アカカサゴ
アカカサゴの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
体長20cm前後になる。体は紡錘形に近く、全体に一様に赤いものと背の部分に黒いゴマ状の斑紋のあるものがある。前鰓蓋骨第2棘は小さいか、非常に小さい。
魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★ 美味 |
分類 |
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目シロカサゴ科アカカサゴ属
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外国名 |
Red deepwater scorpionfish
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学名 |
Lythrichthys eulabes Jordan and Starks 1904
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漢字・学名由来 |
漢字 赤笠子、赤瘡子 Akakasago
由来・語源 色合いから。
〈頬甲族カサゴ科アカカサゴ属アカカサゴ Lythrichthys eulabes JORDAN et STARKS〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
ちなみに『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 2013年02月26日)では〈フサカサゴ科シロカサゴ属〉のみであり、アカカサゴ属はなく、ここにシロカサゴとアカカサゴの2種が掲載されている。 |
地方名・市場名 |
カサゴ 備考シロカサゴとともにアカカサゴ、もしくは単にカサゴ。 |
概要
生息域
海水魚。水深110-1054m。通常200-500mの貝殻混じり砂地。
福島〜九州南岸の太平洋沿岸、兵庫県浜坂、東シナ海大陸棚斜面上部域、九州〜パラオ海嶺。
台湾南部、広東省沖、ニューカレドニア医までの西太平洋、アンダマン海、アラビア海。
生態
基本情報
太平洋側の底曳き網で揚がるもの。珍しい魚ではないが、水揚げ量は少なく流通上での認知度も低い。
漁業者には棘が硬く刺されると痛いので雑魚として扱われ、嫌われていた。競り場などに普通に並ぶようになったのは2000年以降である。
鰓蓋(えらぶた)の後方にと棘が張り出している。まん中が欠けて2本長いのがアカカサゴである。ほかにも違いはあるものの、ここを見るのがいちばん手っ取り早い
←シロカサゴ
鰓蓋(えらぶた)の後方にと棘が張り出している。この上部の棘が同じように3本並んでるのがシロカサゴ。
水産基本情報
市場での評価 流通することは非常に希。
漁法 底曳き網
産地 静岡県、愛知県、三重県
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
旬は不明。
棘がするどく刺されると痛み危険なので、背鰭など棘を切り取ってから料理する。
鱗が小さく、取りやすい。皮は普通。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で水分が多く水っぽい。骨などからいいだしが出る。
肝は小さいがおいしい。
栄養
危険性など
刺毒魚で鰭の棘は細くて鋭く、刺されると強い痛みがある。
食べ方・料理法・作り方
アカカサゴの料理法・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き、干もの)、煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、汁(潮汁、みそ汁)
アカカサゴの煮つけ 水洗いして湯通しして冷水に落として、鱗などをきれいに取る。これを昆布だし(水でもいい)にしょうゆ(薄口)、みりん、酒で煮つける。煮ると身が締まり、やせるが上質の白身なので、できるだけ薄味にする方がうまい。
アカカサゴの開き干し 水洗いして開く。水分をよくきり強い塩水の中に10〜20分浸す。水分をよくきり半日干す。あまり身にうま味がない魚ではあるが干すことによって味がでる。皮目がとても香ばしくおいしい。
アカカサゴの塩焼き 水洗いして、内臓をずぼ抜きにして下処理をする。単に塩焼きにしても開いて干し上げて焼いてもとてもうまい。非常に上品な味わいで皮目に味がある。身離れはあまりいいとは言いがたいが美味。
アカカサゴの焼霜造り 上質の白身ではあるが、やや水分が多く味わいに欠ける。赤い皮目に甘味があり、噛むとうま味が染み出してくる。この皮を生かすために水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、水分をよく切り皮目をあぶって氷水で粗熱をとる。水分をよくきり刺身状に切る。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど