カワヤツメ
代表的な呼び名ヤツメウナギ
魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
概要
生息域
川→海→川。島根県、茨城県以北。朝鮮半島からスカンジナビア半島東部、アラスカ。
生態
ヤツメウナギの基本的情報
無顎上綱(Superclass Agnatha) について◆
■ メクラウナギ綱(Myxinidae)と頭口綱(Cephalaspidomorphi)の2綱に分かれる。
■ 顎のない原始的な生物。古生代に誕生して、絶滅した棘魚類、板皮類を含む。
ヤツメウナギ目(Petromyzontiformes)ヤツメウナギ科(Petromyzontidae) について◆
■ ヤツメウナギ科1科のみに6属41種。国内には4種。一般に食用となるのはカワヤツメのみ。
■ アンモシーテス(アンモセーテス Ammocoetes)と呼ばれる幼生期を経る。
■ 口は吸盤状になり、奥に歯が並んでいる。吸盤で吸い付き、他の魚の肉をはぎ取って食べたり、体液、血液などを吸う。
■ 特徴は鱗がない。背鰭が2つ、尾鰭があるのみ。胸鰭、腹鰭、尻鰭を欠く。
■ 鰓孔(えらあな)が7対あり、体側に並んでいる。横から見ると本当の目を加えて8つの目(?)が並んでいるように見えるので「八目」となる。
生態
海で2〜3年過ごし産卵するために川に上る。
3〜4年で成熟し、湖の浅い湧水のある場所で産卵。産卵後死んでしまう。北海道では5〜6月に遡上してその年の夏に産卵するものと、9月〜10月に遡上して、翌年春に産卵するものがある。
川で2年以上暮らし、若魚(成体)に変態して海に下る。
幼生期は植物プランクトンやデトリタス(水中に浮遊する有機物)を食べている。成体は吸盤状の口で魚などに吸着して寄生、皮膚、筋肉や体液、血液などをLampheredinという腺液で溶かして食べる。
基本情報
一般的な「ウナギ」と縁もゆかりもない生き物で、分類学的に魚類ではないとされることのある無顎類である。実際に鱗もなくウナギのように粘液も出さない。
川で生まれて、川に産卵のために上る。この川に上るヤツメウナギを取り食べている。古く東北・北海道などでは普通に見られ食べられていたが、近年激減、珍しくて高価なものとなっている。
古くから滋養強壮にきくとされ、とくに夜盲症などに効果ありといわれている。乾物は特に漢方薬として取り扱われている。
産地である東北などでは秋から冬に鍋、みそ汁などにして食べている。
水産基本情報
市場での評価 関東の市場にはほとんど入荷しない。高価。
漁法 筌、ヤス、手づかみ
産地 北海道、青森県、秋田県、山形県、新潟県ほか
選び方・食べ方・その他
選び方
原則的に生きているもの。
味わい
旬は秋から冬。
表面にウナギのようなぬめりはない。皮は厚みがあって熱を通すと縮む。骨が網状になっていて柔らかい。白身ではあるが赤みを帯びていて軟らかい。下ろすときに大量の血液を出す。
栄養
ビタミンAが豊富。
危険性など
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食べ方・料理法・作り方
料理法 汁(鍋、みそ汁)、焼く(蒲焼き)
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
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歴史・ことわざなど
断腸亭日乗 昭和11(1936)年。七月三日。「夕食前に家を出て、行くところもなければ浅草公園にいく。伝法院裏門外より池のほとりに並びたる露店の中、人殊更多く集まるものは八ッ目鰻のつけ焼きと……」。