タレクチベラ

タレクチベラの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
SL 80cm前後。国内には30cm前後が多い。体は前半が明るく後半が黒いが、幼魚期はこのツートーンがくっきり分かれているが、成長に従って不明瞭になる。唇が分厚く伸びる。
SL 80cm前後。国内には30cm前後が多い。体は前半が明るく後半が黒いが、幼魚期はこのツートーンがくっきり分かれているが、成長に従って不明瞭になる。唇が分厚く伸びる。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ベラ科タレクチベラ属
外国名
Thicklip Wrasse
学名
Hemigymnus melapterus (Bloch, 1791)
漢字・学名由来

漢字/垂口倍良
由来・語源/口の構造から。
ナンドラー/沖縄県石垣市
シバッタイ/沖縄県宮古島
アテイキャ/沖縄県宮古島

Bloch
Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。サンゴ礁・岩礁域。
伊豆諸島、小笠原諸島、高知県柏島、屋久島、琉球列島、尖閣諸島
幼魚/相模湾
台湾、海南島、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、タイランド湾、インド-太平洋(ハワイ諸島・ライン諸島・ツアモツ諸島以東をのぞく)

生態

基本情報

サンゴ礁の魚でベラ科では大型になるが、国内(沖縄)などで揚がるものは体長30cm前後が多いようだ。とれる量が少ないために認知度は沖縄でも低いと思う。
ただし見た目からは想像できない上質の白身をしていて、煮ても生でも、ソテーしてもおいしい。

水産基本情報

市場での評価/希に入荷。比較的安いと思う。
漁法/
産地/沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。色がくっきりして退色していないもの。

味わい

旬は不明。
小型は鱗は細かく柔らかく取りやすいが、大きくなると鱗が硬くなり取りにくくなる。皮は厚みがあり強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通しても硬くならない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

タレクチベラの料理法/生食(刺身、皮霜造り)、煮る(煮つけ)、汁(魚汁/みそ汁)、ソテー(バター焼き)
タレクチベラの刺身 ベラ科らしく水分の多い身質で柔らかい。噛みしめると表面的には軟らかさを感じるが、適度な食感があり、まろやかな甘味が浮かび上がってくる。実に上品でイヤミのない味わい。ついつい箸が伸びてしまう味である。このふくらみのある、ほどよいうま味の感じられる白身はタイ科などにはないものだと思う。

タレクチベラの皮霜造り ベラ科、ブダイ科の刺身の基本は皮霜造り、焼霜造りなのだと思っていた。これは身の味わいが淡泊過ぎるせいだ。ところが本種に限ってはそれがない。むしろ皮を利用すると煩わしいかもしれない。ただしこの多彩な味わいが好きという向きも多そう。皮の食感、皮直下のうまさは特筆でべきものがある。
なんどらーの煮つけ(タレクチベラの煮つけ) 水洗いして1尾まるごと煮つけてみた。ここでは酒・みりん・しょうゆの味つけにしてみた。思ったよりも脂があったのでこってり煮てもいいかも知れない。煮ても硬く締まらず、身離れのいい白身でほんのりとした甘味があってとても美味。
タレクチベラの魚汁(みそ汁) 頭部やあらを集めて置く、これを湯通しして、冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶くだけ。昆布だしで煮だすとよりうま味が豊かだ。濃い目の味つけにするとご飯にもとても合う。
タレクチベラのバター焼き 沖縄県で戦後に生まれた郷土料理だ。水洗いした魚に塩コショウして多めの油でじっくりソテーする。仕上げにマーガリン(バターでも)で風味づけする。最初からマーガリンでソテーしてもいいが、焦げやすい。かりっと香ばしく、マーガリンの甘さが、魚のうま味を引き立てる。非常にウマシ。ご飯にも合う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど