アズキカサゴ
7cm SL 前後になる。小型種。体全体が一様に赤黒く、典型的な笠子型で背鰭、腹鰭などの棘が長く鋭い。涙骨棘(顔の先端付近にある3対の下向きの棘)の真ん中の棘が前下方あるいは真下を向く。
魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★ 食用として認知されていない |
味の評価度 |
ー |
分類 |
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目シロカサゴ科アカカサゴ属
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外国名 |
ー
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学名 |
Lythrichthys cypho (Fowler 1938)
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漢字・学名由来 |
漢字/小豆笠子 Azukikasago
由来・語源/小型で赤味を帯びて小豆を思わせるから。
アカカサゴ類は過去に3種とされていたものが、のちにアメリカの研究者によって1種とされた。伊東正英、和田英敏両氏が鹿児島県の深海を曳く深海エビ漁船に乗船し、本種などアカカサゴと考えられていた個体4を採取する。和田英敏氏はかねてよりアカカサゴの研究をしており、これも含めて研究、整理し、過去に国内海域でアカカサゴとされていたものは総てアカカサゴ属(一度無効とされていた。Lythrichthys)で、3種にわかれることをつきとめる。アカカサゴ以外にアズキカサゴ、Lythrichthys cypho (Fowler 1938) とスミクイアカカサゴ、Lythrichthys longimanus (Alcock 1894) と和名をつける。
ちなみに『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 2013年02月26日)では〈フサカサゴ科シロカサゴ属〉であり、ここにシロカサゴとアカカサゴの2種のみの存在が知られていた。現在はシロカサゴ科シロカサゴ属にシロカサゴ、アカカサゴ属にアカカサゴ、アズキカサゴ、スミクイアカカサゴの合計4種となっている。 Wada 和田英敏(Hidetoshi Wada)。1992年、熊本県生まれ。鹿児島大学で博士号を取得。在学中からシロカサゴ科魚類の研究をする。現在、神奈川県立生命の星・地球博物館にJSPS特別研究員として在籍中。鹿児島大学在籍中から多くの論文に関わり、多くの業績を残す。 伊東正英 Masahide Ito。1968年長野県生まれ。鹿児島県笠沙町の定置網漁師。過去に動物関係の専門学校の海洋生物科で学び、葛西臨海水族園準備スタッフとして働く。 現在、鹿児島大学本村浩之教授の求めに応じ標本の収集に協力する。多くの国内未発見種・新種を採取。魚類学に多大なる貢献をしている。
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地方名・市場名 |
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概要
生息域
海水魚。
茨城県,静岡県,愛知県,三重県,和歌山県,高知県,鹿児島県(薩摩半島西岸),沖縄トラフ。
生態
基本情報
近縁種であるアカカサゴやスミクイアカカサゴと同様に太平洋側の底曳き網で水揚げされることが多い。アカカサゴやスミクイアカカサゴと比べると遙かに小型。水揚げされても利用されることなく廃棄されている。
水産基本情報
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
栄養
危険性など
刺毒魚。アカカサゴ、シロカサゴ同様、細く鋭い棘に刺されるとじくじくと痛む。
食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど