ケムシカジカ

ケムシカジカの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
35cm SL 前後になる。頭部が大きく細長い体は小さな瘤上突起に覆われ、触るとざらざらする。背鰭は長く連続していて、背鰭棘は16-19。背鰭棘は針状で軟らかいが刺さりやすい。
35cm SL 前後になる。頭部が大きく細長い体は小さな瘤上突起に覆われ、触るとざらざらする。背鰭は長く連続していて、背鰭棘は16-19。背鰭棘は針状で軟らかいが刺さりやすい。
35cm SL 前後になる。頭部が大きく細長い体は小さな瘤上突起に覆われ、触るとざらざらする。背鰭は長く連続していて、背鰭棘は16-19。背鰭棘は針状で軟らかいが刺さりやすい。
35cm SL 前後になる。頭部が大きく細長い体は小さな瘤上突起に覆われ、触るとざらざらする。背鰭は長く連続していて、背鰭棘は16-19。背鰭棘は針状で軟らかいが刺さりやすい。
35cm SL 前後になる。頭部が大きく細長い体は小さな瘤上突起に覆われ、触るとざらざらする。背鰭は長く連続していて、背鰭棘は16-19。背鰭棘は針状で軟らかいが刺さりやすい。
35cm SL 前後になる。頭部が大きく細長い体は小さな瘤上突起に覆われ、触るとざらざらする。背鰭は長く連続していて、背鰭棘は16-19。背鰭棘は針状で軟らかいが刺さりやすい。

全関連コラム

珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目ケムシカジカ科ケムシカジカ属
外国名
英名/Sculpin,Shaggy sea raven
学名
Hemitripterus villosus (Pallas, 1814)
漢字・学名由来

漢字 毛虫鰍、毛虫杜父魚 Standard Japanese name / Kemushikajika
由来・語源 細い棘があるから。もしくは毛虫のように醜いから。
田中茂穂はトウベツカジカ(渡島半島当別に由来)を標準和名としていた。
〈カジカ科ケムシカジカ亜科ケムシカジカ属ケムシカジカ〉。『日本魚類圖説』(岡田彌一郎、内田惠太郎、松原喜代松 三省堂 初版1935)

Jordan
David Starr Jordan〈デイビッド・スター・ジョーダン(ジョルダン) 1851-1931 アメリカ〉。魚類学者。日本の魚類学の創始者とされる田中茂穂とスナイダーとの共著『日本魚類目録』を出版。
Gilbert
Charles Henry Gilbert(チャールズ・ヘンリー・ギルバート 1859-1928年)。アメリカの魚類学者。太平洋北西部の魚類を研究。サケ類の研究で有名。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。水深16〜540m。
北海道全域、青森県〜対馬東部の日本海沿岸、青森県〜千葉県銚子の太平洋沿岸、、希に相模湾。オホーツク海、オリュトルスキー岬以南のベーリング海、千島列島、アラスカ湾コディアック島、間宮海峡〜ピーター大帝湾、朝鮮半島全域。

生態

産卵期は晩秋から冬。メバル属のように交尾するが卵は海中に放出される。普段は水深100m前後に生息。浅場で定住性のゴカイ類の群体や岩の割れ目などに産卵。
卵は大きく、産卵数は1万から2万粒。

基本情報

日本海と千葉県以北にいるやや大型になる不細工な魚である。不細工な魚ほどうまいというが、煮つけや汁にするととても味がいい。北海道・東北でよく食べられている大衆的な魚である。鮮魚としても人気があるが、北海道では「かじかの飯ずし」の材料としても人気が高い。
残念なのは北海道、東北以外ではあまり見かけないことだ。本種のような料理用との限られる魚も、消費地でもっと食べられるといいと思っている。
珍魚度 北海道、東北では珍しくないが、関東などでは入荷量が少なく、珍魚とまでは言えないが認知度の低い魚である。関東では探せば手に入る。

水産基本情報

市場での評価 東北の太平洋岸からの入荷が多い。野締め、活け締め、活魚で入荷してくる。値段は安く、活魚でもあまり高くない。
漁法 刺し網、底引き網、釣り
主な産地 福島県、宮城県、岩手県から北海道など

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

旬は関東では入荷量が少ないのでわからない。秋から冬の抱卵個体や春の個体は身に張りがあり、そこそこに味わい深かった。
鱗はなく瘤上突起があり、皮は剥ぎ取りやすい。骨は柔らかい。
水分の多い身で煮ても硬く締まらない。

栄養

危険性など

福島県相馬市原釜で「おこぜ」と呼ぶのは背ビレの細く鋭い棘に刺されるとジクジク痛むため。

食べ方・料理法・作り方

ケムシカジカの料理法・レシピ・食べ方/汁(塩味汁、醤油汁、みそ汁)、煮つけ(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、生食(刺身、肝あえ)
ケムシカジカの煮つけ 皮を剥き水洗いして適当に切る。肝・胃袋などは分けておく。湯通しして冷水に落とし残った皮やぬめりを流す。鍋に醤油・酒・砂糖・水を煮立てて煮上げていく。仕上げに味見してもの足りなかったら化学調味料を加える。身は煮ても硬くならず、やや淡泊な味わいながら捨てがたい味である。肝、胃袋などもおいしい。

ケムシカジカのみそ汁 液体を使った料理に合う。皮を剥き水洗いする。肝や胃袋を分けておく。適当に切り、湯通しして表面のぬめりなどを流す。これを水から煮出してみそを溶く。卵巣、肝、胃袋なども必ず入れて作ること。汁の味をみてもの足りなかったら化学調味料を振る。
ケムシカジカの唐揚げ 水洗いして皮を剥きペーパータオルでくるんで一日水分をきる。適当に切り、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。水分が多いものの揚げるとさくっとして嫌みのない味になる。
ケムシカジカのルイベ(刺身) 鮮度のいいものが手に入ったら、三枚に下ろしてペーパータオルにくるんで24時間以上冷凍する。解凍して刺身状に切る。筋肉自体はあまり味があるとはいえない。ゆでた肝を添えて肝醤油にするとか、酢みそで食べるといい。

好んで食べる地域・名物料理

東北太平洋岸から北海道。
かじか汁(トウベツカジカの三平汁・かじか三平) 北海道札幌の市場、室蘭市の市場で教わったものだが、「三平汁」とは言わず、「かじか汁」という人もいる。ケムシカジカは皮を剥き水洗いする。適当に切り、肝、胃袋とともに湯通しする(地元ではしない)。冷水に落として表面のぬめりを流して水分を切る。これをじゃがいも、にんじん、玉ねぎなどのとともに水から煮出して塩で味つけする。好みで酒を加えたり、化学調味料を入れたりする。

加工品・名産品

かじかのいずし 高橋笑美子 北海道石狩市厚田。切り身としょうが、ニンジンなどを糀で漬け込んだもの。田中茂穂が「最も優れた調理法はカジカ鮨と称するもの」とある。現在の飯ずしのようなもののようだ。

釣り情報

東北、北海道では根魚釣りの対象魚。胴付き仕掛けのイカエサなどで釣れる。

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

カジカオコゼ
場所三陸? 
トウベツ トウベツカジカ[当別鰍]
備考渡島半島の当別に由来する。 参考『ほっかいどう 味の風土記』(達本外喜治 北海道新聞社 1984) 場所北海道、青森県むつ市 
エビスウオ
参考文献 場所北海道伊達町 
カジカ
参考荷 場所北海道室蘭市、岩手県久慈市・宮古市 
カワムキカジカ[皮剥鰍]
参考文献 場所北海道札幌 
ボッケイ
参考福島水試 場所宮城県南部 
グズ
参考文献 場所富山県生地 
オコゼ
参考文献 場所新潟県 
ムキカジカ[剥かじか]
参考20240227市場 場所新潟県佐渡 
タロ
参考福島水試 場所福島県いわき市 
ヤマノカミ[山の神]
参考福島水試 場所福島県いわき市、茨城県久慈浜 
サッタロウ
参考福島水試 場所福島県双葉町 
オコゼ
参考福島水試 場所福島県双葉町・いわき市・奥只見 
オバケ
参考文献 場所福島県小名浜 
マツリ ヨボ
参考福島水試 場所福島県相馬 
サゴカジカ
参考青森県水産技術センター 場所青森県佐井村牛滝 
サルカツカ
参考文献 場所青森県八戸 
モカジカ
参考文献 場所青森県陸奥湾 
ナベコワシ
参考『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社) 場所北海道 
ボッケ イクジ シゲエム
備考この魚の背鰭に刺されると長い間じくじくと痛みがあるためだという。