ドンコ

ドンコの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
25cm SL 前後になる。側線がなく、縦へんし、褐色でやや細長い。[徳島県阿南市]
25cm SL 前後になる。側線がなく、縦へんし、褐色でやや細長い。[琵琶湖北部]
珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ハゼ亜目ドンコ科ドンコ属
外国名
Dark sleeper
学名
Odontobutis obscura (Temminck and Schlegel,1845)
漢字・学名由来

漢字 鈍甲 Donko
由来・語源 明治時代に西洋から動物学が導入されたとき、最初に国内での呼び名を集めて標準和名とした。淡水魚は主に琵琶湖周辺で、海水魚は東京にあった日本橋魚河岸で収集したものから選んだ。本種も琵琶湖など滋賀県での呼び名。川や水路でも動きが鈍くつかまえやすい。要するに動きが鈍(にぶい)からだ。
〈Eleotris obscura 和名なし〉『内村鑑三の魚類目録(1884年/明治17、未発表)について』(時田●(文字不明)、小林喜雄 北海道大學水産學部研究彙報)
〈ハゼ族ハゼ科ドンコ屬 ドンコ Mogurnda obscura 〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
〈スズキ目カワアナゴ科ドンコ属 ドンコ Odontobutis obscura 〉。『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)
〈スズキ目ハゼ科カワアナゴ亜科ドンコ属 Odontobutis obscura〉。『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)
〈スズキ目ハゼ亜目ドンコ科ドンコ属 ドンコ〉。『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会 2000年12月20日)

Temminck
コンラート・ヤコブ・テミンク Coenraad Jacob Temminck(1778-1858 オランダ) シュレーゲルとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
Schlegel
ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel 1804-1884年)はドイツの動物学者。テミングとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
地方名・市場名
ドンコツ
参考『小田川流域の生物文化多様性』(田賀辰也) 場所岡山県小田郡掛合町矢掛小田川流域 
ダラズゴリ ゴンパツ ドンコツ ボンコツ
参考NPO法人アンダンテ21 場所島根県高津川水系・益田川 
ドロボー
参考「菅浦の湖岸集落景観保存調査 2014 滋賀県長浜市」 場所滋賀県長浜市菅浦 
ドギンボ
場所岡山県高梁市備中町黒鳥[細川] 
ボンコ
場所島根県鹿足郡吉賀町[アンダンテ21] 
イシブシ ウシヌスト エダゴツ エダゴリ オドチ カブロ カワオコゼ カワトンボ ガンボオグズ グス グズ ゴソ ゴツトロ ゴツバ ゴツバツ ゴッボオ ゴツポウ ゴト コトクロ ゴトクロ ゴニョ
参考文献より。 

概要

生息域

淡水魚。河川の渓流域下部の淵、中流域など流れの穏やかなところ。
新潟県・富山県・岐阜県・愛知県以西の本州、四国、九州。茨城県那珂湊、神奈川県。
韓国巨済島。

生態

淡水域で一生を送る。
産卵期は5〜7月。
雄が倒木や岩、テトラなどの下に産卵場所を作り、グーグーと鳴き雌を誘う。
雌は産卵場所の天井部に産卵。
雄は孵化まで守る。
夜行性で小魚やエビなどを襲う。

基本情報

西日本の穏やかな上流・中流域の、流れ生息している。
非常に上品な白身で日本各地で食用となっているようである。

水産基本情報

流通上見ていない。

選び方・食べ方・その他

選び方

原則として生きているもの。

味わい

旬は春から初夏。
鱗は薄く軟らかい、骨も細く軟らかい。
皮はしっかりしている。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ドンコの料理・レシピ・食べ方/焼く(素焼き、塩焼き)、揚げる(唐揚げ)
ドンコの塩焼き クセのない白身で皮に風味がある。うまい!
ドンコ酒 「どんこ酒」は「かじか酒」に負けない味。
ドンコの唐揚げ 小振りなら丸のまま食べられる。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど