クロブチテンスの料理法・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、蒸す(蒸し魚)、生食(刺身、皮霜造)、揚げる(フライ)、ソテー(ムニエル)、汁(みそ汁)
クロブチテンスの塩焼き 重さ1kg以上ある大物だったので、頭部だけでも料理ができた。頭部は梨子割りにして塩をして1時間以上寝かせる。これを焼き上げる。焼き上げても硬くならず、皮目はしっとりと厚みがある。皮周辺の官能的なうまさ、身の甘味ともにアカアマダイ以上のおいしさである。塩焼きとしては類をみない味。
クロブチテンスの煮つけ いちばんうまいのは兜(頭部)のようである。水洗いして頭部は梨子割りにする。これを湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。酒・醤油・水を煮立てた中で煮る。みりん、砂糖などで甘味をつけるとご飯に合う。厚みのある皮が非常にうまい。口の中に入れるととろっととろけて深みのある味わいがする。思った以上にたっぷりの身も絶品。
クロブチテンスの蒸し魚(清蒸) ベラ科の魚は蒸すと煮崩れるものがあるが、本種は皮、身がしまっていて強いので大丈夫とみた。水洗いして二枚に下ろし、頭部に近い方の水分をよくきる。これを10分ほど蒸して、タレ(醤油・魚醬少々・紹興酒・砂糖を合わせて一煮立ちしたもの)をかけて、香りのある野菜をのせ、煙が出るほど熱した油をかける。タレは中華の甘い醤油でもいい。端的なおいしさで、ご飯がすすむ。
クロブチテンスの刺身 水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引き薄く造る。身に厚みはないものの、硬く締まっている。薄く造っても食感があり、うま味・甘味が豊かである。テンス属は基本的に水っぽいが、本種は別物の感がある。非常に美味。
クロブチテンスの皮霜造 水洗いして三枚に下ろして血合い骨・腹骨を取る。水分をよくきり、皮目に布巾を乗せて湯をかける。氷水に落として粗熱をとる。少し冷蔵庫などで寝かせて、皮目を落ち着かせてから刺身状に切る。皮は硬いがうま味がある。身は甘く、ゴージャスな味わいである。
クロブチテンスのフライ 水洗いして三枚に下ろす。中骨・血合い骨を取り、皮を引き切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵(小麦粉・卵・水の衣でもいい)をからめ、パン粉をつけて揚げる。揚げると身はふっくらとふくらんで豊潤。柔らかくうま味がある。
クロブチテンスのムニエル 水洗いして三枚に下ろし血合い骨・腹骨を取る。塩コショウして小麦粉をまぶして少し置き、多めのオリーブオイルでじっくり時間をかけてソテーする。仕上げにバターで風味づけ。皮の表面は香ばしく皮の身側はねっとりして甘味が感じられる。身は締まりすぎず柔らかい。
クロブチテンスのみそ汁 刺身などにしたときのあらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。青みなどはお好みで。実にうま味豊かな汁になり、付着した皮、身もおいしい。ご飯に合う。