コブシメ

コブシメの生物写真

外套長50センチ以上になる。鰭は同じ幅で胴の先でやや広がる。貝殻は長い楕円形。鰭には白く不規則な筋模様、背面(胴)には白い斑文が散らばる。

魚貝の物知り度 ★★
これは常識
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は多くも少なくもない)
味の評価度 ★★★
美味
分類
軟体動物門頭足綱二鰓亜綱コウイカ目コウイカ科コウイカ属Sepia亜属
外国名
英名/Giant cuttlefish, Broadclub cuttlefish
学名
Sepia (Sepia) latimanus Quoy and Gaimard,1832
漢字・学名由来
漢字 大墨烏賊(?)
由来・語源 沖縄での呼び名「クブシミ」からきたもの。
私見/「くぶ」は「クフィ」で「とても大きい」という意味合い。「しみ」は「墨」のことで、大きくて墨がたくさんとれるイカという意味合い。
私見2/姿が拳(沖縄で「くぶし」)に煮ているから?
地方名・市場名
ヒガノボル
場所沖縄県石垣市 
クブシミ
場所沖縄本島、八重山 
クブシミヤー
場所八重山 
クブシミヤ
場所沖縄宮古島 

概要 ▽

生息域

海水生。九州南部から琉球列島。西部太平洋、インド洋の熱帯域。
サンゴ礁域。

生態

産卵期は冬。
ヨロイサンゴなど特定のイシサンゴに直径3センチほどの卵囊(うすいまくにつつまれたたまご)を生みつける。

基本情報

沖縄に多い大型のコウイカ。オーストラリアにいるオーストラリアコウイカ(Sepia apama)とともに世界最大級のコウイカ。
流通的には沖縄特産イカと思っても間違いない。郷土料理のイカの墨汁(いちゃのすみじる)、琉球王国の宮廷料理である東道盆(とぅんだーぶん)の「花いか(表面を赤く染めて、花などの形に切ったもの)」などに使われる。
またアオリイカ、ソデイカなどとともに沖縄ではもっとも主要なイカともいえそう。

水産基本情報

市場での評価 沖縄ではアオリイカと並ぶ高級イカ。高値で安定している。
漁法 刺突漁(モリで突く)、定置網
産地 沖縄県

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

文様のくっきりしているもの。文様が消えて白くなっているものは古い。

味わい

産卵後以外、年間を通して美味。
大型で歩留まりがよい。皮も剥きやすい。
身はやや柔らかく、冷凍すると甘みが増す。
身と頭部は煮ても硬くならない。げそは煮るととても硬くなる。墨が多い。

栄養

寄生虫

食べ方・料理法・作り方(お勧め順)

汁(墨汁)、生食(刺身、セビチェ)、ソテー(中華炒め)、煮る(ゆでる、煮つけ)

コブシメのイカ墨汁 墨が多く、これを利用して汁にする。げそや鰭などを利用するといいだしが出る。カツオ節のだしに豚肉のゆで汁(三枚肉などを加えてもいい)でイカを煮て、火が通ったら墨を加え塩味をつける。沖縄ではフーチバー(ヨモギ)、ウンジャナ(苦菜)などを青味にするが小松菜、山東菜などでも美味。独特の風味がありコクがあってとてもおいしい。

コブシメの刺身 あまり大きすぎない個体の方がうまいのかも知れない。このあたりは今後の課題。水洗いして皮をていねいに剥く。これに包丁目を入れて刺身に切る。上品な甘味があって、イカらしいねっとり感がある。非常に美味である。
コブシメのセビチェ 刺身にしたときの切れ端などを集めて置く。これをライム(柑橘類ならなんでもいい。柚子を使うと和風になる)と塩でマリネする。これに紫玉ねぎ、トマトなどを合わせるだけ。酸味のなかにイカのおいしさが楽しめてとても美味。スピリッツに合う。
コブシメとセロリの中華炒め イカとセロリは出合いのものである、特に炒め物にすると最高。頭部など柔らかな部分を集めて、塩とコショウのみで炒めてみた。イカの甘みがより強くなりほどよい食感もいい。何よりもセロリとの相性で素晴らしい料理となる。
コブシメのげそ煮 げそを湯通しして、冷水に落として表面のぬめりを流す。これを酒・しょうゆ・砂糖(量は好みで)でことことと柔らかくなるまで煮る。短時間煮ると硬い。柔らかくイカの甘みと調味料の甘みが相まって、とてもご飯に合うので御弁当などに最適。
コブシメのげそ塩ゆで 小振りのもののげそを使った。げそは塩で揉む。これを塩水でゆでる。ふっとしたところに入れて数秒から、10秒くらい。中まで火が通らなくてもいい。これを酢みそ、ドレッシング、わさびじょうゆで食べる。甘味こそ控えめだがイカらしいうま味が楽しめる。

好んで食べる地域・名物料理

沖縄県。

加工品・名産品

釣り情報

ルアーやボラなど生き餌を使って釣る。

歴史・ことわざなど

参考文献

協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)
『沖縄の漁具・漁法』(沖縄県漁業振興基金  編集沖縄県水産試験場)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣)、『沖縄語辞典 那覇方言を中心に』(内間直仁、野原三義 研究社)、『沖縄食材図鑑』(NPO法人 食の風 楽園計画)、『沖縄の釣り魚』(城一人 フィッシング沖縄社)


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