チョウセンバカマ

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SL 20cm前後。側へんし、体側に不規則な黒斑がある。背鰭・尻鰭棘が太くて長い。[SL 155]
珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目チョウセンバカマ科チョウセンバカマ属
外国名
Banjofish
学名
Banjos banjos banjos (Richardson, 1846)
漢字・学名由来

漢字 朝鮮袴 Chousenbakama
由来・語源 長崎県での呼び名。室町時代から江戸時代にかけてやってきた、李朝からの朝鮮通信使の装束を思わせたためだと思う。
種小名の「banjo」は長崎の番所衆にちなむ。

Richardson
ジョン・リチャードソン(Sir John Richardson 1787-1865 スコットランド)、博物学者、魚類学者(ichthyology)。
地方名・市場名
バンザイダイ
場所富山県 
チョウセンバカマ
参考文献 場所富山県、長崎県 
トゲナガイサキ

概要

生息域

海水魚。水深30-400mの砂泥地。
新潟県能生町沖、兵庫県浜坂〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、千葉県州崎、相模湾〜九州南岸の大平洋沿岸、東シナ海大陸棚縁辺域。
台湾南部、オーストラリア北岸・西岸。

生態

基本情報

千葉県や新潟県以南に生息する。定置網などにときどき入るもので昔は珍しい魚だったが、最近、関東近海でも増えている。思い出したようにとれる魚でとれても一日に1個体か2個体といったもので、知名度が非情に低い。関東の市場にも希にやってくるが、一定の評価はない。
珍魚度 珍魚とまでは言えないが、とれる量が非常に少ないのでめったに手に入らない。

水産基本情報

市場での評価 一定の評価葉内。安い。
漁法 定置網
産地

選び方・食べ方・その他

選び方

目が澄んでいるもの。触って硬いもので退色していないもの。白っぽくなっているものは古い。

味わい

春〜夏だが、年間を通して味が落ちない。
鱗は硬く散りにくい。皮は厚みがあって強い、骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で、まったくクセがない。
アラなどからいいだしが出る。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

チョウセンバカマの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、ポキ)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)、ソテー(バター焼き)、揚げる(唐揚げ)、汁(みそ汁、潮汁)
チョウセンバカマの刺身 小型だが身が締まっていて、脂がのっている個体が多い。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。皮を引き刺身状に切る。血合いは弱く脂は身に混在している。食感がよく噛みしめると脂がじわりと染み出てきて甘く感じる。うま味も豊かで非常においしい。
チョウセンバカマのポキ 小型魚なので皮を引くとどうしても切れ端が出る。これをさらに細かく切る。好みの野菜などを合わせて、醤油・ごま油で和える。ねぎは好相性だ。醤油を使っているにも関わらず、ワインやパンに合う。
チョウセンバカマのあら煮 頭部や中骨を集めて置く、湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・控えめの醤油・水を煮立てたなかに入れて煮る。ときどき味見して醤油を加えていく。みりん、砂糖で甘味を加えてもいい。
チョウセンバカマの塩焼き 水洗いして水分をよく切る。塩をして1時間以上寝かせて焼き上げる。塩をして数日寝かせてもいい。味はややイサキに似て鶏肉のように締まる。ほんのり甘味があってとても味わい深い。
チョウセンバカマのバター焼き 水洗いして二枚に下ろして骨つきの方に塩コショウをする。小麦粉をまぶしてじっくりソテーする。ソテーするとやや硬く締まり、その割に身離れはいい。身に甘みがあって美味。
チョウセンバカマの唐揚げ 片身を丸ごと揚げて見た。水洗いして三枚に下ろす。水分をよくきり、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。ふんわりと柔らかく揚がり、中はほどよく繊維質で鶏肉を思わせる。
チョウセンバカマのみそ汁 あらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。実においしいだしが出て、骨についた身も美味。ご飯に合う。
チョウセンバカマの潮汁 あらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、昆布だしで煮だして酒・塩で味つけする。うま味豊かな汁になり、後味がいい。骨についた皮や身もおいしい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど