ブリモドキ
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
概要
生息域
海水魚。沖合〜沿岸の表層。
小笠原諸島、北海道〜九州南岸屋久島の太平洋沿岸、鹿児島県笠沙、琉球列島、東シナ海北部の大陸棚縁辺。
青森県〜山口県の日本海沿岸、瀬戸内海には少ない。
千島列島南部の太平洋沿岸、朝鮮半島南岸、済州島、台湾、西沙諸島、全世界の温帯・熱帯域。
生態
世界中の温帯〜熱帯域に生息している。ヨーロッパでも馴染みのある魚でリンネが18世紀に記載した魚である。非常に美しい魚で黒潮域よりも地中海が似合いそうだ。
大型のサメやエイ、イルカなどの大型魚、船とともに泳ぐ習性があり、これがためにPilot fish(パイロットフィッシュと呼ばれている。港湾で大型船を誘導する水先案内の船(Pilot)のような魚(Fish)と呼ばれている。
国内では希に定置網に入ったり、釣れたりする。流通上では希に見かける程度である。
珍魚度 流通するものの、入荷量はとても少なく、かなりがんばって探さないと手に入らない。
基本情報
世界中の温帯から熱帯に広い生息域をもつ。漁業的には定置網などに希に紛れ込むもので、揚がっても1個体か2個体くらいなので利用されないことが多い。
また相模湾などでは小型が多いのも利用されない理由だと思う。
珍魚度 食用魚として希に流通することがある。まめに探さないと手に入らない。
水産基本情報
市場での評価/ほとんど入荷しないので一定の評価はなく安い。
漁法/定置網
産地/
選び方・食べ方・その他
選び方
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味わい
旬は不明。
鱗は細かく取りやすい。皮は厚みがあるがもろい。骨は軟らかい。
白身で血合いは鮮度がよいときれいだがくすみやすい。熱を通しても硬く締まらない。
味わいはブリ(ワカシ、イナダ)に似ている。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引かないで塩コショウする。小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。
身質がよく、くせのない味で、揚げるとふんわりと柔らかくなる。血合いの少し青魚を思わせる風味がいい。
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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釣り情報
写真のものは相模湾でアジ釣りに混じったもの。
歴史・ことわざなど
Pilotfish 欧米ではパイロットフィッシュ。大型のサメや船などと一緒に泳ぐ習性があることから、パイロット(水先人、水先案内人ともいう。大型の船などを岸壁などに誘導する専門家)のようだ、との意味あい。田中茂穂は「古来の伝説として、この魚は鮫などを食物のあるところへ案内し、その報酬として己の恐れる肉食魚を威嚇してもらい、相互に利益を得ている」とする。