タチモドキ

タチモドキの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
TL 1m 前後。尾鰭がある。頭部は低い。背鰭条数は95-99(写真は数えられた限りでは97)、尻びれは2棘70-76軟条。
TL 1m 前後。尾鰭がある。頭部は低い。背鰭条数は95-99(写真は数えられた限りでは97)、尻びれは2棘70-76軟条。
TL 1m 前後。尾鰭がある。頭部は低い。背鰭条数は95-99(写真は数えられた限りでは97)、尻びれは2棘70-76軟条。
TL 1m 前後。尾鰭がある。頭部は低い。背鰭条数は95-99(写真は数えられた限りでは97)、尻びれは2棘70-76軟条。
珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目タチウオ科タチモドキ属
外国名
Slender frostfish
学名
Benthodesmus tenuis (Günther,1877)
漢字・学名由来

漢字 太刀擬 Tatimodoki
由来・語源 「軆形(体形)や色合いはよくタチウオに似ている。是らが為め曾て私はタチモドキと命名して置いた」(田中茂穂)

Tanaka
田中茂穂(Shigeho Tanaka 明治11-昭和49 1878-1974 高知県)。東京帝国大学にて魚類の分類を始める。日本魚類学の父。170種前後の新種を記載。献名された種も少なくない。
Günther,
Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。成魚は低層遊泳性・水深230〜1100、幼魚は中層遊泳性。
北海道奥尻、新潟県、五島列島、九州南西岸、青森県八戸から土佐湾の太平洋沿岸、沖縄舟状海盆、小笠原諸島。〜パラオ海嶺、台湾南部、ベトナム、ジャワ島、ハワイ諸島、ギニア湾からアンゴラの東大西洋。

生態

基本情報

国内では底曳き網で揚がる。関東では深場釣りでの外道のひとつで、ハリスを切る厄介者として嫌われている。ほとんど利用されていないと思われる。少々もったいない。
珍魚度 珍魚とは言えないが、手に入れるのは非常に難しい。深場釣りや底曳き網の漁師さんにお願いして持ち帰ってもらうしかない。

水産基本情報

市場での評価/流通しない。
漁法/底曳き網
産地/静岡県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。

味わい

旬は不明。
鱗はなく銀箔はがれやすく見た目が悪い。骨は軟らかい。
透明感のある白身だが水分が多い。熱を通すと痩せる。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

タチモドキの料理・レシピ・食べ方/揚げる(天ぷら)、生食(焼霜造り)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)
タチモドキの天ぷら 三枚に下ろして腹骨・鰭際の骨・血合い骨などを取る。細長くリボン状の身になる。弱い振り塩をして水分をよくきり、小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で揚げる。水分が多い分、ふんわりと揚がる。皮と身に甘味・うま味があり捨てがたい味である。
タチモドキの焼霜造り 水洗いして三枚に下ろし腹骨・血合い骨などを取る。皮は極単に薄いのでそのままにしてバーナーであぶり、氷水に落として粗熱をとる。水分をよくきり、適当に切る。身はあまり味があるとはいえないが、皮を皮直下にうま味がある。
タチモドキのみそ汁 水洗いして水分をよく拭き取り、鍋に入る大きさに切る。湯通しして冷水に落としてぬめりを流す。水分をよくきり、酒・みりん・醤油・水で短時間煮る。水分が多いために身が縮むものの、身に甘味があり捨てがたい味わい。
タチモドキの塩焼き 水洗いして適当にきる。水分をよくきり、弱い塩をする。強い塩をすると水分が多いので塩辛くなる。1時間ほどおき、表面に出て来た水分を拭き取り、じっくりと焼き上げる。身は縮むものの皮目に味がある。
タチモドキの潮汁 あらでもいいし、ぶつ切りにしてもいい。水洗いして適当にきり、湯通しする。冷水に落として粗熱をとり、水分をよくきり、昆布だしで煮だして酒・塩で味つけする。予想外にうま味豊かな汁になる。コショウが合う。
タチモドキのみそ汁 水洗いして適当に切る。湯通しして冷水落とし粗熱を取る。水分をよくきり水から煮出してみそを溶く。嫌みのない味わいで、ご飯のおかずになる。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

キンメダイなど深場釣りの外道。ハリスを切るので嫌われている。

歴史・ことわざなど