類中最も味のいい魚なのに未利用魚といってもいい扱いをされている。浅い場所の刺網ものはともかく、定置網などに入った個体はていねいに水揚げして、活け締めにし、内臓などを除去すると非常においしい魚である。また寒い時季は漁獲量が減るが比較的雑な扱いをしても臭味は出ない。
現在のところ市場価値が低いので、活け締めなどの処理をする量が少ないのが残念である。臭味さえなければ味はくどいようだが魚類中トップクラスだ。
水揚げ時の処理などをよくし、高級魚化を目指すといい。
珍魚度 珍しい魚ではなく漁港などでは普通である。ただあまり流通しないので産地周辺で探すといい。
水産基本情報
市場での評価 少ないながら入荷を見る。野締めは安く、活魚もそれほど高くはない。
漁法 定置網
主な産地
選び方・食べ方・その他
選び方
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味わい
旬は晩春〜夏。晩秋から冬にも味のいい個体がみられる。
非常に磯臭いものがある。出来れば活け締めにして、早く内臓を除去するといい。
鱗は皮と癒合して絨毛状。手ではぐことができる。骨はやや硬い。内臓は大きく、なかなかエサを排泄しないので、臭みが出やすい。
透明感のある白身で熱を通すしても硬く締まらない。骨などからいいだしが出る。
水揚げがていねいで、活け締めにしたものは臭みは皆無、五つ星の味だ。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
ニザダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、セビチェ、たたき、洗い)、煮る(煮つけ、塩煮)、焼く(素焼き、塩焼き)、ソテー(ムニエル)、揚げる(フライ)
好んで食べる地域・名物料理
くろはげ
酢みそ、洗い 徳島県海部郡海陽町宍喰『宍喰漁業協同組合』で漁師さんの奥さんは、酢みそ、洗いにして食べる。
ハゲの焼き切れ(やきぎれ) 厚皮を剥き三枚に下ろして、薄皮を焼き、刺身状に切る。これをわさびしょうゆで食べる。柑橘類などは使わない。[高知県室戸市三津/イセエビ漁師夫婦 20171113-14]
焼いて食べる 塩焼きで食べることが多い。[徳島県海部郡海陽町竹ヶ島]
酢みそ、洗い 徳島県海部郡海陽町宍喰『宍喰漁業協同組合』で漁師さんの奥さんは、酢みそ、洗いにして食べる。
ハゲの焼き切れ(やきぎれ) 厚皮を剥き三枚に下ろして、薄皮を焼き、刺身状に切る。これをわさびしょうゆで食べる。柑橘類などは使わない。[高知県室戸市三津/イセエビ漁師夫婦 20171113-14]
焼いて食べる 塩焼きで食べることが多い。[徳島県海部郡海陽町竹ヶ島]
加工品・名産品
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釣り情報
関東では外房でのイサキ釣り、もしくは伊豆半島、駿河湾でのオキアミエサを使った釣りの外道のひとつ。狙うことはないがコマセカゴをつけた片天秤仕掛けにくる。
伊豆七島、紀伊半島以南の磯釣りの外道としても代表的なものだ。
歴史・ことわざなど
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地方名・市場名
ニザハギトゲ
参考文献 場所三重
参考文献 場所三重
ニザハゲ
参考文献 場所三重県
参考文献 場所三重県
ニザハギ
参考文献 場所三重県伊勢
参考文献 場所三重県伊勢
サンコウ[三公]
備考尾鷲市で「さんこう」の漢字を「三公」としたのは身近な人、もしくはややさげすみを加えた呼び方の「公」のニュアンスが感じられるからだ。 場所三重県尾鷲市
備考尾鷲市で「さんこう」の漢字を「三公」としたのは身近な人、もしくはややさげすみを加えた呼び方の「公」のニュアンスが感じられるからだ。 場所三重県尾鷲市
クサハギ[臭剥]
場所三重県志摩市和具・大王町
サンジルシ
備考尾柄部にある硬い骨質板が3つ並んでいることからくる。 参考日比野友亮さん/和具の方言、林市兵衛さん 場所三重県志摩市和具・大王町
場所三重県志摩市和具・大王町
サンジルシ
備考尾柄部にある硬い骨質板が3つ並んでいることからくる。 参考日比野友亮さん/和具の方言、林市兵衛さん 場所三重県志摩市和具・大王町
オサン
参考林一兵衛さん 場所三重県志摩市大王町
参考林一兵衛さん 場所三重県志摩市大王町
サンハゲ
参考文献 場所三重県浜島
参考文献 場所三重県浜島
サンノジハゲ
参考20190307 場所三重県熊野市
参考20190307 場所三重県熊野市
ミツジルシ
参考文献 場所三重県熊野市木ノ本
参考文献 場所三重県熊野市木ノ本
シゲジロウ
参考文献 場所千葉県
参考文献 場所千葉県
クサンボウ
参考文献 場所千葉県高島
参考文献 場所千葉県高島
ハゲ
参考20171113三津、干もの名、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県和歌浦・白崎・切目・周参見・和深、徳島県海陽町、高知県室戸市三津
参考20171113三津、干もの名、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県和歌浦・白崎・切目・周参見・和深、徳島県海陽町、高知県室戸市三津
ハヤ
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県太地
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県太地
ハギ
参考文献 場所和歌山県太地・辰ヶ浜
参考文献 場所和歌山県太地・辰ヶ浜
ゼニモチハゲ
参考文献 場所和歌山県田辺
参考文献 場所和歌山県田辺
キンバ
参考文献 場所和歌山県美浜町三尾
参考文献 場所和歌山県美浜町三尾
カッパハゲ
参考文献 場所大阪
参考文献 場所大阪
オキコベ
参考20170511 場所宮崎県日南市目井津漁港
参考20170511 場所宮崎県日南市目井津漁港
コベンジョ[小便所]
参考20170511 場所宮崎県日南市目井津漁港(2)
参考20170511 場所宮崎県日南市目井津漁港(2)
ヒチクロウ
参考文献 場所山口県下関
参考文献 場所山口県下関
チョウセンクロヤ チョオセンクロヤ
参考文献 場所島根県恵曇・手結
参考文献 場所島根県恵曇・手結
オキハゲ
参考文献 場所広島
参考文献 場所広島
サンタ
場所徳島県
場所徳島県
クロバゲ[黒剥]
場所徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』
場所徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』
クロハゲ[黒剥]
参考聞取 場所徳島県海部郡海陽町宍喰漁業協同組合・竹ヶ島、高知県東洋町・宿毛市田ノ浦すくも湾漁協・大月町
参考聞取 場所徳島県海部郡海陽町宍喰漁業協同組合・竹ヶ島、高知県東洋町・宿毛市田ノ浦すくも湾漁協・大月町
ゼニハゲ
参考文献 場所愛媛県宇和島
参考文献 場所愛媛県宇和島
クロギマ
参考文献 場所愛知県三谷
参考文献 場所愛知県三谷
サンノジダイ
参考文献 場所東京、神奈川県三崎
参考文献 場所東京、神奈川県三崎
ニザ
場所東京、神奈川県三崎・小田原
場所東京、神奈川県三崎・小田原
カレヒン ジョウトウヘイ[上等兵]
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都大島
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都大島
カリキン
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都大島・神津島
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都大島・神津島
カリキヌ
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都大島・神津島・八丈島
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都大島・神津島・八丈島
カーミ
参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島
参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島
イユガーミー
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協
スコベ
参考文献 場所熊本県三角
参考文献 場所熊本県三角
バイオリン
参考文献 場所石川県宇出津
参考文献 場所石川県宇出津
ニザダイ
備考標準和名の影響かも知れない。 参考聞取 場所神奈川県三崎・小田原市小田原魚市場
備考標準和名の影響かも知れない。 参考聞取 場所神奈川県三崎・小田原市小田原魚市場
サンノウジ
参考20191001 小田原魚市場 場所神奈川県小田原市
参考20191001 小田原魚市場 場所神奈川県小田原市
ギンザ
参考文献 場所神奈川県江ノ島
参考文献 場所神奈川県江ノ島
コウムキ コオムキ
参考文献 場所長崎
参考文献 場所長崎
サンノジ
備考尾柄部にある硬い骨質板が3つ並んでいることからくる。 参考聞取、『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所関東の市場、伊豆七島、東京都、神奈川県、静岡県、三重県志摩市大王町・尾鷲、和歌山県、山口県宇部市、徳島県阿南市椿泊『椿泊漁業協同組合』、大分県中津市、鹿児島県種子島、沖縄県知念
備考尾柄部にある硬い骨質板が3つ並んでいることからくる。 参考聞取、『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所関東の市場、伊豆七島、東京都、神奈川県、静岡県、三重県志摩市大王町・尾鷲、和歌山県、山口県宇部市、徳島県阿南市椿泊『椿泊漁業協同組合』、大分県中津市、鹿児島県種子島、沖縄県知念
クロハギ
参考文献 場所関西
参考文献 場所関西
ウマズラハゲ
参考道の駅 東洋町 場所高知県東洋町
参考道の駅 東洋町 場所高知県東洋町
カワハギ
参考文献 場所鹿児島
参考文献 場所鹿児島
コーメ コーメンドー
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
スココメ
参考文献 場所鹿児島県阿久根
参考文献 場所鹿児島県阿久根
コメジロ[米白]
参考水揚げ表 場所鹿児島県鹿児島市
参考水揚げ表 場所鹿児島県鹿児島市