シオフキ

シオフキの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
85mm SL 前後になる。貝殻は薄くもろい。とても膨らみが強くころころしている。殻表には同心円肋がある。
85mm SL 前後になる。貝殻は薄くもろい。とても膨らみが強くころころしている。殻表には同心円肋がある。[45mm SL・重さ18g]
85mm SL 前後になる。貝殻は薄くもろい。とても膨らみが強くころころしている。殻表には同心円肋がある。[45mm SL・重さ18g]
85mm SL 前後になる。貝殻は薄くもろい。とても膨らみが強くころころしている。殻表には同心円肋がある。[40mm SL・重さ13g]
85mm SL 前後になる。貝殻は薄くもろい。とても膨らみが強くころころしている。殻表には同心円肋がある。[40mm SL・重さ13g]
85mm SL 前後になる。貝殻は薄くもろい。とても膨らみが強くころころしている。殻表には同心円肋がある。[27mm SL・重さ4g]
85mm SL 前後になる。貝殻は薄くもろい。とても膨らみが強くころころしている。殻表には同心円肋がある。[27mm SL・重さ4g]
85mm SL 前後になる。貝殻は薄くもろい。とても膨らみが強くころころしている。殻表には同心円肋がある。[27mm SL・重さ4g]
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目バカガイ超科バカガイ科バカガイ亜科バカガイ属
外国名
英名/Wedge-shaped surf clam
学名
Mactra veneriformis Deshayes in Reeve,1854
漢字・学名由来

漢字 塩吹 Siofuki
由来・語源 『六百介品』より。
■ 「殻を閉じるときにチュと水を吐き出すので、この名がある」。『標準原色図鑑全集 貝』(波部忠重、小菅貞男 保育社)
■ 「砂などにもぐっているところを掘り出すと、水管から海水を吹くことから」と『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)にある。ただしアサリをはじめ「しおふき」と呼ばれた貝は数種類あるようで、言葉自体は単一種をさしたものではない可能性がある

六百介品
江戸時代に作られた彩色図譜。600種ほどの貝類を漢名、和名で紹介したもの。著者不明。
地方名・市場名

概要

生息域

海水生。内湾の潮間帯下部〜水深20メートルの浅い砂泥地に棲む。
山形県・宮城県以南、四国、九州。
沿海州南部から朝鮮半島、中国大陸。

生態

産卵期は4月〜7月。
砂地にもぐり、水管を出してプランクトンやデトリタス(有機質の死骸や破片など)を漉して食べている。

基本情報

比較的暖かい地域の干潟などに普通。潮干狩りの貝としても親しまれている。
アサリと比べられてまずいと思い込まれている向きがあるが、潮干狩りなどの獲物の中でもっとも味のいい貝のひとつだ。産地などでも好きな人は多い。
韓国の方が国内よりも一般的。国内ではあまり流通しないのが残念である。

潮干狩り場で アサリよりもたくさんとれることがある。おいしくないと思い込んで捨てる人がいるが、非常にもったいない。

水産基本情報

市場での評価 非常に希に入荷してくる。値段は安い。また加工原料に使われることも。
漁法 じょれん曳
主な産地 福岡県

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

旬は春。
貝殻が薄く、剥き身にしやすい。
煮てもあまり硬くならない。

下ごしらえ
砂抜きの方法 まずは砂抜きをする。潮干狩りなどに行くときには、空の容器などを持参して砂抜き用の海水を持ち帰ってくるといい。貝殻が重ならないような容器に海水とともに入れて、蓋をして暗くする。半日から1日で砂が抜ける。気温が高かったら、保冷剤などで冷やすといい。
ゆでる 砂が残っていたら、貝殻のままゆでる。ゆで汁は絶対捨ててはダメ。身を取り出す。この身の砂をゆで汁のなかでよく揺すって落とす。手間だけど砂をたくさん噛んでいたら外套膜をめくって洗う。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

シオフキの料理法・レシピ・食べ方/汁(みそ汁、潮汁)、煮る(酒蒸、煮つけ、佃煮)、パスタ、揚げる(天ぷら)、飯(炊き込みご飯、卵とじ)
シオフキのみそ汁 もっとも基本的な料理法だろう。砂抜きしたものは、ざるなどに入れて流水でざくざくと洗う。鍋に水と一緒に入れて火をつけてわかす。貝が開いてきたらみそをとく。アサリと比べると甘味が薄く、微かに苦みがあるが味はいい。
シオフキの酒蒸 ザルなどに入れて流水をかけながらざくざくとていねいに洗う。鍋に貝と少量の酒を入れて蒸し煮にする。貝殻が開いたら出来上がり。塩などの調味料は不要。ねぎなども必須ではない。微かに苦みがあるものの、身に甘味・うま味があり美味。
シオフキのパスタ(フェデリーニ) シオフキは少量の水で蒸し煮する。貝殻が開いたら、蒸し汁と貝を分けて冷やす。貝殻から身をはずし、蒸し汁の中にもどし箸などで強くかき混ぜて砂・貝殻などをとり、ザルで身と汁を分ける。汁は細かいザルで濾しておく。フライパンに多めのオリーブオイルとにんにくをソテー。香りをだして身を加える。このとき香りのある野菜、トマトを加えてもいい。ここにゆで上がりのパスタを入れて和える。
シオフキの煮つけ ゆでこぼして剥き身にしたものを、比較的あっさりと煮あげたもの。かなりしっかり煮ても硬くならない。また身自体にも旨味が感じられる。たっぷりとショウガを利かせてあり、ご飯にとても合う。
シオフキの天ぷら 天ぷらは生よりもゆでて、貝殻を外してから。揚げる。ゆでた軟体は水分をよくきり、小麦粉をまぶして衣をつけて高温で短時間揚げる。時間をかけて上げるとさくっと揚がらない。貝らしいうま味、食感があってとても味わい深い。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

東京、千葉などでは佃煮にする。

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

ドンビガイ トンビガイ
備考物類称呼に「とんび貝」。 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 『物類称呼』(越谷吾山著 安永4/1775 解説/杉本つとむ 八坂書房 1976) 場所三重県伊勢 
ションベンガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所三重県伊勢市二見町 
ドンビ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所三重県津市 
デンボコ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所兵庫県瀬戸内海側高砂 
ツボ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所千葉県富津市富津 
カンスー
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所山口県柳井市 
カラスガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所山口県長門市掛淵 
スズメガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所岡山県笠岡 
ドブガー
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所岡山県笠岡市・寄島 
シッタカ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所岩手県陸前高田市小友町・米崎町・高田町 
バカガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所愛知県刈谷市、山口県西部 
ジージ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所愛知県知多郡 
ショッピイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所愛知県蒲郡 
ナキ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所愛知県西尾市平坂町・手津町・巨海町 
バーガイ
場所福岡県有明海 
アケミ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所福岡県豊前市 
バカ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所関東 
ツンボガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所静岡県浜名湖舞阪町 
ババアガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所静岡県浜松市・浜名湖 
カンスガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所香川県小豆島西海村長浜 
アサリ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)  場所鳥取 
シオフッゲ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所鹿児島 
ツブ ツブガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所千葉県富津市・君津市・木更津市・市原市・九十九里町など県内各地 
ブンブク
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所静岡県浜名湖 
ヌマガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)